【心と体のケア】▶「耳鳴りについて詳しく知りたい!」

心と体のケア
耳鳴りについて詳しく知りたい!
以下の文章は、九州大学病院耳鼻咽喉科·頭頭部外科 講師 村上 大輔 先生監修の記事などを参考にしています。

耳鳴りとは、実際には音がないのにもかかわらず、耳の中で

「キーン」「ピー」「サー」といった高い音

「ゴー」「ジー」といった低い音が聞こえてしまう症状のことを指します。

耳鳴りで聞こえる音の大きさや、鳴り続ける時間などは、個人によってばらつきがあります。

また、人によっては肩こり・めまい・頭痛などの症状を併発するケースもあるようです。


耳鳴りの原因

耳鳴りの原因はさまざまですが、大きく分けて以下の5つに分類できます。

 耳の病気

内耳や中耳に何らかの障害があるときに発生しやすくなります。

例えば、突発性難聴、メニエール病、中耳炎、聴神経腫瘍などがあります。

突発性難聴による耳鳴りは、難聴で音が聞こえにくくなることが原因で起こります。この場合、聞こえにくさを補うために脳が過剰に反応して電気信号を増幅し、耳鳴りを引き起こすと考えられています。

耳鳴りが起こるようになったら、耳鼻咽喉科の医療機関にて医師の診察、聴力検査を受けます。メニエール病による耳鳴りは、内耳の異常な圧力によって引き起こされます。

 

耳硬化症

中耳の骨が硬くなると聴力に影響を与え、耳鳴りを引き起こすことがあります。

 

内耳の筋肉のけいれん

内耳の筋肉が緊張して (けいれん)、耳鳴りのほか、難聴、耳閉感が生じることがあります。

 

顎関節障害

耳の前の両側にある関節である顎関節に問題があると、耳鳴りを引き起こす可能性があります。

頭、首の腫瘍も耳鳴りを引き起こす可能性があります。

 

脳の病気

脳が「聞こえ」を補おうと、過敏になって起こることもあります。

例えば、片頭痛、脳卒中、脳腫瘍などがあります。

 

聴神経腫またはその他の頭頸部腫瘍

聴神経腫は、脳から内耳に至る脳神経に発生する良性の腫瘍で、耳鳴りを引き起こします。

 

心の病気

ストレスや疲労によって自律神経が乱れた結果、耳鳴りが起こることがあります。

 

うつ病、自律神経失調症など

ストレスや疲れを感じると自律神経が乱れ、体を活発にする交感神経が優位に働きます。

これにより、血管が収縮し、耳周辺の血流が悪くなるため耳鳴りが現れやすくなります。

ストレスや疲れが原因の耳鳴りは、「キーン、ピーン」といった金属音や

電子音のような高い音を感じたり、同時に肩も凝る傾向があります。

 

大きな音を聞き続ける

内耳にある蝸牛(かぎゅう)とよばれる聴覚を司る器官が損傷を受けて、

耳鳴りがしたり、音が聞こえにくくなったりします。

 

加齢

加齢は難聴の要因と考えられています。

これは、音を感じ取る有毛細胞が、加齢にともない減少するためです。

有毛細胞は再生しません。

早めに耳鼻咽喉科を受診すれば、加齢性難聴(老人性難聴)の進行を遅らせる可能性があります。

 

耳鳴りの治療法

原因によって異なりますが、一般的には以下のような方法があります。

薬物療法

ステロイド剤血管拡張剤などを用いて、内耳の炎症や血流障害を改善することがあります。

末梢血管の循環を改善する「カルナクリン

神経細胞の修復を促す「メチコバール

内耳の循環を改善する「アデホス」が処方されることがあります。

 

音響療法

耳鳴りの音に似た白色雑音や自然音などを聞くことで、耳鳴りの音を和らげることがあります。

 

心理療法

耳鳴りに対する不安やストレスを軽減することで、耳鳴りの症状を改善することがあります。

 

手術

耳鳴りの原因が聴神経腫瘍や外リンパ瘻などの場合には、

手術によって腫瘍や穴を除去することがあります。

 

耳鳴りの予防法

耳鳴りの予防法としては、以下のようなことが挙げられます。

大きな音を聞きすぎないようにする
ストレスや疲労を溜めないようにする
規則正しい生活を送る
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防する
耳の病気になったら早めに治療する

 

最後に

耳鳴りは、放置すると生活に支障をきたすこともあります。

もし耳鳴りの症状が気になる場合は、耳鼻咽喉科を受診してみてください。

私も夜寝る前に「キーン」と響く高音の耳鳴りが両耳にあります。

加齢かな」と思いあきらめていますが、今回詳しく調べたので、いい治療法があれば試みたいと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

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