【心と体のケア】▶「抗インフルエンザ薬、イナビル®を詳しく学ぼう」

心と体のケア
抗インフルエンザ薬、イナビル®を詳しく学ぼう
以下の文章は、厚生労働省抗「インフルエンザウイルス薬に関するガイドライイン」、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長 三島 渉 先生の記事などを参考にしています。

 イナビル®はインフルエンザの治療薬で、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物という成分を配合した吸入薬です。

吸入器を使って吸入することでウイルスの増殖を抑えます。

イナビル®の効果的な吸い方

イナビルの容器を開封し、吸入器にセットします。

容器の胴体部分を左右にスライドさせて、薬剤を吸入器に落とします。

口に吸入器をくわえて、息を吐ききった状態から、勢いよく息を吸います。

吸入した際、吸入容器から風が流れるような音(スーッというような音)がすれば問題なく吸入できています。

吸入したら、2〜3秒ほど息を止めて、ゆっくり息を吐きます。

同じ容器をもう一度スライドさせて、もう一回吸入します。

 

イナビルの吸入時、以下の点に注意してください。

薬剤トレーをスライドさせてからは、吸入器は叩かないでください。

薬剤トレーは止まるまで確実にスライドさせてください。

薬剤は細かい粒子なので吸入の感覚が薄いかもしれませんが、勢いよく吸い込んでください。

吸入の前後には水分を摂ることをおすすめします。

牛乳や乳製品にアレルギーのある人は、アレルギー症状(アナフィラキシー)の発現に注意が必要です。吸入する粉末のなかに乳蛋白が含まれるためです。

気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある人は、慎重に使用する必要があります。

発作の引き金になったり、病状が悪化するおそれがあるためです。

気管支拡張薬など喘息用の吸入薬を併用する場合は、喘息用の吸入薬を先に使用します。
イナビル®吸入後にうがいの必要はありません。 

吸入での投与が困難な認知症患者、小児、重症者には不向きな薬剤です。

小児·未成年者において、インフルエンザ発症後にお薬の服用の有無にかかわらず、

「異常行動」などの精神·神経症状が発現することが知られています。

異常行動などの精神· 神経症状については、インフルエンザによる発熱後、

数日以内 (多くが2日以内)、または睡眠中に発現することが多いといわれています。

異常行動による転落等の事故を防ぐためにも、「インフルエンザと診断されてから少なくとも2日間保護者の方は就寝中を含め、小児·未成年者を1人きりにさせないようにしてください。

イナビル吸入粉末剤の有効期間は10年です。

 

イナビルの名前の由来

イナビルの名前の由来は「1回吸入投与の1を「Ⅰ」とし、ノイラミニダーゼ(NA)阻害剤の「NA」に続き、ウイルスの「VIR」をあわせて」います。

インフルエンザウイルスが増えて細胞の外へ飛び出すときに必要なのが、ノイラミニダーゼという酵素です。

イナビル®は、インフルエンザウイルスの表面にあるノイラミニダーゼの働きを阻害し、ウイルスの増殖を防ぎます。

 

イナビル®の予防投与

イナビル®は、以下のような、特にインフルエンザの感染リスクが高い濃厚接触者の方に対しては、予防投与が可能です。

・インフルエンザ発症者の同居家族または共同生活者
・高齢者(65歳以上)
・慢性呼吸器疾患または慢性心疾患がある方
・糖尿病などの代謝性疾患がある方
・腎機能障害がある方

イナビル®の予防投与は保険が適用されないため、全額自費となります。

 

最後に

イナビル®は、日本でタミフル®と比較したデータでは、同等の効果が認められています。

欧米など海外では、あまり使われないようですが、数少ない抗インフルエンザ治療薬です。

できるだけ効果的に使いたいですね。 

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