こんにちは!
健康的な生活を目指す皆さんに、今回は特に気になる「脳梗塞・心筋梗塞」という二大疾患の予防について、最新の情報を基に、じっくりと解説していきます。
この二つの病気は、どちらも血管が詰まることで起きる、命に関わる深刻な病気です。
原因の多くは動脈硬化。
イメージです。
しかし、ご安心ください。動脈硬化は、日々の生活習慣によって進行を食い止めることができるのです。
カギは、「生活習慣病の徹底管理」と「血管に優しいライフスタイル」。
さあ、一緒に予防の具体的なステップを見ていきましょう!
最重要テーマ:3つの生活習慣病の「厳格な管理」
脳梗塞・心筋梗塞のリスクの約9割は、高血圧、糖尿病、脂質異常症という3つの生活習慣病に起因すると言われています。
この3つを適切に管理することが、予防の柱となります。
1. 血圧コントロールの徹底(最新の目標値を知る!)
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま血管にダメージを与え続けます。
最新の目標値
近年、降圧目標はより厳しくなる傾向にあります。
ことが推奨されています(日本高血圧学会など)。
家庭血圧測定の習慣化
病院で測る血圧だけでなく、
とされています。
毎朝晩、決まった時間に測る習慣をつけましょう。
2. 糖尿病・血糖値の適正化
血糖値が高い状態が続くと、血管の内皮細胞が傷つき、動脈硬化が一気に加速します。
HbA1cの目標
合併症や年齢に応じて異なりますが、多くの場合、
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の目標値は7.0%未満(合併症予防のためには6.5%未満)とされています。
食事・運動によるコントロール
まずは食後高血糖を防ぐための食事療法(後述)と、インスリンの効きを良くする運動療法が基本です。
3. 脂質の「質」と「量」の改善
動脈硬化の主犯格は、LDLコレステロール(悪玉)。
LDLコレステロールの目標
リスクの高さ(既往歴や合併症の有無)によって目標値が厳しく設定されます。例えば、
という非常に厳しい目標が推奨されています。
糖尿病などの合併症がある方も、これに近い厳格な管理が必要です。
注目すべき指標
LDLだけでなく、Non-HDLコレステロールや中性脂肪(TG)の管理も重要です。
特に中性脂肪は、青魚などに含まれるEPA/DHAの摂取や運動によって改善が期待できます。
予防の土台:血管が喜ぶ「食事革命」
薬物療法に頼る前に、あるいは薬物療法と並行して、日々の食事を見直すことが最も効果的な予防策です。
3つの「控えめ」
徹底的な減塩
塩分を摂りすぎると血圧が上がります。1日6g未満を目標にしましょう。
麺類の汁を残す、減塩調味料を使う、出汁や香辛料、レモン、酢などで風味を補う工夫が大切です。
飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の制限
肉の脂身、乳製品(バター、生クリームなど)、加工食品に含まれるこれらの脂質は、LDLコレステロールを増やします。
精製された糖質の制限
白米、白いパン、砂糖を多く含む飲料やお菓子は、血糖値を急激に上げ、
中性脂肪の増加にもつながります。全粒穀物(玄米、雑穀、全粒粉パンなど)に置き換えましょう。
3つの「積極的に」
青魚を摂る
サバ、イワシ、アジなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにし、中性脂肪を減らす効果があるとされています。
週に2~3回は積極的に食卓に取り入れましょう。
食物繊維を増やす
野菜、海藻、きのこ、豆類に豊富な食物繊維は、糖や脂質の吸収を穏やかにし、コレステロールの排出を促します。
毎食、野菜から食べる「ベジタブルファースト」を意識しましょう。
多価不飽和脂肪酸を選ぶ
肉よりも魚、バターよりもオリーブオイルやキャノーラ油、ナッツ類に含まれる良質な脂質を選びましょう。
血管を鍛える「運動習慣」
運動は、血圧を下げ、血糖値を改善し、善玉(HDL)コレステロールを増やす「万能薬」です。
有酸素運動が主役
心肺機能を高め、血管の内側(内皮)の働きを改善する有酸素運動が推奨されます。
目標
中強度(ややきついと感じる程度)の有酸素運動を、
週に合計150分以上(例えば、1回30分を週に5回)行うことが標準的な目標です。
具体的な例
速歩き(ウォーキング)、軽いジョギング、水泳、サイクリングなど。特にウォーキングは手軽でおすすめです。
筋力トレーニングの併用
有酸素運動に加えて、週に2~3回の筋力トレーニング(筋トレ)を併用すると、さらに効果的です。
筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、血糖値コントロールや体脂肪減少に役立ちます。
自宅でできるスクワットやプランクなどで十分です。
見過ごせない「その他のリスク管理」
生活習慣病や運動・食事だけでなく、見逃しがちなリスクにも目を向けましょう。
禁煙は絶対条件
喫煙は動脈硬化を加速させる最大の危険因子です。
タバコの煙に含まれる有害物質が血管の内壁を傷つけ、血栓をできやすくします。
禁煙は、今日からでも遅すぎることはありません。
適正体重の維持(内臓脂肪を減らす)
肥満、特に内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因となり、動脈硬化を促進します。
にしましょう。
食事と運動で内臓脂肪を減らすことが、全ての予防につながります。
質の高い睡眠の確保
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、夜間の低酸素状態や血圧上昇を引き起こし、脳梗塞・心筋梗塞のリスクを高めます。
いびきがひどい、昼間に強い眠気があるといった自覚がある場合は、専門医に相談しましょう。
また、適切な睡眠時間の確保(7〜8時間程度)も重要です。
こまめな水分補給
特に高齢者の方や夏場は、水分不足になると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。
食事以外に、意識してこまめに水分を補給しましょう。
ただし、腎臓病などで水分制限がある場合は医師の指示に従ってください。
まとめ:小さな一歩を継続する力
脳梗塞や心筋梗塞の予防は、劇的な変化を一気に起こすことよりも、「小さな良い習慣」を毎日継続することに尽きます。
最新の情報が示すのは、血圧、血糖、脂質の目標値を厳格に管理し、それを支える食生活と運動習慣を確立することの重要性です。
まずは、今日から「一駅歩いてみる」「お菓子の代わりにナッツを食べる」「寝る前に血圧を測る」など、
あなたにとって負担の少ない一歩から始めてみませんか?
あなたの血管と未来は、間違いなくその努力に報いてくれるはずです。
もしご自身の現在の数値(血圧、HbA1c、LDLなど)が気になるようでしたら、
最新の治療目標について、かかりつけの医師に相談してみることを強くお勧めします。
さあ、健康な未来への一歩を踏み出しましょう!
以上、ご参考になれば幸いです。


