▶「ビラノア錠とモンテルカスト錠は、一緒に寝る前に飲んでもいいの?」

薬剤師の皆様へ
ビラノア錠モンテルカスト錠は、一緒に飲んでもいいの?

ビラノア錠はヒスタミンH1受容体拮抗薬でモンテルカスト錠はロイコトリエン受容体拮抗薬であり、併用することはよくあります。

今日は、この2つの拮抗薬のポイントをまとめます。

ヒスタミンH1受容体とロイコトリエン受容体は、アレルギー反応において重要な役割を果たします。

それぞれの受容体が関与する効果と、併用することのメリットについて説明します。

ヒスタミンH1受容体

ヒスタミンがH1受容体に結合すると、平滑筋の収縮、毛細血管の透過性の増加(浮腫など)、血管の拡張(血圧低下や頭痛)、かゆみ、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。

ビラノア錠®などの H1受容体拮抗薬は、これらの症状を抑制するために使用され、

抗アレルギー作用や気管支拡張作用があります。

ビラノア錠は食事と相性が悪く、服薬2時間前から服薬1時間後まで空腹が推奨されます

そのためビラノア錠は「寝る前」の処方が多いです。

現在、併用注意薬はエリスロマイシンジルチアゼムです。

 

第一世代と第二世代のH1拮抗薬があり、

第二世代の方が中枢神経系への移行が少なく、眠気の副作用が少ないとされています。

マイケル
マイケル

詳しくは、私の過去ブログを参考にしてください▼

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ロイコトリエン受容体

ロイコトリエンは、アレルギー性鼻炎の病態を形成する主要な化学伝達物質の一つで、

特に鼻閉に関与しています。

ロイコトリエン受容体拮抗薬は、ロイコトリエンの作用を抑制し、アレルギー性鼻炎治療において、

特に鼻閉を訴える中等度および重度の症例に推奨されています。
寝る前」に服薬する理由は、アレルギー症状が悪化しやすい夜間から早朝にかけての時間帯により効果を発現させるためです。

併用のメリット

アレルギー性鼻炎や花粉症で、くしゃみ、鼻水型の症状がある患者さんには抗ヒスタミン薬が、

鼻づまり型の患者さんには抗ロイコトリエン薬が適しています。

最重症型くしゃみ、鼻水、鼻づまりを示す患者さんには、抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬を併用することで、より効果的な治療が期待できます。

これらの情報は、医療専門家の指導のもとで適切に使用されるべきです。

個々の患者さんの状態や、他の薬剤との相互作用などを考慮する必要がありますので、

詳細な治療計画については医師に相談してください。

また、薬剤の選択や使用に際しては、副作用や禁忌にも注意が必要です。


ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の作用機序

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRAは、

アレルギー反応や喘息に関与する体内物質であるロイコトリエンの働きを抑制する薬剤です。

具体的には、以下のような作用機序と効果があります。 

 

作用機序

ロイコトリエンは気管支を収縮させ、気道を狭くする作用があります。

LTRAはロイコトリエンが気管支において受容体に作用するのを阻害し、

気管支を広げることで呼吸を楽にします。

 

効果

喘息における咳の発作や息苦しさの改善、予防に役立ちます。

また、アレルギー性鼻炎における鼻の粘膜の炎症や鼻閉(鼻づまり)などの症状を軽減する効果があります。

 LTRAは、喘息やアレルギー性鼻炎の治療において重要な役割を果たす薬剤であり、

特に鼻づまりを訴える中等度および重度の症例に推奨されています。

ただし、副作用として消化器症状や血小板減少、肝機能障害などが報告されているため、使用に際しては医師の指導が必要です。

 

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の一覧

内用薬: 錠剤

プランルカスト錠

キプレスチュアブル錠

シングレアチュアブル錠

モンテルカストチュアブル錠

キプレス錠

シングレア錠

モンテルカスト錠

内用薬: カプセル剤

オノンカプセル

プランルカストカプセル

内用薬: 液剤

オノンドライシロップ

プランルカストドライシロップ

内用薬: 散剤

キプレス細粒

シングレア細粒

モンテルカスト細粒

現在薬の流通がなく、薬局に在庫がない薬が多くあります。

これらの薬剤には、それぞれメーカー名、製造元が異なる商品があり、

先発薬と後発薬(ジェネリック薬)が存在します。

また、用量や形状(錠剤、チュアブル錠、カプセル、液剤、散剤など)によって種類が分かれます。

医師の処方に従い、薬剤師と相談し、入手可能で適切な薬剤を選択することが重要です。

 

最後に

私が勤務する薬局でも、特定の抗菌薬や鼻詰まりによく効く薬など、どんどんなくなってきています。

漢方薬も相変わらず品薄です。これは、同じ系列の他店でも一緒です。

アレルギーの薬は数種類あるため、ある薬がなくなっても、代替え薬があります。

代替え薬のない抗菌薬、鼻詰まり治療薬などは、

処方する医師の皆様の協力がないと、結局患者さまが路頭に迷うのです。

ある時、コロナ専用の薬が書かれた処方箋をもって、薬局を何軒も回っている患者さまがおられました。

何軒も回る元気がある方に、コロナ専用の薬が本当に必要なのでしょうか?

今こそ、真の薬の適正使用について考える時だと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

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