【認知症】▶「認知症の最新治療法と予防方法を10選!」

認知症
認知症最新治療法予防方法を10選!

アルツハイマー病やその他の認知症は高齢化社会において重要な健康問題となっています。

認知症の最新治療法と予防方法をそれぞれ10個ずつお話します。

最新治療方法

1. レカネマブ(Leqembi)

2023年12月に発売されたレカネマブは、アルツハイマー病による軽度認知障害や認知症の新しい治療薬です。

この薬は脳内に蓄積されるアミロイドβを除去し、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。

 

 

 

2. アデュカヌマブ(Aduhelm)

アデュカヌマブは、アルツハイマー病の治療に使用される抗体で、脳内のアミロイドプラークをターゲットにしています。

この薬は、プラークを除去することによって神経細胞の損失を防ぎ、認知機能の低下を遅らせることを目指しています。

アミロイドβは通常、脳内で作られ排除されますが、何らかの原因でアミロイドβが適切に排除されなかった場合、脳内に蓄積します。 蓄積したアミロイドβがアミロイドプラークを形成します。

3. 新しい抗炎症薬

最近の研究では、認知症と炎症の関連が指摘されており、「抗炎症薬」が有望視されています。

これにより、脳内の炎症反応を抑え、認知機能を保護する可能性があります。まだ、未知の部分が多いですね。

4. 神経栄養因子療法

神経栄養因子(BDNFなど)の投与によって、神経細胞の生存と再生を促進する治療法です。

BDNF脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質の一種で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれます。 脳内で記憶を司る「海馬」に多く含まれていて、神経細胞の動きを活発化させることが期待されています。 そのことから、脳の栄養と呼ばれることもあります。

このアプローチは、神経の再生や機能改善に寄与する可能性があります。

5. 電気刺激療法

脳に微弱な電気刺激を与えることで、神経の活動を促し、認知機能を改善する手法です。

特に、軽度の認知障害を持つ患者に効果があるとされています。

6. 遺伝子治療

CRISPR技術などを用いた遺伝子治療が進められており、認知症に関連する遺伝子の修正を行うことによって病気の発症を予防する研究が進行中です。

 

CRISPR(Cas9)技術とは?

CRISPR(クリスパー)は、細菌がウイルスから身を守るために使う「免疫システム」の一部です。

この技術を使うことで、科学者たちは生き物の遺伝子を編集できるようになりました。

科学者たちは、まず変更したい遺伝子の部分を見つけます。

CRISPRは「はさみ」のように働き、その遺伝子を切り取ります。

切られた部分には、新しい遺伝子の情報を入れることができ、これによって希望する特性を持つ生き物を作ることができます。

例えば、もし犬の遺伝子を編集して毛の色を変えたい場合

CRISPRを使えば、その犬の毛の色を決めている遺伝子を見つけて、そこを切り、新しい情報を追加して、異なる色の毛の犬を作ることが可能です。

CRISPR技術は、生き物の設計図である遺伝子を簡単に編集できる道具ですね。

これによって新しい品種を作ったり、病気を治したりすることができます。

この技術は、まるで「生き物のデザインをする」ようなものです。

一方で、様々なリスクがあります

人間の生殖細胞に対するゲノム編集の適用は、

生殖細胞の初期発生、発育などに未解明な点が多いこと、また次世代に対する予想できない影響があり得ることから、

日本では「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」により禁止されています。

 

7. リズム療法

音楽やリズムを用いた治療法で、認知機能を刺激し、感情の調整を促す役割を果たしています。

特に高齢者において効果があるとされます。

8. 認知行動療法

認知行動療法が、認知症患者の心理的健康を支えることで、症状の悪化を防ぐ効果があるとされています。

9. 栄養療法

特定の栄養素(オメガ3脂肪酸や抗酸化物質など)が脳に良い影響を与えることが研究されており、これを利用した食事療法が提案されています。

10. 他の新薬の開発

認知症の新しい治療法に関する研究は継続中で、特に小分子薬やその他の生物製剤が注目されています。

今後、さらに多くの治療法が実用化されることが期待されます。

 

認知症の予防方法

1. 定期的な運動

有酸素運動や筋力トレーニングは、血流を改善し脳機能を向上させることが知られています。

ウォーキングやジョギング、ストレッチなどが推奨されています。

2. 健康な食生活

地中海式食事法やDASH食事法が認知症予防に関連していることが研究で示されています。

DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension;高血圧を防ぐ食事)は、高血圧を予防・治療するために考案された食事療法です。 

特に魚、果物、野菜、ナッツ類が豊富な食事が良いとされています。

 

 

3. 精神的活動

パズルやオセロ、楽器の演奏など、脳を使う活動が認知機能を維持する助けになります。新しいスキルを学ぶことも効果的です。

4. 社会的な関与

友人や家族との交流、ボランティア活動に参加することで、精神的な健康を保ち、孤独感を減少させることが重要です。

5. 定期的な健康診断

血圧やコレステロール値の管理、糖尿病予防が、認知機能を維持するために重要です。

定期的な健診を受けて健康状態を確認しましょう。

6. 睡眠の質を確保する

良質な睡眠が脳の健康に寄与します。規則正しい生活と、睡眠環境の見直しが勧められます。

7. ストレス管理

ヨガや瞑想、深呼吸などがストレスを軽減し、認知機能の低下リスクを減じる効果があります。

8. 禁煙

喫煙は脳卒中や心筋梗塞のリスクを増加させ、認知症のリスクファクターとされています。禁煙が推奨されます。

9. アルコール摂取の制限

適度なアルコール摂取(ワイン等)であればリスク低下につながることがありますが、過剰摂取は逆効果です。

10. 脳の健康を保つためのサポート

例えば、抗酸化物質を含むサプリメントの摂取や、健康的な食品を選ぶことが認知機能維持につながる可能性があります。

 

 

認知症の治療と予防にはいくつかの方法が存在し、進化しています。

各個人の生活スタイルに合わせて、適切な手段や習慣を取り入れることが重要です。

 

 

最後に

今回初めて取り扱う「CRISPR技術」に関しては、なるべくわかりやすくまとめたつもりですが、長くなってしまいました。

まだ認知症への実用は、遠い先だと思います。

CRSIPR-Cas9という技術はもともと、1996年に石野良純 現九州大学農学研究院教授により発見されました。すばらしいことですね。

抗炎症薬」についても、理屈ではある程度理解できるのですが、まだまだ研究段階です。

昔からリウマチの患者さまに認知症が少ないことが有名でした。そこで「抗炎症薬」にスポットが当たっています。

とはいえ治療法が着実に進歩していることは、調べていて実感できました。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

(1) 国内でも承認 アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」を徹底 …. https://nakamaaru.asahi.com/article/14844850.

(5) ニュース 「認知症の治療 研究最前線」 – きょうの健康 – NHK. https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/3J1P66536P/.

(8) アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」!アデュカヌマブとの …. https://www.minnanokaigo.com/news/pickup/no7/.

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