心不全のチーム医療における薬剤師の役割について教えて
日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン「2021年JCS/JHFS ガイドラインフォーカスアップデート版 | 急性·慢性心不全診療」を参考にしています。
心不全のチーム医療
心不全は様々な心臓疾患の末期状態で、患者さまの日常生活に大きな影響を及ぼします。
心不全の方は多くの薬剤を服用する必要がありますが、気付かない飲み間違いや副作用、相互作用などの問題があります。
心不全の方は再入院を繰り返すことが多く、その予防や在宅医療の支援が重要です。
そこで、心不全のチーム医療が推奨されています。
心不全のチーム医療とは、医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフなどの多職種が協力して、患者さまの治療や生活の質の向上を目指す医療です。
チーム医療により、治療ガイドラインの遵守率や患者さまの満足度が高まります。
入退院の回数や期間が減少するという効果が報告されています。
薬剤師の役割
薬剤師は、チーム医療の一員として、以下のような役割を果たすことができます。
薬剤指導
患者さまやご家族に病態や薬剤の服用目的、副作用、服薬方法などを分かりやすく説明し、
服薬コンプライアンスの改善や自己管理能力の向上を促します。
薬剤指導用のパンフレットや一包化などの手段を活用します。
薬物療法の評価
患者さまの薬剤歴や生理機能、症状などを収集し、薬効や副作用の確認、併用薬との相互作用、処方設計の提案などを行います。
治療ガイドラインに沿った適切な薬物療法の実施や安全性の確保に貢献します 。
薬薬連携
病院薬剤師と調剤薬局薬剤師との連携を強化し、退院後も患者さまに対して服薬指導や在宅指導を継続します。
患者さまの体重、浮腫や血圧などの情報を共有し、状態悪化時には早期受診につなげます。
患者さまやご家族の不安を軽減し、在宅での生活をサポートします。
以上、心不全のチーム医療における薬剤師の役割についてまとめました。
理学療法士・作業療法士さんとの接点は通常あまりなく、このチームでは存在の大きさを実感できます。
今後、薬局薬剤師が退院後の服薬サポーターとして患者さまをケアする方向性は、十分あると考えています。