【なりたくない病気・認知症】▶「認知症カフェのメリットと課題は?」

認知症
認知症カフェのメリットと課題は?
以下の文章は、平成29年3月厚生労働省  認知症カフェの実態に関する調査研究事業  報告書を参考にしています。

認知症カフェ」とは、認知症の人やその家族、地域の人や専門職などが気軽に集まって交流する場です。

2015年から厚生労働省などが主導で行っている

認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の中で

7つの柱」の施策のうちの1つです。

「認知症の人の介護者への支援」において、設置が推進されているカフェをいいます。

✔「認知症カフェ」には以下のようなメリットがあります。

A.認知症の人のメリット

外出する機会が増え、社会とのつながりや役割を持つことができます。

また、同じ状況の仲間や理解者と話すことで、安心感や自信を得ることができます。

B.認知症の家族のメリット

介護の悩みや相談を他の家族や専門職と共有することで、

ストレスや孤立感を軽減することができます。

認知症の情報やケアの方法を学ぶことで、介護の質を向上させることができます。

C.地域の人のメリット

認知症の人やその家族と出会うことで、認知症に対する理解や偏見を払拭することができます。

自分が将来認知症になった時に安心して利用できる場を知り、

相互扶助の輪を形成することができます。

D.専門職のメリット

認知症の人やその家族と間近で出会い、本人家族の別の側面を発見することができます。

また、地域連携やネットワークづくりにも貢献することができます。

以上が認知症カフェのいい所です。


 

公益社団法人 認知症の人と家族の会」が発行する

認知症カフェのあり方と運営に関する調査研究事業報告書」では、

認知症カフェとはどんな場であるかについて、

以下の7つの要素があるとしています。

【要素1】認知症の人が、病気であることを意識せずに過ごせる。
【要素2】認知症の人にとって、自分の役割がある。
【要素3】認知症の人と家族が社会とつながることができる。
【要素4】認知症の人と家族にとって、自分の弱みを知ってもらえていて、かつそれを受け入れてもらえる。
【要素5】認知症の人と家族が一緒に参加でき、それ以外の人が参加・交流できる。
【要素6】どんな人も自分のペースに合わせて参加できる。
【要素7】「人」がつながることを可能にするしくみがある。

 

認知症カフェの7つの要素を満たしており、実際に認知症カフェとして機能している場合、

以下の10の特徴が導き出されるとしています。

【認知症カフェの10の特徴】

①認知症の人とその家族が安心して過ごせる場
②認知症の人とその家族がいつでも気軽に相談できる場
③認知症の人とその家族が自分たちの思いを吐き出せる場
④本人と家族の暮らしのリズム、関係性を崩さずに利用できる場
⑤認知症の人とその家族の思いや希望が社会に発信される場
⑥一般住民が認知症の人やその家族と出会う場
⑦一般の地域住民が認知症のことや認知症ケアについて知る場
⑧専門職が本人や家族と平面で出会い、本人家族の別の側面を発見する場
⑨運営スタッフにとって、必要とされていること、やりがいを感じる場
⑩地域住民にとって「自分が認知症になった時」に安心して利用できる場を知り、相互扶助の輪を形成できる場
引用:認知症カフェのあり方と運営に関する調査研究事業報告書

 

NPO法人」が運営する認知症カフェは、NPOの施設や一般のカフェで行われることが多く、

参加費は飲み物代として100〜500円程度のことが多いです。

認知症患者の他、地域の高齢者が語り合う場として運営されています。


✔今後の課題

認知症カフェを運営するためには、運営側が場所の提供のための費用や人件費の負担を強いられるため、運営資金負担が大きいことがデメリットであり今後の課題です。

この課題を解決するためには、自治体が補助金を出すなどして資金的な援助を行っていくことが必要でしょう。

認知症カフェは多くの運営団体によって日々開催されています。ご自身の家の近くの認知症カフェを見つけるには、「地域包括支援センター」に問い合わせてみると良いでしょう。


 

認知症カフェは、誰でも参加できる場です。

もし興味があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。

 

 投稿数▼腱板断裂76▼薬剤師の皆様へ15▼ふわりポケ活9▼認知症7
タイトルとURLをコピーしました