【薬局薬剤師に知ってほしい事】▶「オーグメンチン錠の出番はこれだ!」

抗菌薬・感染症
オーグメンチン錠の出番はこれだ!

オーグメンチン錠®は、抗生物質のアモキシシリンβ-ラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウムを配合した薬です。

咽頭炎や気管支炎、膀胱炎、中耳炎、蜂窩織炎などの幅広い感染症に効果があります。

アモキシシリンは細菌の細胞壁の合成を阻害して殺菌する作用があります。

そのため、細胞壁を持たない微生物には効きません。

人の細胞には、細胞壁はありません。

▼細胞壁をもつ微生物の分類は、私の過去ブログを参考にしてください▼

一部の細菌はβ-ラクタマーゼという酵素でアモキシシリンを分解し耐性を示します。

クラブラン酸カリウムはこの酵素を阻害してアモキシシリンの効果を強める役割をします


誤嚥性肺炎にオーグメンチン錠®は有効な抗菌薬の一つです。

オーグメンチン錠®の主成分、アモキシシリン肺炎球菌インフルエンザ菌などの呼吸器感染症に対して高用量で使われることがあります。

ペニシリンの量を増やすために、オーグメンチン錠®とアモキシシリンを併用するのです。

誤嚥性肺炎の原因菌は、

口腔内の常在菌や胃液中の菌などが混ざった複雑なもので、βラクタマーゼ産生菌も含まれる可能性があります。

そのため、オーグメンチン錠®は、誤嚥性肺炎の治療に適した抗菌薬と言えます。

投与期間は、感染症の種類や重症度によって異なりますが、一般的には7日間以内を目安とします。

ただし、菌血症や心内膜炎などの重篤な感染症では、14日以上の投与が必要な場合もあります。

オーグメンチン錠®の用法用量は、通常成人は1回1錠、1日3〜4回を6〜8時間毎に経口投与します。

食後、食前などの規定はありません。

腎機能障害がある場合は投与間隔をあける必要があります。

副作用として、下痢や腹痛、発疹やかゆみ、吐き気や食欲不振などが起こる可能性があります。

他の薬との飲み合わせに注意する必要があります。

例えば、アロプリノールと併用すると発疹の発現率が高まることが報告されています。

オーグメンチン錠®は小児には使用できません。

小児には同じ成分を含むクラバモックス小児用配合ドライシロップ®を使用します。

オーグメンチン錠®は感染症の治療に有効な薬ですが、適切な用法用量を守り、医師の指示に従って使用することが重要です。


私は背中から腰にかけて、「蜂窩織炎」という感染症で、40℃の発熱がありオーグメンチン錠®で完治したことがあります。

その時は、下痢がひどかったのですが整腸剤を併用して乗り切りました。

クラビット錠®、ジェニナック錠®などのキノロン系でも治ったとは思いますが、

これらは広域抗菌薬なので体いろんな場所で健常な常在菌がどんどん死滅します。

抗菌薬の適正使用という観点では適正ではないのです。

ペニシリンで感受性があれば、ペニシリンで押し通すことは、今でも大切なことだと思いますね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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