▶「定型うつ病(典型的うつ病)と非定型うつ病(新型うつ病)の違いを知りたい」

心療内科
定型うつ病(典型的うつ病)と非定型うつ病(新型うつ病)の違いを知りたい

定型うつ病(典型的うつ病)非定型うつ病(新型うつ病)は、うつ病の中でも異なる特徴を持つタイプとして一般的に知られています。

これらの違いを理解することで、診断や治療に有用な知識を得ることができます。

 

以下に、定型うつ病と非定型うつ病の違いについて詳しく説明します。

 定型うつ病とは

定型うつ病は、DSM-5(精神疾患の診断と統計マニュアル第5版)によって定義されたうつ病の典型的な形態です。

このタイプのうつ病の主な特徴は、次の通りです。

主な症状

持続的な抑うつ気分:

日常生活の中でほぼ毎日、長時間にわたり気分が沈んでいる状態が続きます。

興味や喜びの喪失

自分が以前楽しんでいた活動に対する興味や喜びが失われ持続します。

エネルギーの欠如

疲れやすく、活動を行うためのエネルギーが著しく低下します。

自己評価の低下

自信を失い、自分に対する否定的な考えが強くなります。

睡眠障害

過剰な睡眠(過眠)や不眠などが見られることがあります。

食欲の変化

食欲が減少することが多く、結果として体重が減少することがあります。

集中力の低下

思考能力や集中力が低下し、日常的な仕事や学業に支障が出ることがあります。

自殺の考え

自殺についての考えが浮かんだり、実際に手段を講じようとすることがあるため、注意が必要です。

 

非定型うつ病とは

非定型うつ病は、従来の定型うつ病とは異なる症状や特徴を持ちます。

そのため新型うつ病とも言われます。

これもDSMによって認識される病態ですが、その症状はより多様性に富んでいます

育った環境や形成された本人の性格から思春期に問題を抱え、

20代になって症状が現れるというパターンが最も一般的とされています。

主な症状

気分の変動

定型的な抑うつ気分の代わりに、他者からの好意や環境の好転によって気分が改善することがあります。

20~30代の女性に多く、男性の3~4倍という罹患率になります

過眠や過食

定型うつとは異なり、過剰な睡眠や過剰な食事が見られることが多いです。

特に年齢が高くなるほど顕著な過食、体重増加が症状として現れやすくなります。

身体的な重さ

手足が重く感じる身体的な鈍さ」を訴えることがあります。

対人関係の影響

他者との関係に対して敏感で、拒絶や批判に特に過敏に反応することが多いのです。

無気力感

エネルギーがない場合もありますが、

特に他者との交流に対する欲求はあり、孤独感が強くなることもあります。

定型うつ病と非定型うつ病の主な違い

定型うつ病と非定型うつ病の主な違いは、症状の頻度と質、またはそれらの重症度です。

気分性の変化

非定型うつ病の人は、外部の要因に応じて一時的に気分が良くなることがありますが、

定型うつ病の人は常に気分が沈んでいることが一般的です。

食欲と睡眠パターン

定型うつ病では食欲低下や不眠が一般的なのに対して、

非定型うつ病では過食や過眠が見られます。

社交的な影響

定型うつ病は引きこもりがちであり、社交が減ることが一般的ですが、

非定型うつ病は他者との交流を求めるものの、対人関係のストレスを強く感じる傾向があります。

 

 

診断と治療

これらのうつ病の診断には、主に医療専門家による評価が必要です。

具体的な評価ツールや基準を用いて、患者の症状を詳細に把握します。

 

治療方法

定型うつ病の治療法

1. 薬物療法

抗うつ薬(SSRIやSNRIなど)が一般的に使用されます。

 

2. 休養

十分な休養とストレスの軽減が重要です。

3. 精神療法

認知行動療法(CBT)などが効果的です。

 

非定型うつ病の治療法

1. 生活習慣の改善

規則正しい生活リズムの確立が特に重要です。

過眠や過食の傾向があるため、これらを管理することが求められます。

2. 適度な活動

完全な休養よりも、適度な負荷をかけることが推奨されます。

例えば、軽い運動や日常的な活動を続けることが効果的です。

3. 精神療法

認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)がよく用いられます。

特に、拒絶過敏性や気分の変動に対処するためのアプローチが重要です。


非定型うつ病(新型うつ病)は常に抑うつ状態である定型うつ病と違い、

楽しいことには前向きになれて、明るい表情も見られる、睡眠も必要以上に取り、食欲もあるだけに”都合よく”病気になる人という誤解を受けやすい障害です。

定型うつ病(典型的うつ病)と比べ治療法が異なる点が多いので、専門医と相談しながら適切な治療法を見つけることが大切です。

 

最後に 

近年は、どこの企業でも離職防止や健康経営の強化、働く人々の心の健康を保つ目的でメンタルヘルスケアは重要な課題ですね。

うつ病治療のポイントは、

①調子が良くなっても無理をせず、規則正しい生活リズムを保つこと、

②睡眠と覚醒のリズムを一定に保つこと、

③いつ、どのような状況で症状が強く出るのかを知ること

この3つが大切だと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

非定型うつ病を克服するために有効な4つの治療法. http://seseragi-mentalclinic.com/atypical-depression-treat/.

従来のうつ病とは違う非定型うつ病とは?その原因や治療法に …. https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/c1601/.

従来のうつ病(メランコリー型)と非定型うつ病(新型うつ病)の …. https://fukushi.tv/media/mental-disorder/depression-difference/.

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