パニック障害は、突然の強い不安や恐怖を伴う発作が繰り返し起こる病気です。
「自分や物事をコントロールできない」「このまま死んでしまうかもしれない」と感じる恐怖が、突然襲ってくるのです。
発作は通常数分でピークに達し、しばらくの間その症状が続きます。
女性は男性よりも2~3倍多く発症する傾向があります。
以下に、主な症状と治療法について詳しく説明します。
症状
1. パニック発作
- 突然の動悸や息切れ
- 発汗
- 震え
- 息苦しさや窒息感
- 胸の痛みや不快感
- 吐き気や腹部の不快感
- めまいやふらつき
- 現実感の喪失や離人感
- 自分が自分でない感覚
- 死の恐怖や気が狂う恐怖
2. 予期不安
パニック障害では、パニック発作になったときの苦しさや怖さから、
「また発作が起きたらどうしよう」と心配になることが多く、これを「予期不安」といいます。
3. 広場恐怖
発作が起こったときに逃げられない状況や助けを求められない状況に対する恐怖のこと(例:公共交通機関、人混み、エレベーターなど)
治療法
1. 薬物療法
抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬が一般的に使用されます。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor) はセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを増強することで、うつ症状等の改善を図る抗うつ薬です。
これらの薬は脳内の神経伝達物質のバランスを整え、不安を軽減します。
2. 認知行動療法(CBT)
認知行動療法は、不安を引き起こす状況に徐々に慣れていくことで、恐怖を克服する方法です。
具体的には、段階的に不安を感じる状況に身を置き、その状況に対する反応を変えていきます。
3. 生活習慣の改善
規則正しい生活や適度な運動、ストレス管理が重要です。
また、カフェインやアルコールの摂取を控えることも効果的です。
4. サポートネットワーク
家族や友人のサポート、専門家との相談も重要です。
支援を受けることで、安心感が増し、治療の効果が高まります。
パニック障害は治療可能な病気ですので、早期に適切な治療を受けることが大切です。
パニック障害は、男女何歳くらいで発症しますか?
パニック障害は、男女ともに20~30歳の間に最も多く発症します。
パニック障害の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
以下に主な要因を挙げます。
主な原因
1. 遺伝的要因
家族にパニック障害の患者がいる場合、発症リスクが高まることが報告されています。
2. 脳内の神経伝達物質の異常
セロトニン、ノルアドレナリン、*GABAなどの神経伝達物質のバランスが乱れることが原因とされています。
セロトニンについて過去ブログを参考にしてください▼
*GABA:Gamma-Amino Butyric Acid(γ-アミノ酪酸)「ギャバ」は、人間の脳内にも存在し、緊張やストレスなどをやわらげて、脳の興奮を鎮める働きがあると言われています。
また、GABAには睡眠の質を高めたり、血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。
3. ストレス
強いストレスや長期間にわたるストレスが引き金となることがあります。
仕事や人間関係、生活環境の変化などが影響します。
4. トラウマ
幼少期の虐待や重大な事故、災害などのトラウマが原因となることがあります。
5. 性格的要因
心配性や完璧主義、感受性が強いなどの性格も影響することがあります。
6. 生活習慣
喫煙や過度のカフェイン摂取、睡眠不足などもリスクを高める要因となります。
パニック障害はこれらの要因が複雑に絡み合って発症するため、個々のケースによって異なることがあります。
適切な治療とサポートを受けることで、症状の改善が期待できます。
パニック障害を予防するには?
日常生活での習慣やストレス管理が重要です。以下にいくつかの具体的な方法を紹介します。
予防方法
1. ストレス管理
リラクゼーション技法(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れることで、ストレスを軽減し、心身のバランスを保つことができます。
2. 適度な運動
定期的な運動は、心身の健康を維持し、ストレスを軽減する効果があります。
ウォーキングやジョギング、軽いエクササイズなどが推奨されます。
ウォーキングについて過去ブログを参考にしてください▼
3. 規則正しい生活
十分な睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。
睡眠不足はストレスを増加させ、パニック発作のリスクを高める可能性があります。
4. 健康的な食生活
バランスの取れた食事を心がけ、カフェインやアルコールの摂取を控えることが予防に役立ちます。
これらの物質は不安を増幅させることがあります。
5. 情報の取り扱いに注意
過度な情報摂取を避け、信頼できる情報源から必要な情報だけを得るようにしましょう。
SNSを見過ぎるなど、情報過多はストレスの原因になることがあります。
これらの方法を日常生活に取り入れることで、パニック障害の予防や再発防止に役立てることができます。
最後に
私は、前回の全般性不安障害とともにこのパニック障害も時々陥ります。
朝アラームで目が覚めると、夢を見ているわけではないのに、胸がギューと締め付けられるように痛くて
「このまま死んでしまうのではないか」と思うほど、心臓がドキドキするのです。呼吸が乱れます。
まるで金縛りのように緊張し、自分で体をコントロールすることができません。
意識はあやふやな状態で、永遠に続く気がします。時間の感覚は麻痺しますね。
こうなると体と心が疲れて、数時間動けません。心臓病ではないのです。
その夜は予期不安から寝付けません。睡眠不足で、また翌朝同じことが起こることもあります。
当然、仕事に影響がでます。
30〜40歳位の若い頃からたまにありましたが、還暦前の今でも治りません。
睡眠不足は間違いなくあるので、規則正しい生活習慣を身に着けると良くなります。
数ヶ月調子が良くて安心していたら、また起こるを繰り返しています。
この症状は、「気合が足りない」とか「怠け者」とは全く異なります。
このような病気があることを皆様に理解していただきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
参考資料
(1) 【公式】パニック障害の症状・診断・治療を精神科医が解説 …. https://cocoromi-mental.jp/service/psychiatry/disorder/panic/.
(1) パニック障害になりやすい人の特徴とは?性格傾向や年代 …. https://www.mentalclinic.com/disease/p10635/.
(1) パニック障害の原因。パニック障害はなぜ生じるのか. http://seseragi-mentalclinic.com/pdcause/.
(1) パニック障害の予防法:日常生活でできる5つのステップ …. https://panic-disorder-cure.com/post-1899/.