吸入薬は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器系の病気に用いられる薬です。
吸入薬には、気管支を広げる薬や炎症を抑える薬など、さまざまな種類があります。
吸入薬を効果的かつ安全に使うためには、以下の点に注意する必要があります。
吸入器の種類に合わせて、正しい吸入方法を覚えましょう。
吸入薬には、エアゾール製剤、ドライパウダー製剤、ソフトミスト製剤などがあります。
取り扱い操作は異なることが多いので、ここは薬剤師に聞きましょう。
吸入方法のコツはどれもほぼ同じです。
まず息を吐きます。
吸入器を口にくわえ、「大きくゆったり8割〜全力で」吸い込みます。
急いで吸ってはいけません。
肩の力は抜いてくださいね。
「スッ」と吸うとほとんど口の中しか、薬が届いていません。
息を吐くときも、「大きくゆったり」吐きます。
1回もしくは2回など、医師からの指示された回数を吸入します。
吸入後は、必ずうがいをしましょう。
うがいをすることで、口腔内に残った薬剤を洗い流し、副作用を予防することができます。
口の中は、歯磨きをしても構いません。
特に、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)を吸入した場合は、
口腔カンジダ症(真菌の一種)などのリスクが高まるので注意が必要です。
その方は、吸入ステロイド剤を使用していました。
副作用のためフロリードゲル経口用という、
薬の使い方が大変難しい口腔内の軟膏を、1日4回数週間続ける必要がありました。
インフルエンザの吸入薬など、一部最後のうがいが必要ないものもあるため、
薬剤師に聞くか説明書を参考にしてください。
吸入薬の残量を確認しましょう。
吸入器には、カウンターや窓などで残量を表示するものがあります。
残量が少なくなったら、新しい吸入器に交換しましょう。
残量が表示されない吸入器の場合は、使用回数や期限を記録しておきましょう。
吸入薬は、日光や高温を避けて、室温で保管しましょう。
冷蔵庫に入れたり、火気の近くに置いたりしないでください。
また、子供の手の届かないところに保管してください。
最後に
薬局で新しい吸入薬が処方されると、「吸入説明をさせてください」と言われることがあると思います。
これは吸入薬がとても大切で吸い方が悪く、うがい、喉洗いができていないと、効果がない、あるいは思わぬ副作用がでるからです。
薬が効かなければ、医師はどんどん違う処方に変えるかもしれません。
副作用がでたら、その後が大変です。
薬剤師の力量が問われている説明でもありますね。
ご参考になれば幸いです。