▶【不整脈】の薬を作用別に分類して具体的教えて!

薬剤師の皆様へ
不整脈の薬を作用別に分類して具体的教えて!

不整脈の治療は多くの症例において重要であり、

その治療薬は薬理学的な作用機序に基づいてさまざまに分類されます。

ここでは、主にVaughan Williams分類に従って、

抗不整脈薬の種類や具体的な薬品名、各薬剤の作用について詳述します。

 

Vaughan Williams分類

Vaughan Williams分類は、抗不整脈薬の主要な分類方法であり、以下の4つのクラスに分けられます。

I群:ナトリウムチャネル遮断薬

この群は、心筋細胞のナトリウムチャネルを遮断することにより、心臓の興奮を抑制します。

I群はさらに以下の3つのサブグループに分かれます。

IA群

中程度にナトリウムチャネルを遮断し、APD(活動電位持続時間)を延長する作用があります。

キニジン心室性および心房性の不整脈に用います。

プロカインアミド:特に心室性不整脈に効果があります。

IB群

ナトリウムチャネルの遮断が弱く、APDを短縮します。

リドカイン:主に急性心室性不整脈に使用されます。

メキシレチン慢性の心室性不整脈に効果的です。

IC群

強力なナトリウムチャネル遮断薬で、興奮伝導の速さを減少させます。

フレカイニド心房細動上室性頻拍に使用されることが一般的です。

プロパフェノン多様な不整脈に対して広く用いられます。

II群:ベータ遮断薬

この群の薬剤は、交感神経系の活動を抑えることによって心拍数を減少させ、不整脈のリスクを軽減します。

これらの薬剤はイオンの流れを調整し、心臓の興奮を抑制します。

メトプロロール心房細動頻脈性不整脈の治療に効果的です。

アテノロール:心臓の過剰な働きを抑え、不整脈の発生を防ぎます。

III群:カリウムチャネル遮断薬

III群の薬剤は、活動電位の再分極過程に作用し、APDを延長させることによって不整脈を制御します。

アミオダロン心房細動心室頻拍など広範な不整脈に使用され、特に重篤な症例に効果を示します。

ソタロール心房細動心房粗動に対して使用し、心筋の電気的安定を図ります。

IV群:カルシウムチャネル遮断薬

この群は、心筋洞房結節房室結節におけるカルシウムの流入を阻害することによって

心拍数を調整し、不整脈の治療に寄与します。

ベラパミル:主に上室性頻拍に使用され、心拍数の減少をもたらします。

ジルチアゼム心房細動頻脈性の不整脈に広く使用されます。

 

作用機序と副作用

I群の副作用

ナトリウムチャネル遮断薬は不整脈の治療に効果的ですが、

以下のような副作用が起こりうるため、注意が必要です。

心機能の低下

特にIA群薬では心機能が著しく低下する危険性があります。

QT延長

心電図上でのQT間隔延長による致死性不整脈リスクがある。

 

II群の副作用

ベータ遮断薬は一般的に安全性が高いですが、以下の副作用が考慮されるべきです。

心拍数の過度の低下

心拍数が異常に遅くなる可能性があります。

気道収縮

喘息患者に対しては注意が必要です。

III群の副作用

カリウムチャネル遮断薬も多くの効果を示す一方で、以下の副作用が見られます。

甲状腺機能障害

アミオダロンは特に甲状腺に影響を及ぼすことがあります。

肝機能障害

使用中は定期的な肝機能検査が推奨されます。

 

IV群の副作用

カルシウムチャネル遮断薬においても適応外使用や過剰投与にとって注意が必要です。

低血圧

過度の降圧作用が出ることがあります。

心不全悪化

心筋の収縮力に影響を与える可能性があります。

 

まとめ

不整脈治療における薬剤の選択は、患者の状態や不整脈の種類によって異なるため、

不整脈治療の専門家との密接なコミュニケーションが必須です。

薬剤はそれぞれ作用機序や副作用が異なるため、個別の治療戦略が重要となります。

 

最後に

Vaughan Williams分類は、大学でも社会人になってからも学ぶ内容です。

ところがしっかり頭に入って、知識が定着してくれません。

正直なところ、不整脈の専門家ではないので、詳しく理解することが難しいのです。

心電図を読む機会が少ないことも理由にあると思います。

私は、近年割り切って、副作用がないかどうかを気にしながら薬をお渡ししています。

ただ心不全のチーム医療が薬局薬剤師の目標の1つにあるので、

もしかしたら不整脈も目逃せないポイントになってくるかもしれません。

今から少しずつ勉強していきましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料 

[不整脈の薬物治療 | 循環器情報サイトAssist] (https://med2.daiichisankyo-ep.co.jp/cardiology/knowledge/arrhythmia04.php?certification=1)

[不整脈に用いられる薬と分類|使い分け・副作用・飲み方について] (https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/24223)

[抗不整脈薬 | 公益社団法人 日本薬学会] (https://www.pharm.or.jp/words/word00937.html)

[抗不整脈薬の分類,作用機序と使用上の原則と留意点] (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/32/3/32_428/_pdf/-char/ja)

[4.不整脈の治療] (https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about4.htm)

[抗不整脈薬の種類・作用機序と使い分け | ナース専科] (https://knowledge.nurse-senka.jp/226988)

[抗不整脈薬一覧・Vaughan Williams分類と作用機序・服薬指導の …] (https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/arrhythmia/2880/)

[PDF 不整脈の薬物治療 – 医療関係者のためのお役立ち情報] (https://med2.daiichisankyo-ep.co.jp/cardiology/knowledge/files/arrhythmia/ar4.pdf)

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