【心と体のケア】▶「補中益気湯や当帰芍薬散が耳鼻咽喉科から処方されているのは何故?」

心と体のケア
補中益気湯や当帰芍薬散が耳鼻咽喉科から処方されているのは何故?
以下の文章は、仙塩利府病院 耳鼻咽喉科(耳科手術センター) 小林 俊光 先生、陣内耳鼻咽喉科クリニック 陣内 賢 先生の記事などを参考にしています。

補中益気湯

補中益気湯は漢方薬の一種で、気虚や血虚の状態に対して補う効果があります。

「耳管開放症」という病気に効果的であるとされています。全人口の5%程度、この病気をもっている可能性があります。

「耳管開放症」の患者さんは、耳管の粘膜が乾燥しやすく、自声強聴や呼吸音聴取などの症状を引き起こします。

補中益気湯は、耳管の粘膜を湿潤に保ち、耳管の開閉機能を改善することで、症状を軽減すると考えられています。

 補中益気湯は、人参、白朮、茯苓、甘草、当帰、白芍、川芎、桂皮などの生薬からなります。

一般的には、1日3回、食前または食間に服用します。

副作用はほとんどありませんが、個人差や体質によっては、胃腸の不快感や発疹などが起こることがあります。

「耳管開放症」の原因や症状は個人によって異なりますので、耳鼻咽喉科の専門医に相談してください。


当帰芍薬散

当帰芍薬散は、漢方薬の一種で、血液の循環を良くする効果があります。

耳鼻科では、循環障害によるめまいや、感冒疾患後や頭部外傷後の嗅覚障害に用いられることがあります。

当帰芍薬散は、水毒という鼻の粘膜や鼻水の炎症を改善し、嗅覚を回復させると考えられています。

嗅覚障害の1番の原因は、鼻炎や副鼻腔炎ですが、2番目に多い原因は風邪の後遺症です。

鼻水、のどの痛みなどの風邪の症状が治ったにもかかわらず、臭いがしないなどです。

3番目は頭を打つなどして頭部外傷後によっておこる嗅覚障害です。

当帰芍薬散は、当帰、白芍、川芎、桂皮、甘草などの生薬からなります。

一般的には、1日3回、食前または食間に服用します。

副作用はほとんどありませんが、個人差や体質によっては、胃腸の不快感や発疹などが起こることがあります。

 当帰芍薬散は、耳鼻科の「めまいや嗅覚障害」の症状の治療法の一つとして有効な可能性があります。

耳鼻科の症状の原因や程度は個人によって異なりますので、耳鼻咽喉科の専門医に相談してください。


漢方薬の特殊な使い方はいろいろありますが、この2つは盲点でした。

耳鼻咽喉科は、利水作用をもつ漢方薬をよく使うため、めまいを連想することが多いです。

また、咳、喉、鼻水、鼻づまりなどに用いる漢方が有名で、今回のような「耳管開放症」や「嗅覚」の作用はなかなか思いつかないです。

今後も普段気づかない使い方があれば、すぐにご紹介しますね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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