【薬局薬剤師に知ってほしい事】▶「ロキソニンは、妊娠後期やトリプルワーミーに注意しましょう」

薬剤師の皆様へ
ロキソニンは、妊娠後期やトリプルワーミー(Triple Whammy)に注意しましょう

 ロキソニンの変遷

1986年:三共(現第一三共)から医療用医薬品としてロキソニン錠発売

2010年:ロキソプロフェンナトリウム水和物製剤の劇薬指定解除(厚生労働省令第6号)

2011年:第一三共ヘルスケアからロキソニンS(第一類医薬品)発売

2014年:インターネット販売解禁


  ロキソニンと妊婦で見落としがちな、妊娠後期の女性に禁忌の件と腎機能への影響について。

 NSAIDsは動脈管を閉じる

妊娠後期の女性にロキソプロフェンは禁忌となっています。

胎児は肺呼吸をせず、へその緒から酸素をもらうために動脈管が開いている必要があります。

それがプロスタグランジン生合成阻害作用によって動脈管が収縮してしまうのです。

逆に出産後は肺呼吸をするために閉じていなければなりません。

動脈管開存症として産まれた患児の治療には、

インドメタシンやイブプロフェンなどのNSAIDsが用いられることになります。

 

Triple Whammy(三段攻撃)を避ける

「トリプルワーミー(Triple Whammy)」、または日本語で「三段攻撃」とは、

腎機能に悪影響を及ぼす可能性のある3種類の薬剤を同時に使用することを指します。

具体的には、レニン・アンギオテンシン系阻害薬(RA系阻害薬)、利尿薬、そして非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の組み合わせです。

高齢者は腎・心保護を目的に利尿薬およびレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬や

アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB])を処方されていることが多く、

整形外科で処方されたNSAIDsと併用している場合があります。抗炎症作用を期待して、長期になることがあるのです。

利尿薬によって循環血漿量が減少し、

RAS阻害薬によって輸出細動脈が拡張。

そこへ腎血流が減少してしまうNSAIDsが追加処方されると、糸球体血流量は激減し、糸球体内圧が低下します。

従って、原尿産生量が低下、推定糸球体濾過量(eGFR)が低下してしまいます。

このNSAIDs+利尿薬+RAS阻害薬の3つの組み合わせは「Triple Whammy(トリプルワーミー)」と呼ばれ注意を要し、できれば避けたい組み合わせとなります。

この3種類の薬剤を併用することで、急性腎障害(AKI)のリスクが高まるとされています。

AKIは薬剤投与後の数日から数週間で腎機能が急激に低下し、

体液貯留、電解質バランスの異常、老廃物の貯蓄などが生じる症候群です。

症状としては尿量の減少、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、筋力低下などが現れます。

そのため、これらの薬剤を処方する際には慎重な判断が求められ、

必要に応じて医師への情報提供や適切な服薬指導が行われるべきです。

 

さらに、脱水が重なると透析を導入するリスクがあります。

NSAIDsの代替案としては、アセトアミノフェンや

トアラセット配合錠(一般名トラマドール塩酸塩・アセトアノフェン)等も検討してください。


 ロキソニン(NSAIDs)はプロスタグランジン生合成阻害薬です。

プロスタグランジンの様々な働きから患者さまのリスクを検討する必要があります。

スイッチOTC化、ネット販売可などロキソニンは手の届きやすい気軽な薬となっています。

2024年の診療報酬改定で調剤薬局では、心不全のチーム医療がピックアップされています。

安全な薬物療法のために、我々薬剤師の真価が問われている気がします。

以上、ご参考になれば幸いです。

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