▶「薬剤師が余る時代が来る理由を10個知りたい」

薬剤師の皆様へ
薬剤師余る時代が来る理由を10個知りたい

薬剤師が余る時代が到来する可能性が高まっているという視点が多くの専門家やメディアで取り上げられています。

その背景には多くの経済的、社会的、技術的要因があります。

薬剤師が余る時代が来る理由を10個挙げて説明します。

1. 薬剤師の増加

近年まで、薬学部の数が増加しており、それに伴い薬剤師の数も増えてきていました。

日本の薬剤師数は210,000人を超え、今後も新たに免許を取得する薬剤師が増える見込みです。

これにより、職場での競争が激化し、結果的に供給過剰の状況が生まれるでしょう。

2. ショッピング薬局の増加

薬局の数自体も増加しており、現在日本には6万を超える薬局が存在します。

薬局が増えることで、求人数に対して薬剤師の供給が増え、

たとえ新たに求人数が創出されても全体としての需給関係は緩やかに悪化する可能性があるのです。

3. 診療報酬改定

2012年の診療報酬改定により、病院や医療施設における薬剤師の需要が伸びた一方で、

一般的な調剤業務における需要は変化しつつあります。

この改定の影響で、薬剤師の役割が拡充した結果、職場の専門性が高まる反面、

従来型の調剤だけの職場でのポジションが減少する可能性があります。

4. AIの普及

人工知能(AI)の急速な進化と普及が見込まれています。

AIは多くの業務を効率化する可能性があり、特に薬剤師の業務においても調剤や薬歴管理の部分で代替される可能性があります。

これにより、薬剤師の必要性が減少することが懸念されています。

5. 国の方針変更

国の医療政策が変更されることで、薬剤師の必要数にも影響が出てきます。

例えば、地域医療の充実を図るために、薬剤師を高額の給料と引き換えに地域医療に従事させる方針がもし進められると、

需要の集中が起こり、相対的に供給過剰が起こりやすくなります。

このように、政府の方針が薬剤師の需給に直結します。

6. 医療制度の変化

少子高齢化が進む日本においては、医療制度自体が変わっていくことが予想されます。

慢性的な医療費削減政策が進められる中で、医療の効率化や簡素化が求められるため、

薬剤師の業務も変化が避けられません。これにより、薬剤師に対する需要が減少する可能性があります。

7. オンライン医療の普及

オンライン診療の普及も、薬剤師の仕事に影響を及ぼしています。

患者さまが医療サービスをオンラインで受けることが一般化すると、対面での薬剤師との相談が減少し

薬剤師の業務の一部が不要になる恐れがあります。これも供給過剰を招く要因となります。

8. 薬剤師の業務範囲の変化

薬剤師の業務範囲が拡大している一方で、それに見合った職務の変化が求められています。

新たなスキルを持つ薬剤師が求められるようになると、従来の調剤業務だけできる薬剤師では通用しない時代が来ます。

そのため、従来の薬剤師が適応できない場合、職業としての価値が減少し、過剰状態が進行することになります。

9. 短期的な雇用形態の増加

派遣や契約社員として働く薬剤師が増えていることも見逃せません。

短期的かつ不安定な雇用形態が進展することで、

正社員としてのポジションが減少し、薬剤師全体としての求人需要が減ってしまうリスクがあります。

結果的に、供給過剰の状態が強まる可能性があります。

10. 経済情勢の影響

経済の動向も、薬剤師の需給バランスに重要な影響を与えます。

不況期においては医療の予算が厳しくなり、必要な現場での人員削減が行われることがあります。

これにより、薬剤師のポジションが余り、過剰状態を引き起こす要因となるでしょう。

以上のような理由から、薬剤師が余る時代の到来は現実的なものとして、多くの専門家が発信しています。

今後の医療や薬剤師に求められる役割の変化に対応し、柔軟なキャリア形成が求められる時代になるでしょう。

 

最後に

私が薬剤師免許を取得した頃(35年ほど前)は、免許さえあれば将来は安泰と言われていました。

ところが、薬剤師数が増加、時代の流れ、業務の変化などで、安心安定な職種とは言えなくなってきました。

それでも国内にある多くの薬のことを詳しく理解し、説明することができるのは、

大病院や数多の薬局を経験した一部の薬剤師しかできないと思っています。

医師は高齢になると、どうしても専門分野に特化した知識になりますね。

まだまだ私を含む薬剤師が活躍できる領域は、果てしなく広がると感じています。

広げることが残された私の人生の使命かもしれませんね。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

1. [薬剤師余り時代の到来は確実に、当然の需給予測も打ち手は …](https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00010/042800062/)

2. [薬剤師に将来性はあるの?薬剤師が「余る」時代に生き残るヒント](http://www.pharmama.net/post-1021/)

3. [【大学受験の仕組み】増え続ける薬学部、「薬剤師」が余る…は …](https://www.asahi.com/thinkcampus/article-101031/)

4. [薬剤師は不足している?職業としての将来性は?求人倍率や …](https://pcareer.m3.com/column/107)

5. [安泰ビジネスモデルの終焉 | 薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰](https://diamond.jp/articles/-/290040)

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