▶「摂食障害の特徴とサイン・治療法について知りたい」

心療内科
摂食障害特徴サイン・治療法について知りたい
摂食障害」とは、食事の量、食べ方など、食事に関連した行動の異常が続き、体重や体型のとらえ方などを中心に、心と体の両方に影響が及ぶ病気をまとめて呼びます。

摂食障害では、必要な量の食事を食べられない、自分ではコントロールできずに食べ過ぎる

いったん飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまうなど、患者さんによってさまざまな症状があります。

代表的な病気に神経性やせ症神経性過食症過食性障害があります。

 

摂食障害の特徴

摂食障害は10代から20代の若者がかかることが多く、女性の割合が高いです。

年令、性別、社会的、文化的背景を問わず誰でもかかりうる病気です。

日本で医療機関を受診している摂食障害患者は1年間に21~24万人とされています。

さらに、複数の調査において、治療を受けたことがない方や、治療を中断している方が4割ほどいることがわかっており、

治療が必要な患者数は40万人近くいると考えられています。

摂食障害にかかると、心身の成長・発達と健康、人との関係、日常生活や、学業、職業などの社会生活に深刻な影響をあたえます。

痩せすぎや栄養障害、嘔吐などの症状によって、体に合併症を来し、時には生命の危険がある場合もあります。

また、別の精神障害(発達障害、依存症)、精神症状(不安、強迫、うつなど)を伴うこともあります。

更に、インスリン治療が必須な1型糖尿病に合併しているケースもあるので注意が必要です。

摂食障害の影響が大きく、長くならないうちに、摂食障害のサインや症状に気づいたら、

できるだけ早く専門家に相談して治療を受けることが大切です。

 

摂食障害のサイン・症状

摂食障害の一般的な症状を示します。必ずしも全てにあてはまるわけではありません。

食べることに関する症状

絶食する、食欲がない、食事の量やカロリーを制限する、食べることが難しい
大量に食べてしまい自分ではコントロールできない
食べたものを自分で嘔吐する
下剤を決められた量以上に使ってしまう
利尿剤ややせ薬を使ってしまう
過剰に運動してしまう
(1型糖尿病に合併する場合)必要なインスリンを使わない

体重や体形、食事への不安

体重や体形への不満がある
周囲からはひどくやせていると言われるが、自分では、ちょうどいい、あるいは太っていると感じる
強いやせ願望、あるいは体重が増えることへの恐怖がある
食べ物のことが頭から離れない

こころの症状

自尊心が低い
精神的な苦痛がある
抑うつ気分、不安、気分の変化が大きい
性欲が低下している
周りの人は心配するが、自分が病気とは思っていない
周囲や社会から孤立している

からだの症状

さまざまな身体の症状がある(例:疲れやすい、寒がり、胃もたれ、便秘、むくみやすい等)
極端な体重の増加や減少がある
唾液腺の腫脹、齲歯(嘔吐症状がある場合)
月経が止まる、不規則になる

 

 

摂食障害の治療法にはいくつかのアプローチがあります。

1.認知行動療法(CBT)

患者の思考パターンや行動を変えることで、摂食障害の症状を改善します。

食事や体型に対する歪んだ認識を修正することが目的です。

2.対人関係療法(IPT)

患者の対人関係の問題を解決することで、摂食障害の症状を改善します。特に過食症の治療に効果的です。

3.栄養療法

栄養士や医師の指導のもと、バランスの取れた食事を摂ることで、体重や栄養状態を改善します。

必要に応じてサプリメントも使用します。

4.薬物療法

抗うつ薬抗不安薬などの向精神薬を使用して、摂食障害に伴う精神的な症状を緩和します。

ただし、薬物療法はあくまで補助的な役割です。

5.家族療法

家族全体で治療に取り組むことで、患者の回復を支援します。特に若年層の患者に効果的です。

6.入院治療

重度の摂食障害の場合、専門の医療機関での入院治療が必要となることがあります。

入院中は、医療スタッフの監督のもとで食事療法や心理療法が行われます。

7.心理カウンセリング

患者の心理的な問題を掘り下げ、ストレストラウマに対処することで、摂食障害の根本的な原因を解決します。

8.分子整合栄養医学

必要な栄養素をサプリメントで補給し、体内の細胞を正常な状態に整える治療法です。

特に栄養失調機能性低血糖症に効果があります。

9.支持的精神療法

患者の感情や行動を理解し、支援することで、摂食障害の症状を軽減します。

患者との信頼関係を築くことが重要です。

10.自己助けグループ

同じ問題を抱える人々が集まり、経験や感情を共有することで、互いに支え合いながら回復を目指します。

摂食障害の治療は個々の症状や状況に応じて異なるため、専門の医療機関での診断と治療が重要です。

もし心配なことがあれば、専門家に相談することをオススメします。

 

最後に

私は、摂食障害のことを詳しく学んだことがありませんでした。

今回、心療内科の疾患を理解する目的で調べたのですが、

まさに「心と体のケア」のタイトル通り、両面から治療をアプローチする必要がありますね。

一見普通の体型で普通の生活をおくっている人たちの中に、苦しんでいる人がたくさんいるのです。

誰にでもおこる可能性のある身近な病気のため、もし相談されたら理解と共感を基に寄り添ってあげましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

摂食障害(過食症・過食嘔吐・拒食症)の治療方法|摂食障害 ….http://www.sessyokusyougai-clinic.com/ed/howtodo.html

【精神科医が解説】摂食障害の症状・診断・治療 – 内科・心療 …. https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/psychiatry-disease/eating-disorder/about-ed/.

 

タイトルとURLをコピーしました