【薬剤師に知ってほしい糖尿病ー8】▶「三大合併症が悪化すると‥‥」

糖尿病
三大合併症が悪化すると‥‥
以下の文章は、2021年10月アステラス製薬作成PDF「糖尿病の基礎知識」、日本透析医学会が2011年に発表した統計を参考にしています。

糖尿病の合併症を詳しく学ぼう(糖尿病−7)」のときに、ご紹介した内容の続きになります。

前回は基本的な内容でしたが、今回は実際のデータを見ながらお話します。


三大合併症は、糖尿病になってから5〜10年で現れ始めます。

血糖コントロールが悪いほど、早く出現するといわれています。

一方、心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化は、

血糖値が少し高い時期 (境界型)、いわば、”糖尿病予備“のころから進むようです。

高血圧や脂質異常症、 肥満、喫煙習慣などがあると、動脈硬化はさらに進行しやすく、

厳格な血糖コントロールを行い、生活習慣の改善に努めるなど、注意が必要です。

糖尿病の合併症で最も多いのが、三大合併症といわれる神経障害、 網膜症、腎症です。

前回の内容で「しめじにえのき」とお話した「しめじ」の部分です。

▼下の図にあるように、「し→め→じ」の順で起こります。

これらは、高血糖によって網膜や腎臓などの細い血管、神経などが障害されて起こります。

悪化すると‥‥

網膜症による失明▶わが国では、年間3,000人以上
人工透析開始▶わが国では、年間16,000人以上
足の切断▶全世界では、30秒に1本

という現実のデータがあります。

さらに「透析治療」と「寿命」について日本透析医学会が2011年に発表した統計をご紹介します。

当時、人工透析導入を開始した平均年齢は男性が66.9歳、女性の導入時平均年齢は69.7歳。

全体の導入時平均年齢は67.8歳でした。

人工透析患者の生存率ですが、日本透析医学会のデータによると、

1年経過で88%、5年経過で60%、10年経過で35%、15年経過で22%という結果が出ています。


三大合併症を防ぎ、進行を遅らせ、

さらに健康寿命を延ばすためにも、

血糖コントロールをきちんと行い、定期的に検査を受けることがとても大切です。

薬剤師の皆様は、現状を理解しながら患者様へ適切な療養指導を行ってください。

 

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