▶「調剤薬局の近未来はどのように変化するかを予測 15選!」

薬剤師の皆様へ

調剤薬局近未来はどのように変化するかを予測 15選!

調剤薬局は、急速に変化する医療環境に適応していく必要があります。特に2030年に向けて、大きな変化が予想されます。

調剤薬局の近未来における変化とその具体的な展望について15項目説明します。

1. 患者中心の医療

調剤薬局は、患者さま中心の医療をより強化する方向に進んでいます。

具体的には、薬剤師が患者さまと直接コミュニケーションを取り、個々のニーズに基づいたアドバイスを行うことで、

薬物療法の効果を最大化する取り組みが進むでしょう。

薬剤師の対人業務が重視され、患者さまとの信頼関係の構築が必要となります。

2. 電子処方箋の普及

電子処方箋の導入が進むことで、処方箋の効率的な管理が実現します。

医療機関からの情報がデジタルで連携されることで、

薬剤師は迅速に処方内容を確認し、薬の調剤を行うことができます。

このシステムにより、誤処方のリスクが低減し、医療の質が向上します。

3. 在宅医療の普及と薬剤師の役割

高齢化社会において、在宅医療が重要性を増しています。

調剤薬局は、訪問薬剤管理サービスを提供し、

身体的に医療機関に通えない患者さまに対して、薬剤管理服薬指導を行うことが求められます。

これにより、患者さまのQOL(生活の質)の向上が期待されます。

4. 薬の情報提供と健康サポート

調剤薬局は、単なる薬の提供者から健康コンサルタントとしての役割にシフトします。

例えば、今コマーシャルなどでよく見かける、内臓脂肪減少薬「アライ」は、

 

調剤薬局の薬剤師の確認が必須です。効果や副作用を指定用紙に記入していただきモニターする薬です。

健康維持のための情報提供や、栄養に関するアドバイス、

生活習慣指導なども行うことで、地域住民の健康を支える拠点となります。

5. テクノロジーの活用

AIやビッグデータを活用した医療が進む中で、調剤薬局もこれを取り入れていきます。

患者の個人情報や病歴、服薬履歴を分析することで、

個別化された治療計画や薬剤の選択を支援するシステムが構築されるでしょう。

調剤作業の自動化が進むと、業務の効率化も図られます。

6. バイオ医薬品の取り扱い

新たな治療法として注目されるバイオ医薬品の取り扱いが増加します。

バイオ医薬品生物由来の物質により生産される医薬品で、分子が大きく構造が複雑で製造・安定性の面でも難度が高いといった特徴があります。

これに伴い、薬剤師はバイオ医薬品に特化した知識を身につけ、適切な使用と管理を行うことが求められます。

患者さまへの情報提供や、薬物治療に関する指導が重要になります。

7. 多職種連携の深化

調剤薬局は、医師や看護師、栄養士などと連携を強化し、チーム医療を推進していきます。

 

これにより、患者さまに対してトータルケアが提供され、治療の効率性が向上します。

多職種からの情報共有がスムーズに行えるシステムが必要となります。

8. 薬剤師の専門性の向上

薬剤師には、より専門的な知識とスキルが求められる時代が来ます。

具体的には、

①薬物療法に関する高度な知識
②医療機器の使用方法
③デジタル技術の活用
④カウンセリング技術

などが求められます。継続的な教育や研修が不可欠となります。

9. 医療情報のデジタル化

患者さまの医療情報がデジタル化されることで、調剤薬局はリアルタイムでのデータアクセスが可能になります。

これにより、患者さまの過去の治療歴やアレルギー情報を迅速に取得し、より安全な薬剤管理が実現します。

医療機関との連携を深めることで、患者情報の共有が円滑に行われるでしょう。

10. 薬剤の適正使用促進と教育

薬剤師が患者さまに対して適切な服薬指導を行うことで、効果的な薬の使用促進と教育が行われます。

例えば、糖尿病の薬「リベルサス錠」は、起床時に服薬し30分以上は飲食できないことを確実に実施してもらう必要があります。

 

