【薬局薬剤師に知ってほしい事】▶「ACE阻害薬について今一度理解しよう」

心不全
ACE阻害薬について今一度理解しよう
以下の文章は、2021年JCS/JHFS ガイドラインフォーカスアップデート版|急性·慢性心不全診療、急性·慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)などを参考にしています。

ACE阻害薬は、高血圧、心不全の治療に広く用いられる薬剤です。

 ACE阻害薬について

 ACE阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する

血圧を上げるホルモンであるアンジオテンシンⅡの生成を抑える

ACE阻害薬の一部では、腎臓や心臓、血管、脳などの臓器保護作用が認められている

このため、糖尿病、蛋白尿、心不全、心筋梗塞の既往、脳循環不全などを有する患者に適している


今日は、特にACE阻害薬の特徴と慢性心不全との関係についてお話します。

 

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系が亢進すると…

心拍出量の低下や血圧低下などにより、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系が亢進する

アンジオテンシンⅡは、血管収縮やアルドステロン分泌を促進する
心臓に負荷をかけたり、心臓のリモデリング(心肥大や線維化)を促進する
心不全の悪化につながる悪循環が起こる

ACE阻害薬は、この悪循環を断ち切ることで、心不全の予後を改善する効果がある

ACE阻害薬は、慢性心不全の重症度に関係なく、禁忌を除くすべての患者に対して投与されるべきであり、エビデンスレベルはA

適応があるACE阻害薬の代表的な薬剤は、エナラプリルやリシノプリルなど

▼ACE阻害薬の一覧▼

ACE阻害薬の主な副作用は、血圧低下、血清クレアチニン値上昇、血清カリウム値上昇、空咳、血管浮腫など
注意するべき禁忌:  妊婦又は妊娠している可能性のある女性、エンレスト(一般名:サクビトリルバルサルタン)併用不可、高度の呼吸困難を伴う血管浮腫の既往

最近は、ARBにポジションを奪われている感じです。

今後は、心不全を未然に防ぐ、予防薬として活躍する可能性もあると思いますね。

 

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