クラバモックス細粒は、小児用の抗生物質で、白色~帯黄白色の粉末ストロベリークリームのフレーバーが特徴です。
この味は多くの小児でも飲みやすいように設計されています。
クラバモックスの略語はAMPC/CVAで、アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの成分が含まれています。
これらの成分は、細菌の細胞壁合成を阻害し、β-ラクタマーゼという酵素を阻害することで、抗生物質の効果を高めます。
クラバモックス細粒について解説します。
小児の薬用量は体重によって異なり、通常は1日量96.4mg(力価)/kg
クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kgを
2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与します。
▼拡大して見てください▼
飲み方については、以下の手順をお勧めします。
分包品をトントンと机などにあて、粉を下に落とします。
飛散防止で分包品を勢いよく開封せず、はさみなどを使って静かに開封します。
袋をあけてコップの中に全ての薬を入れます。
飲める程度の水を入れ溶かして飲ませてください。
飛散性が高く、口腔内に付着しやすいため、懸濁して服用することが勧められています。
もし下痢などの副作用が続く場合は、服用を中止し、主治医に相談してください 。
安全に使用するためにも、処方された指示に従い、不明点があれば医師や薬剤師にご相談ください。
クラバモックス細粒を飲む際に注意点があります。
以下のポイントを守って安全に服用してください。
1. 食直前に服用
クラバモックスは食事の影響を受けやすいため、「食直前」に服用することが推奨されています。
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有しており、本剤1.01g中7mgのフェニルアラニンを含有します。
2. 水以外での服用について
クラバモックスは水に溶かして服用するのが基本ですが、
オレンジジュースやヨーグルト、チョコレートアイスクリームと混ぜても良いとされています。
ただし、りんごジュース、牛乳、乳酸菌飲料とは混ぜないようにしてください。
3. 湿気に注意
クラバモックス細粒は湿気に非常に弱いため、開封は使用直前に行い、湿気を避けて保管してください。
4. 副作用に注意
下痢や軟便などの副作用が出やすいため、異常を感じたら服用を中止し、医師に相談してください。
5. 保管方法などについて
シロップ状に調剤されたクラバモックスは冷蔵庫で保管し、使用期限内に使い切ってください。
これらの注意点を守りながら、処方された指示に従って服用してください。
クラバモックス細粒にはいくつかの短所があります。
以下に主なものを挙げます。
1. マイコプラズマへの効果が期待できない
クラバモックスはマイコプラズマには効果がありません。
マイコプラズマ感染症の場合は、他の系統の抗生物質や抗菌剤を処方してもらう必要があります。
マイコプラズマ感染症について参考資料↓
2. 耐性菌の問題
クラバモックスはβ-ラクタマーゼ産生菌に対して効果的ですが、耐性を持つ細菌も存在します。
グラム染色による分類は私の過去ブログを参考にしてください↓
3. 消化器症状の副作用
下痢や嘔吐などの消化器系の副作用が見られることがあります。
これは抗生物質が腸内の正常な細菌叢に影響を与えるためです。
4. 服用のタイミング
食後では吸収率が低下する可能性があります。
特に高脂肪食によりクラブラン酸のバイオアベイラビリティが顕著に低下します。
バイオアベイラビリティとは服用した薬物が全身循環に到達する割合をあらわす定数で、薬物が静脈内に投与される場合は、そのバイオアベイラビリティは100%になります。
これは服用のタイミングを考慮する必要があるため、短所と見なされます。
5. 牛乳やミルクとの併用が不可
クラバモックスは牛乳やミルクと混ぜて服用することは推奨されていません。
これらの短所を理解し、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
最後に
副作用が心配な場合や症状が現れた場合は、医師や薬剤師に相談してください。
また、抗生物質の使用に関して不明な点があれば、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
安全かつ効果的に治療を行うためにも、これらのポイントを忘れずに守ってくださいね。
クラバモックス細粒は、小児の皮膚感染症、リンバ節炎、急性気管支炎、扁桃炎、急性中耳炎、泌尿器感染症などでは汎用される抗菌薬です。
服薬に関する注意事項が多いため、ポイントを上手く説明することが大切ですね。
以上、ご参考になれば幸いです。