先発医薬品と後発医薬品の主な違いは、開発の経緯、コスト、特許権の有無にあります。
先発医薬品と後発医薬品の主な違い
先発医薬品
新しい有効成分を含むオリジナルの医薬品で、開発には長い時間と多額の費用がかかります。
臨床試験を経て、その有効性や安全性が確認された後、国の承認を受けて市場に投入されます。
特許期間中は独占的に製造・販売され、その期間は通常20年から25年です。
特許期間が終了すると、その成分は他の製薬会社によっても使用できるようになります。
後発医薬品
先発医薬品の特許期間が終了した後に製造される医薬品で、ジェネリック医薬品とも呼ばれます。
先発医薬品と同じ有効成分を含み、同等の効果があることが確認されています。
開発コストが低いため、先発医薬品よりも価格が安く設定されています。
添加剤が異なる場合がありますが、効果に差はなく、安全性も確認されています。
後発医薬品は、先発医薬品と同等の品質、効果、安全性を持ちながら、より低価格で提供されるため、医療費の節約に貢献しています。患者さまにとっては経済的な選択肢となります。
ただし、患者さまの中には、添加剤の違いによるアレルギーなどの懸念を持つ方もいるため、医師や薬剤師と相談しながら適切な医薬品を選ぶことが重要です。
先発医薬品を選ぶポイント
1. 医師の推奨
医師が特定の先発医薬品を推奨する場合があります。
これは、特定の患者にとってその薬剤の方が適していると判断されたからです。
2. アレルギー反応
患者さまが特定の添加物に対してアレルギーを持っている場合、先発医薬品の方が適していることがあります。
3. 臨床データの蓄積
長期にわたる臨床データや経験に基づいて、一部の患者は先発医薬品を信頼して選ぶことがあります。
後発医薬品を選ぶポイント
1. コスト
後発医薬品は先発医薬品よりも価格が安いため、経済的な負担を減らすことができます。
2. 同等性
後発医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を含み、同等の効果があることが確認されています。
3. 利便性の向上
一部の後発医薬品は飲みやすさや保管方法など、利便性の面で改良されていることがあります。
選択時の注意点
保険の適用範囲
保険の適用範囲内で選択することで、経済的な負担を抑えることができます。
個人の体調や症状
個人の体調や症状によって、薬の効果や副作用が異なる場合があるため、注意が必要です。
これらのポイントを踏まえ、医師や薬剤師と十分に話し合い、自分にとって最適な選択をすることが大切です。
また、2024年10月から新しい制度により、先発医薬品を選択した場合の負担が増える可能性も考慮に入れる必要があります。
患者さんの健康と経済的な状況を考慮して、最善の選択を行いましょう。
ジェネリック医薬品を使用する際に気をつけること
1. 効果の確認
ジェネリック医薬品は先発医薬品と同等の効果があるとされていますが、
特に湿布、軟膏などの外用剤は個人によっては効果の感じ方に差が出ることがあります。
使用しているときの体調の変化に注意し、効果が異なると感じた場合は医師や薬剤師に相談してください。
2. 副作用の確認
先発医薬品と有効成分は同じですが、添加物が異なる場合があります。
これにより、アレルギー反応などの副作用が生じる可能性があります。
副作用が疑われる症状が出た場合は、速やかに医師や薬剤師に報告してください。
3. 医師や薬剤師との相談
ジェネリック医薬品を希望する場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談し、適切な医薬品を選択してもらうことが大切です。
また、処方された薬が先発医薬品であっても、
処方せんに「変更不可」のチェックがなければ、ジェネリック医薬品を選択することが可能です。
4. 薬の形態の違い
ジェネリック医薬品はカプセル、錠剤など様々な形態があります。
先発医薬品と比べて形状や色、味が異なる場合があるため、これらの違いを理解し、間違えないようにしましょう。
5. 薬局をなるべく1つに
薬局によって採用しているジェネリック医薬品メーカーが異なることが多いです。
可能であれば、同じ薬局で薬を受け取ることで、なるべく同じジェネリック医薬品を継続して使用することができます。
これらの注意点を守りながら、ジェネリック医薬品を適切に使用することで、安全性を確保し、医療費の節約にも貢献できます。
何か不明点があれば、医師や薬剤師にご相談ください。
ジェネリック医薬品に関する詳細な情報は、厚生労働省のウェブサイトで提供されていますので、そちらも参考にしてみてください。
最後に
私は、ジェネリック医薬品を服用しています。
先発医薬品と効果が同じで安価ですし、ジェネリックメーカーに頑張ってほしいからです。
昨今ジェネリックメーカーの不祥事が取り沙汰されていますが、昔は、先発メーカーの大きい事件がいくつかありました。
1960年前後にはサリドマイド事件（鎮静・催眠薬）があり、約1万人の胎児が被害を受けました。
1993年のソリブジン事件（抗ウイルス薬）では、多数の被害が報告されました。
すでに先発メーカーの対質は変わっていると思います。
これから後発メーカーの対質が強化され、いい薬が安価で多くの人に行き渡ることを願っています。
以上、ご参考になれば幸いです。
参考資料
日本ジェネリック製薬協会｜ジェネリック医薬品とは.
安心してご利用ください ジェネリック医薬品 | 政府広報
