▶睡眠不足は糖尿病の危険因子ですか?

生活習慣改善
睡眠不足糖尿病の危険因子ですか?

睡眠時間が短いと糖尿病リスクが増加

複数の大規模調査で、睡眠時間が短いほど2型糖尿病の発症リスクが高まるという結果が出ています。

例えば、アメリカの看護師を対象とした研究では、1日の睡眠時間が5時間以下の人は7~8時間の人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが約40%高いという結果が出ています。

 

睡眠の質も重要

睡眠時間だけでなく、睡眠の質も糖尿病リスクに関わっています。

深い睡眠が不足すると、インスリン抵抗性が高まり、血糖値が上昇しやすくなることが分かっています。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を著しく低下させる代表的な疾患です。

 

睡眠不足が糖尿病を引き起こすメカニズム

睡眠不足が糖尿病を引き起こすメカニズムは、まだ完全には解明されていませんが、以下の様な要因が考えられています。

インスリン抵抗性

睡眠不足は、インスリンの働きを低下させ、血糖値を下げるために必要なインスリンの量が増えてしまいます。

食欲亢進

睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの分泌を増加させ、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌を減少させます。

その結果、過食や肥満につながりやすくなります。

ストレス

睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させます。

コルチゾールは、血糖値を上昇させる作用があります。

 

適切な睡眠時間とは

一般的に、成人に推奨される睡眠時間は7~8時間です。

しかし、必要な睡眠時間は人によって異なります。

日中の眠気や疲労感がない、目覚めが良いといった状態が、自分にとって適切な睡眠時間を満たしている目安となります。

 

質の高い睡眠を得るために

毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる

生活リズムを整えることが重要です。

寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない

睡眠を妨げる可能性があります。

寝る前に激しい運動をしない

交感神経が興奮し、寝つきが悪くなることがあります。

寝室の環境を整える

静かで暗く、涼しい部屋で寝るのが理想的です。

ブルーライトを避ける

就寝1時間前からはスマートフォンやパソコンの使用を控えましょう。

 

糖尿病患者さんの睡眠

糖尿病患者さんは、睡眠不足によって血糖コントロールが悪化する可能性があります。

十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を心がけることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群を合併している場合は、適切な治療を受けることが重要です。

 

最後に

睡眠は、健康な生活を送る上で非常に重要な要素の一つです。

睡眠不足は、糖尿病だけでなく、様々な疾患のリスクを高めることが知られています。

適切な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を心がけるようにしましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

良い睡眠の概要(案)厚生労働省2023

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf

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