今日は、私が勤務している薬局で最近「なるほど、そうか」と感じた漢方薬処方をご紹介します。
声がれ、耳鳴り、風邪の咳、舌痛
声がれに半夏厚朴湯や補中益気湯
声がれに半夏厚朴湯や補中益気湯を使うのは、喉の炎症や緊張を緩和し、声帯の機能を回復させるためです。
半夏厚朴湯は、神経や筋の緊張を調整する作用があり、声を使いすぎたり、タバコやアルコールで喉を刺激したりした場合に効果的です。
補中益気湯は、喉の筋肉の運動を高める作用があり、声帯の血行を促進し、声の枯れを改善します。
耳鳴りに当帰芍薬散
耳鳴りに当帰芍薬散を使うのは、血の不足と水の過剰を改善するためです。
当帰芍薬散は、血を補い、血行を良くする効果があります。
冷え性、貧血で浮腫みやすい女性向きの漢方薬です。
当帰芍薬散は、血の不足を補って、耳の機能を回復させます。
当帰芍薬散は、水分の循環を改善する効果もあります。
当帰芍薬散は、水の過剰を取り除いて、耳の圧力を正常に戻します。
風邪の咳に麦門冬湯
これはよくありますが、麦門冬湯がどんな咳でも効くというわけではありません。
麦門冬湯は、体力が中等度以下で、痰が切れにくく、時に強く咳き込む場合、
咽頭の乾燥感や違和感がある場合に効果的な漢方薬です。
水溶性の痰が多い場合や、浮腫(むくみ)がある場合には、麦門冬湯を使うと症状が悪化する可能性があります。
舌の痛みに加えて、口の渇きに麦門冬湯や五苓散
舌の痛みに加えて、口の渇きや舌苔の剥離などがある場合は、ドライマウスの可能性があります。
ドライマウスは、様々な要因で主に唾液の分泌量が少なくなり、口の中が乾燥状態になることです。
潤す作用が強い麦門冬湯や五苓散などが効果的です。
五苓散は水の異常に使用する漢方薬で、体に水分が多く滞っている場合(水滞)は利水し、不足している場合は保持することにより水分バランスを整えます。
のどが渇いたり尿量が減少したりする人に用い、吐き気や嘔吐、頭痛、めまい、浮腫、水様性の下痢など、水分バランスが乱れたときにおこる様々な症状に用います。
舌の痛みに加えて、吐き気やげっぷ、しゃっくりに半夏厚朴湯や柴胡加竜骨牡蛎湯
舌の痛みに加えて、吐き気やげっぷ、しゃっくりなどがある場合は、胃気上逆が原因と考えられます。
胃気を降逆する半夏厚朴湯や柴胡加竜骨牡蛎湯などが効果的です。
最後に
以上が、稀ですが最近不思議に思い、調べた漢方薬の特殊な使い方です。
私が特殊と感じているだけで、皆様にとっては当たり前の内容があるかもしれません。
その時は、復習を兼ねて再度読んでみてください。
今後も、面白い薬の使い方があればご紹介させていたたきます。
以上、ご参考になれば幸いです。