副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の服薬は、どうして朝がいいの?
以下の文章は、「ステロイド 副腎皮質ホルモン の飲み薬について」 – 東京医科大学のスライド、「ステロイド治療|東京女子医科大学病院 腎臓内科」のスライドなどを参考にしています。
副腎皮質ホルモン剤は、体内で自然に分泌されるステロイドホルモンの一種で、炎症やアレルギーをしっかり抑える効果があります。
医薬品では、「プレドニン®、プレドニゾロン®、リンデロン®、ベタメタゾン®」などが有名です。
どうして朝に飲むの?
体内で作られるステロイドホルモンは、朝に多く分泌されています。
そこで、副腎皮質ホルモン剤を飲むときも、体の日内リズムに合わせて朝に多く服用するようにします。
これは、副腎皮質ホルモン剤の副作用を減らすために重要です。
副腎皮質ホルモン剤の副作用には、高血糖、高血圧、消化器症状、不眠、骨粗しょう症、感染症などがあります。
これらの副作用は、副腎皮質ホルモン剤の量や期間によって異なりますが、
一般的には、副腎皮質ホルモン剤の量が多いほど、副作用のリスクが高くなります。
朝に多く服用することで、体内のステロイドホルモンの分泌パターンに近づけることができます。
これにより、副腎皮質ホルモン剤の効果を最大限に発揮しつつ、副作用を最小限に抑えることができます。
ステロイドの働きは非常にたくさんあります。
副腎皮質ホルモン剤の服薬は、医師の指示に従って、決められた時間と量を守ってください。
自己判断で服用をやめたり、服用時間を変えたり、減らしたり、増やしたりしないでください。
ステロイドは胃酸の分泌を促進する効果、そして胃の粘膜を守る物質の量を減らす効果があります。この副作用予防で、胃薬(主に胃酸を抑える薬)が併用されます。
風邪、感冒症状で咳が止まらずのどが腫れている
副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギーで鼻が詰まっている
中耳炎で耳の中に炎症がある
などの症状は、副腎皮質ホルモン剤がよく効きます。
最初の2日間は、朝と昼に1錠ずつ、3日目から朝だけ1錠、副腎皮質ホルモン剤を数日続ける処方が多いです。
しんどくても、夜には飲まないようにしましょう。
病原となる細菌が増えて感染症を起こしているかどうかは、医師でも患部を診ないとわからないと思います。
研修医へ抗菌薬適正使用について教えていた頃は、
患部の検体を採取しグラム染色という方法で顕微鏡を見て、
ある程度の微生物を特定または想定し、その菌に適した抗菌薬を選び、
PK/PDに基づく最適な投与法を考えることを熱弁していました。
詳しくは、また別のテーマでご紹介しますね。
私の感染症学は、病院勤務時代の恩師である当時ICDで総合内科医の藤田芳正先生や
岩田健太郎先生、藤本卓司先生などの著書から学びました。
実際に病棟で研修医とともに感染症治療に尽くしました。
もう20年ほど経過しましたが、抗菌薬は温故知新で古い薬がまだ活躍しており、私もまだ頑張れそうな気がします。
温故知新とは、以前学んだり教えたことや昔の事柄を今また調べなおしたり考えなおしたりして、新たに新しい道理や知識を探り当てることです。
以上、ご参考になれば幸いです。