2024年薬局診療報酬改定における主な変更点を10選、変更内容も含めて簡潔にご説明します。
以下の情報は、最新の改定資料に基づいています。
1. 調剤基本料
改定前より3点増加し、薬局の基本的な業務評価が向上しました。
物価高に負けない「賃上げ」の実現を目指しています。
2. 調剤基本料2
特定の条件を満たす薬局に新たに適用されるようになり、対象範囲が拡大しました。
ひと月における処方護の受付回数が4,000回を超え、
かつ処方受付回数が多い上位3つの保険医療機関に係る処方による調剤の割合の合計が7割を超える薬局に対し、
新たに調剤基本料2が適用となります。
医療モール型と同様の環境である薬局について見直しが入ることになりました。
3. 特別調剤基本料A/B
敷地内薬局に関する要件が変更され、新たに2区分に分けられました。
5割以上の処方せんを同一敷地内の医療機関から受け付けている薬局 (いわゆる敷地内薬局) は特別調剤基本料 A の要件となり、
そのうち届出を提出していない 薬局については特別調剤基本料 B が適用となりました。
4. 特別調剤基本料-使用薬剤料
多剤調剤時の薬剤料が減額され、コスト効率が重視されるようになりました。
特別調剤基本料を算定している薬局では、7種類以上の多剤調剤時に薬剤料が1割減額されます。
5. 医療DX推進体制整備加算
デジタル化対応の整備を行っている薬局に加点される新たな要件が追加されました。
国の医療DX推進に伴い、オンライン資格確認や電子処方せん、
電子カルテ情報共有サービスなどを整備している薬局には加点されます。
点数は月1回で4点となります。
設備体制を整えるだけではなく、実績要件としてマ イナンバーカードの利用実績、
その他、薬局内での掲示やウェブサイトへの掲載(ホームページ等を有しない保険薬局は除外)など利用者への周知が求められています。
マイナンバーカードは、医療現場側での強力な利用勧奨が求められそうです。
6. 連携強化加算
新興感染症発生·まん延時に対応する体制整備の観点から、
2024年4月1日より施行される「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において協定指定医療機関が新設されます。
それに伴い今回の加算要件は、「第二種協定指定医療機関の指定」が施設基準として設けられ、
都道府県知事への届出ほかオンライン服薬指導などの構築が必要になってきます。
令和6年6月より新たな施設基準に基づき新規算定を行う場合、令和6年6月3日までに届出が必要です。
調剤基本料に5点加算されます。
「第二種協定指定医療機関の指定」については都道府県知事の承認が必要となります。
詳細は薬局所在地のホームページ等をご確認ください。
8. 地域支援体制加算
地域支援体制加算の変更は、共通して7点のマイナスになっています。
施設基準10項目の内容↓
「薬局間連携による医薬品の融通等」
「麻薬小売業者の免許」
「集中率85%超で後発品調剤割合70%以上」
「夜間・休日の調剤、在宅対応体制の周知」
「在宅薬剤管理の実績24回以上」
「かかりつけ薬剤師の届出」
「一般用医薬品及び要指導医薬品等(基本的な48薬効群)の販売」
「緊急避妊薬の取扱いを含む女性の健康に係る対応」
「当該保険薬局の敷地内における禁煙の取扱い」
「たばこの販売禁止(併設する医薬品店舗販売業の店舗を含む)」
対人業務を重視する傾向があります。
9. 在宅関連加算
新設され、在宅医療への対応が強化されました。
従来の在宅患者調剤加算は廃止されました。
加算は2区分に分かれ、「在宅薬学総合体制加算1」が15 点、「在宅薬学総合体制加算2」は50点となります。
10. 調剤後薬学管理指導料
調剤後薬剤管理指導加算は廃止され、独立した薬学管理料として設定されました。
糖尿病ではインスリン、SU剤以外に対象薬が拡大され、より多くの患者さまへの指導が可能になりました。
新たに慢性心不全の患者さまへのフォローアップが追加されました。
後発医薬品調剤体制加算
今回改定で、後発医薬品への置き換え率は変更ありません。
外来後発医薬品使用体制加算3
90%以上 30点
外来後発医薬品使用体制加算2
85%以上 28点
外来後発医薬品使用体制加算1
80 %以上 21点
特別調剤基本料 B においては算定不可となります。
これらの改定は、薬局の運営や薬剤師の業務に大きな影響を与えるものです。
改定の詳細については、公式の告示や専門家の解説を参照することをお勧めします。
これらの変更点は薬局のサービス向上や効率化に貢献することが期待されています。
今回の診療報酬改定に関する記事は難解すぎて、まとめることが困難でした。
これ以上噛み砕いて分かりやすくできないことをご了承ください。
行政発表の資料は詳密で、ミスリードがあるかもしれません。
現時点での内容なので、まだ変更などあると思います。
主に薬局に関わる薬剤師の皆様のために書いています。
会社、経営者、マネージャー、薬局長、管理薬剤師、一般薬剤師、事務職、テクニシャンなどそれぞれの立場で、関わり方は異なると思います。
地域の医薬品供給拠点としての役割を発揮するために、より良い変更であることを祈ります。
以上、ご参考になれば幸いです。