今回は、薬局薬剤師の未来について、私の経験に基づくお話をしたいと思います。
少し堅い文章になりますが、ご了承ください。
✔ポイントを4つにまとめます。
皆様、ご存知のように医療費は年々増加し、抑制することは国の大事な方針です。
調剤報酬の引き下げなどで、厳しい経営環境に直面しています。
大手チェーンや調剤併設ドラッグストアなどの再編、統合がすでに進んでいます。
一部の薬不足が深刻で、病院や各薬局で我先にとうばいあっています。
病院と薬局では、薬を融通しあう風潮はないです。金銭の受渡しが困ります。
異なる系列の薬局でも、薬在庫の助け合いは、簡単ではありません。
私の経験では、不足が予想される薬は、先に一定数大病院に流れる感じがあります。
これは、重症の入院の患者さまを多く受け持っている以上、やむを得ないと思います。
このような状況では、
中小薬局は経営利益が出にくい、一部薬が入手しにくいなどの理由で、廃業や大手への統合が進むと考えられます。
この傾向はすでに顕著ですが、
都市部や交通機関が発達している地域へ人口がながれている現状では、止められないと思います。
地方の薬科大学を卒業しても、就職は都市部になるという話はよく聞きます。
国の方針や薬局の経営状況の改善などを考えると、薬剤師でなくてもよい調剤業務は、
調剤補助スタッフ、事務スタッフ、登録販売者へシフトすることは、すでに進んでいます。
薬剤師はその専門性を活かした仕事、
服薬指導を含む投薬、残薬に基づく調剤管理、処方箋内容の妥当性の検討、重複・相互作用の有無の確認
その他、
麻薬処方ではペインコントロール、
抗がん剤ならば副作用モニター、
糖尿病治療薬ならばHbA1c管理や療養指導、
吸入薬では、適切な吸入指導など
上記内容について医療機関への情報提供
この辺の業務ができないと、薬剤師の必要性について国や医療機関などから、認知してもらえないと思います。
私が若い頃の30年位前は、薬剤師は調剤が速く正確であれば、人間性は問われない傾向でした。
そのため、一部キツイ、コワイ、でも薬の知識は今ひとつの薬剤師などが一定数いました。
時代は変わりました。今は、高い人間性が求められています。
患者さま、医師を含む周りの方と適切なコミュニケーションができる人材が必要です。
これは、持っている性格や環境などで大きく変わる要素でもあります。
少なくとも、仕事においては周りの方とコミュニケーションを積極的に行う努力が大切だと思います。
情報提供書が的確にできる文章能力が必要かもしれません。
✔最後に
今後、若い薬剤師の皆様が、より一層活躍できる未来予想図を書きました。
大切な航路です。
簡単な地図ではありません。
カーナビのように、導いてくれることもありません。
社会的ニーズや期待は高まっています。
第1話でもご紹介した
「臨機応変な対応に強い薬剤師になろう」
このテーマで締めくくりたいと思います。