【薬局薬剤師に知ってほしい事】▶「メイアクト(セフジトレン ピボキシル)について詳しく知りたい」

抗菌薬・感染症
メイアクト(セフジトレン ピボキシル)について詳しく知りたい
以下の文章は、Meiji Seika ファルマ公式ホームページなどを参考にしています。

メイアクト®(セフジトレン ピボキシル)は、広範囲な菌に対して効果が期待される抗生物質です。

内服第3世代セフェム系抗菌薬に分類されます。

以下は、詳細な情報です。

1. 適応菌種と疾患

メイアクト®は、溶連菌を含むレンサ球菌属や肺炎球菌などのグラム陽性球菌、

インフルエンザ菌などのグラム陰性桿菌なと幅広い菌に対して効果があります。

緑膿菌に対して抗菌力はありません。

疾患としては中耳炎、副鼻腔炎、風邪が悪化した際の咽頭・喉頭炎などに使用されます。

 

2. PK/PDによる効果的な投与方法

時間依存性抗菌薬です。

MICより高い血中濃度で推移した時間が重要 です(Time above MIC)。

MICは「 細菌の増殖を抑制するために必要な最小の薬物濃度 」を示します。

ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系はすべて、細胞壁合成阻害作用をもつ時間依存性抗菌薬(Time above MIC)です。

メイアクト®(セフジトレン ピボキシル)の錠剤は、成人には通常1回100mg(力価)を1日3回食後に経口投与します。

必要に応じて1回200mg(力価)を1日3回投与することもあります

小児の場合は、体重kgあたり3mg(力価)を1回量として使用します。

小児の肺炎、中耳炎、副鼻腔炎の場合、必要に応じて1回6mg(力価)/kgまで投与できます。ただし1回200mg(力価)が上限です。

 

3. 組織移行性

生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)は、16%とかなり低いです。(サンフォード感染症治療ガイドより)

生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)とは、投与された抗菌薬のうち血液中に移行する割合のことです。

消化管からの吸収率が悪いです(約20%)。

吸収されたメイアクト®は組織内に良く分布し、中耳や副鼻腔などにも到達します。

 

4. その他

ペニシリン耐性の肺炎球菌(PRSP:penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae)や

アンピシリン耐性のインフルエンザ菌(BLNAR:β-lactamase negative ampicillin resistance)にも抗菌力を示します。

 

5. 小児への飲ませ方

メイアクト細粒はオレンジ色でバナナ味がついており、小児でも比較的飲みやすいです。

服薬直前に飲み物や食べ物に混ぜて摂取できます。とくにバニラアイスがオススメです。


吸収率が悪いのが気になりますが、特に小児によく使われている抗菌薬です。

小児の急性中耳炎などでよく処方される印象ですね。

子供がよく中耳炎になるのは、風邪をひきやすいことと、耳管(鼻から耳につながる管)が成人と比べ短いので、菌が耳に伝わりやすいからとされています。

以上、ご参考になれば幸いです。

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