▶「代表的な抗うつ薬の種類と副作用を知りたい」

心療内科
代表的な抗うつ薬種類副作用を知りたい

抗うつ薬は、うつ病不安障害・パニック障害などの精神症状を改善するために使用される薬です。

これらの薬は神経伝達物質のバランスを調整し、うつ症状を緩和します。

以下に、抗うつ薬の主な種類と一覧、作用機序、および使い分け、主な副作用とその対策について説明します。

新薬や稀に処方される薬もありますが、今回は処方頻度の高い薬に焦点を当てました。

 

 抗うつ薬の種類と一覧

  • 以下は、成分名∶ジェネリック名(先発薬品名)です。

1. SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

  • フルボキサミン (デプロメール®、ルボックス®)
  • パロキセチン (パキシル®)
  • セルトラリン (ジェイゾロフト®)
  • エスシタロプラム (レクサプロ®)

2. SNRI (セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

  • ミルナシプラン (トレドミン®)
  • デュロキセチン (サインバルタ®)
  • ベンラファキシン (イフェクサー®)

3. NaSSA (ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)

  • ミルタザピン (リフレックス®、レメロン®)

4. 三環系抗うつ薬(第一世代)

  • イミプラミン(トフラニール®)
  • クロミプラミン(アナフラニール®)
  • アミトリプチントリプタノール®)

5. 四環系抗うつ薬

  • マプロチリンルジオミール®)
  • ミアンセリン(テトラミド®)

6. トリアゾロピリジン系抗うつ薬

  • トラゾドン(レスリン®、デジレル®)

 

抗うつ薬の作用機序

抗うつ薬は主にシナプス間隙のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質の濃度を高めることで効果を発揮します。

SSRIセロトニンの再取り込みを阻害し、

SNRIセロトニンノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。

NaSSAノルアドレナリンセロトニンの遊離を増加させ、

5-HT1受容体を活性化させることで抗うつ作用を発揮します。

5-HT1受容体は、抗うつ薬や抗不安薬が作用する重要な部位であると考えられています。

 

抗うつ薬の使い分け

近年は基本的にSSRI、SNRI、NaSSA第一選択的に使われています。

三環系は副作用が多いため、少し控えめに使用されています。

四環系は眠気の強い薬として、不眠傾向の方に使われることがあります。

トラゾドンは睡眠薬としても使用されます。

抗うつ薬の選択は個々の症状や患者の状態に合わせて行われるべきです。

専門医の指導のもとで適切な薬剤を選択してください。

 

抗うつ薬の主な副作用とその対策

抗うつ薬は、発現頻度の高い副作用があります。

以下に、抗うつ薬の主な副作用とその対策を紹介します。

 

1. 便秘・口渇

三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬ではよくみられます。

食物繊維や水分の摂取、運動習慣を意識してみましょう。

2. ふらつき

立ちくらみやふらつきは、抗アドレナリン作用によるものです。

朝食をしっかりとり、ゆっくりと立つことを心がけましょう。

3. 眠気

三環系、四環系抗うつ薬やNaSSAに多い副作用です。

睡眠改善や昼寝習慣を見直しましょう。

4. 体重増加

抗ヒスタミン作用やセロトニンによる代謝抑制が関係しています。

NaSSAは、比較的この副作用が多いと感じます。

食事管理や運動習慣に注意しましょう。

5. 吐き気・下痢

SSRI特に服薬開始2週間以内によくみられる副作用です。その後は、慣れてくることが多いです。

食事を控えめにしたり、消化の良いものを食べるなどを心がけてみましょう。

6. 不眠

SSRISNRIにおこりやすい副作用です。

睡眠に良い生活習慣や自律訓練法を取り入れてみてください。

睡眠について過去ブログを参考にしてください▼

 

7. 性機能障害

SSRIの一部で頻発する副作用です。

性欲低下や勃起障害などがあります。

主治医に相談してみてください。

抗うつ薬の選択は個々の症状や患者の状態、副作用などに合わせて行われるべきです。

 

うつ病になりやすい人の特徴と予防法は?

マイケル
マイケル

うつ病について過去ブログを参考にしてください▼

 

最後に

私は、今回ご紹介していないのですがとある薬で、「勝手に手が震える」副作用を経験しました。

これは、正直に怖かったです。自分で震えを止めることができないのです。

この薬を中止すると震えはなくなりました。

抗うつ薬のように全身の神経伝達に関わるような薬は、副作用が起こりやすいと思います。

吐き気予防や便秘予防の薬などを最初から併用することも多いです。

性機能障害は医師に言いづらいかもしれませんが、遠慮なく伝えましょう。特にSSRIに多く、代替え薬はあります。

うつ病や不安障害は薬だけで治ってしまう病気ではなく、あくまでも補助療法です。

生活習慣を改善し、ストレスを整え、薬を続け、認知療法も行うと

好不調の波の幅が狭くなり、徐々に落ち着いてゆく病気だと考えてください。焦りは禁物です。

もしメンタル疾患の方で完全に治したいならば、タバコ、アルコールは辞めてください。

私が慕っている精神科医Youtuberの樺沢紫苑先生は、タバコ、お酒を辞めないと治らないと常々言ってます。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

抗うつ薬の種類と一覧|作用機序の違い、使い分けについても …. https://healthokandlife.com/medicine/mental/koutsu01/.

【精神科医が解説】抗うつ剤の副作用と安全性の比較 – 【公式 …. https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/psychiatry-medicine/antidepressant/dep-side/.

抗うつ薬の副作用について|心療内科・精神科|うつ病治療の …. https://www.shinagawa-mental.com/column/psychosomatic/antidepressant/.

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