▶アブレーション手術の内容と治療成績を分かり易く教えて!

心と体のケア
アブレーション手術の内容と治療成績を分かり易く教えて!

アブレーション手術は、主に心臓の不整脈治療のための手法として広く用いられており、

近年では多くの患者さまにとって有効な治療方法として認知されています。

ここでは、アブレーション手術の詳細な内容、手術の流れ、治療成績、さらには最新の情報を織り交ぜてご紹介します。

アブレーション手術とは?

アブレーション手術は、心臓内の異常な電気信号が原因で生じる不整脈を治療するための非薬物治療法です。

具体的には、心臓の中にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、

その先端から高周波エネルギーを放出することにより、異常な心拍を引き起こす組織を焼灼(アブレーション)します。

この手法は、心臓の特定の部位に直接アクセスするため、外科手術に比べて身体への負担が少なく、回復が早いのが特徴です。

 

手術の流れ

準備

手術前には、医師が患者さまの病歴を確認し、心臓の状態を評価します。

心エコー検査や心電図、ホルター心電図などの検査を行った上で、アブレーション手術が適切かどうかを判断します。

手術の実施

麻酔

多くの場合、局所麻酔が施され、患者さまは意識を保ったまま手術を受けることができます。

カテーテルの挿入

首や足の付け根から血管にカテーテルを挿入し、心臓まで導きます。

電気生理学的検査

まず、どの部分が異常な電気信号を発生させているのかを特定するために、心臓内で電気信号を測定します。

アブレーション

異常が見つかった部位に高周波エネルギーを通し、組織を焼灼します。

このプロセスは非常に繊細で、医師は心拍の状況をリアルタイムでモニタリングしながら進めます。

終了と回復

アブレーションが終わった後、カテーテルを抜き取り、圧迫止血を行います。

その後、患者さまは回復室に移され、状態が安定するまで観察されます。

 

治療成績

アブレーション手術の治療成績は、患者さまの状況によりますが、一般的には非常に良好です。

多くの研究によると、心房細動や心室性不整脈の患者さまにおいて、

アブレーション手術後1年の成功率は70%から85%とされています。
再発率は、手術後数年以内に最大で30%程度ですが、

これも患者さまの状態や行う手術の種類によって変わります。

近年のデータでは、カテーテルアブレーションの適応が拡大しており、発作性心房細動の患者さまだけでなく、

持続性の不整脈を持つ方に対しても実施されるケースが増えています。

加えて、手術技術の進歩により、より少ない侵襲での手術が可能になってきており、患者さまの負担も軽減されています。

 

最新情報と研究動向

アブレーション手術に関する研究は日進月歩であり、新たな技術や材料の導入が積極的に行われています。

特に、冷凍アブレーションレーザーアブレーションといった新しい手法が注目を集めており、

これらは従来の高周波アブレーションよりも組織へのダメージが少なく、患者さまの回復を早める可能性があります。

さらに、人工知能(AI)を用いた診断支援システムも開発されており、

手術における電気生理学的評価の精度向上が期待されています。

これにより、手術の成功率がさらに向上し、患者さまへの負担を減らすことが可能になるでしょう。

 

まとめ

アブレーション手術は、心臓の不整脈治療において非常に効果的な方法であり、

その成功率も高いため、多くの患者さまにとって希望となる治療法です。

手術の技術や方法は常に進化しており、最新の研究成果が適用されることで、

今後もさらに多くの患者さまに恩恵をもたらすと期待されています。

これからも、アブレーション手術に関する研究や技術の進歩に注目し、

患者さまにとって最善の治療法が選択されるように努めていくことが重要です。

アブレーション手術についての詳細な情報を理解することで、患者自身が治療に対する理解を深める力となるでしょう。

 

最後に

アブレーション手術は、現在当たり前のように行われています。

カテーテルを用いるため、外科手術より入院期間が短いこともメリットですね。

ただ1回の手術で完治するかどうかわからないため、2回目をするかどうか悩んでいる患者さまがおられるのも事実です。

薬剤師は、じっくり話を聞いて上げてください。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

[心臓カテーテルアブレーションについて分かりやすく解説] (https://www.cvi.or.jp/9d/521/)

[カテーテルアブレーションのこと] (https://fusei39.com/patient/catheterablation5.shtml)

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