特に糖尿病 心不全など慢性疾患を抱える患者さまに対しては、服薬の重要性を理解してもらうことが必要です。

 

患者さま向けの啓発活動や、健康講座、セミナーの実施により、薬剤師が地域の健康教育の推進者となることが期待されます。

11. 疫病対応能力の強化

新型コロナに代表されるパンデミックや新たな感染症の脅威に対して、

調剤薬局は迅速に対応できる体制を構築する必要があります。

ワクチン接種や感染症対策に関する知識を持ち、地域社会の健康を守るための役割を果たすことが求められます。

12. 医薬品の質の向上

調剤薬局は、患者さまに対する責任から医薬品の品質在庫管理を適正化する必要があります。

品薄の薬をいかに必要な薬局に適正量配置できるかは、病院と調剤薬局の垣根を崩す必要があるかもしれません。

ここは卸の協力が不可欠です。

製薬会社、卸との連携を強化し、薬剤の正確な取り扱いや保管方法を遵守することで、安全かつ効果的な医療を提供します。

13. ソーシャルメディアの活用

調剤薬局は、ソーシャルメディアを活用して患者さまとのコミュニケーションを深め、情報を広める役割を果たします。

ソーシャルメディアとは、個人や企業が情報を発信・共有・拡散することによって形成される、インターネットを通じた情報交流サービスの総称

健康情報や予防情報を発信することで、地域住民の健康意識を高めることが目的です。

14. 環境への配慮

持続可能な社会を実現するために、調剤薬局も環境への配慮が求められます。

プラスチック削減やリサイクルの促進、エコロジカルな薬剤管理に取り組むことで

環境問題への意識を示すと同時に、地域社会への貢献を目指します。

15. 患者参加型医療の推進

患者さま自身が医療に積極的に参加する動きが強まっています。

調剤薬局では、患者さまが自分の治療計画に関与できるよう、情報提供やサポートを行う必要があります。

患者さまが自らの健康管理を担うための教育や資料の提供が重要になります。

 

調剤薬局の未来は、

  • 患者さま中心のサービスの拡充
  • テクノロジーの進化
  • 多職種との連携強化

など、多岐にわたる変化が見込まれます。これらの変化は、薬剤師の役割をますます重要なものにし、

患者さまと地域社会の健康を守る上で不可欠な存在となるでしょう。

調剤薬局がこのような変革を遂げることで、より良い医療環境が整備されることが期待されます。

 

最後に

私の年齢だと、あと10年も薬剤師ができればいいかなと思っていますが、

若い薬剤師や薬学生にとっては、未来はとても大切です。

まず対人業務の強化は避けられないでしょう。

機械やテクニシャンにできる仕事を振り分けて、薬剤師は目の前の患者さまと会話し、

薬を見て妥当性を判断し、併用薬を見て、さらに患者さまの体と心に集中します。

病院ではすでにチーム医療が当たり前になっています。調剤薬局でもチーム医療の一員という意識は、今後芽生えてくると考えています。

具体的には、患者さまの治療について、医師、看護師、理学療法士などから電話、書類やメールで相談があり、

それに対応して最適な薬物療法のアドバイスや効果的な飲み方、使い方などの説明とフィードバックなどが想定されます。

電子処方箋が調剤薬局でどこまで普及するのかまだ不透明ですが、

大病院の多くはオーダリングシステムというオンライン処方箋が導入されており、その実績からメリット、デメリットがある程度予想できると思います。

大病院で行ってきたことが、調剤薬局でもできる時代がすぐそこまで来ていますね。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

1. [2030年に目指すべき“未来の薬局”の在り方とは](https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00030/051900041/)

2. [【経営企画室に聞く】これからの調剤薬局ってどうなるの?](https://ain-recruit.co.jp/specialsite/articles/1061-2/)

3. [2025年問題とは?薬剤師の将来性や、今後求められるスキル …](https://pharma.mynavi.jp/knowhow/workplace/2025-problem/)

4. [アイセイ薬局が取り組む「今」と「未来」|採用情報|調剤 …](https://www.aisei.co.jp/recruit/aisei_try/)

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