▶【高額療養費負担額】の引き上げは、いつからどれくらい上がるの?

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【高額療養費負担額】の引き上げは、いつからどれくらい上がるの?

こんにちは。私たちの暮らしを支える医療のセーフティネット高額療養費制度」について、とても大きなニュースが入ってきましたね。

「医療費が高くなっても上限があるから大丈夫」という安心感が揺らぎかねないこの話題。

2025年12月に政府の全世代型社会保障構築会議などで具体的な方針が固まり、

いよいよ2026年から段階的に負担額が引き上げられることが確定的となってきました。

一度は「2025年8月から」という案もありましたが、

最新の情報では「2026年8月」から本格的な引き上げがスタートするスケジュールになっています。

今回は、この制度がいつから、どのくらい変わるのか、最新の情報を分かりやすく整理してお届けします。

 

高額療養費制度の「引き上げ」はなぜ行われるの?

まず、なぜ今この制度が変わるのか、その背景を少しだけお話しします。

一番の理由は、急速に進む少子高齢化と、医療技術の進歩に伴う医療費全体の増大です。

これまでは「年齢」によって負担額を分けている部分が大きかったのですが、

これからは「年齢に関わらず、支払い能力(所得)に応じて負担を分かち合おう」という考え方にシフトしていきます。

現役世代の保険料負担を抑え、制度を将来にわたって維持するための苦渋の決断といえるかもしれません。

 

【時期】いつから変わる?2段階のスケジュール

最新の決定事項によると、改正は大きく分けて2つのステップで進められます。

 

ステップ1:2026年8月から

まずは全体的な「上限額の底上げ」が始まります。

所得区分は今のまま、多くの世帯で月々の上限額が数千円から数万円アップします。

 

ステップ2:2027年8月から

ここが今回の改正の「本丸」です。

現在、所得区分は大きく5つに分かれていますが、これをさらに細かく(最終的には13区分程度まで)分けることになります。

これにより、年収が高い人ほど、より高い上限額を負担する仕組みへと完全に移行します。

 

【金額】どれくらい上がる?具体的な負担増のイメージ

さて、皆さんが一番気になるのは「結局、いくら払うことになるの?」という点ですよね。

所得別に、一般的なケースを想定して解説します。

 

標準的な所得層(年収370万円〜770万円程度)の方

現在、この層の多くの方は、1ヶ月の医療費上限が「約8万円(正確には8万100円+アルファ)」となっています。

これが2026年8月からは、まず月額8万5,800円程度へと引き上げられる見通しです。

さらに2027年8月以降の「細分化」が進むと、同じグループ内でも年収が高い方(例えば年収650万円以上の方など)は、

上限額が11万円を超えるケースも出てきます。

平均的な所得層であっても、月々数千円から、多い時には3万円近い負担増になる可能性があります。

 

高所得層(年収770万円以上〜)の方

今回の改正で最も大きな影響を受けるのが、この層の方々です。

現在、年収約1,160万円以上の方は月額25万円程度が上限ですが、

2027年以降はさらに細かく区分され、年収1,600万円を超えるような世帯では、上限額が40万円を超える設定も検討されています。

これまで以上に、いざという時の貯蓄や民間保険の役割が重要になりそうです。

 

低所得層(住民税非課税世帯など)の方

物価高騰の影響も考慮し、住民税非課税世帯などの負担増は最小限に抑えられます。

具体的には、

現在の上限額(2万4,600円〜3万5,400円程度)から、数百円から1,000円程度の微増にとどまる見込みです。

また、生活保護受給者などは据え置きとなる方針です。

 

救済措置として新設される「年間上限」に注目!

「毎月の負担が上がったら、長期入院している人はどうなるの?」と不安になりますよね。

そこで今回、新しく導入されるのが「年間上限」という仕組みです。

これまでも「多数回該当」といって、1年間に3回以上上限に達した場合は

4回目から安くなる仕組みがありましたが、それでも負担は重くなりがちでした。

新しい制度では、

月ごとの上限とは別に、1年間の合計負担額にも天井を設けます。

例えば、標準的な所得の方であれば、

年間で支払う医療費が累計53万円程度を超えないように調整される仕組みです。

これにより、数ヶ月から1年にわたるような大きな病気・ケガの際の「底なしの負担」は防げるよう配慮されています。

 

70歳以上の方への影響は?

70歳から74歳の方についても、現役世代と同様に所得に応じた見直しが行われます。

特に「外来特例」といって、通院だけの負担をさらに低く抑える制度がありましたが、ここにもメスが入ります。

一般所得層の通院上限額(現在1万8,000円)が、段階的に2万円程度へ引き上げられるほか、住民税非課税世帯についても数千円のアップが検討されています。

高齢者世帯にとっても、少しずつ「現役並み」の負担を求められる時代がやってきます。

 

まとめ:今からできる備え

今回の高額療養費制度の見直しは、多くの人にとって「実質的な値上げ」となります。

改めてポイントを整理すると以下の通りです。

  • 2026年8月から段階的に上限額が引き上げられる。
  • 2027年8月には年収区分が細かくなり、稼いでいる人ほど負担が増える。
  • 一般的な年収世帯でも、月額数千円〜3万円程度の負担増が予想される。
  • その代わり、1年間の支払総額に「年間上限」が新設される。

制度が変わるからといって、過度に恐れる必要はありません。

まずは「自分の所得区分なら、将来的に月いくらまで払う可能性があるのか」を把握しておくことが第一歩です。

その上で、足りない分を貯蓄でカバーするのか、民間の医療保険で備えるのかを、

2026年の改正前に家族で話し合ってみるのが良いかもしれませんね。

医療制度は常にアップデートされます。

今後も厚生労働省からの正式な発表に注目し、自分たちにできる準備を整えていきましょう!

以上、ご参考になれば幸いです。

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