▶お財布に優しい!コスパ最強のチェロ用ピックアップマイク選び 2025年版

チェロ
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お財布に優しい!コスパ最強のチェロ用ピックアップマイク選び 2025年版

チェロのピックアップマイクと聞くと、「DPA」や「Schertler」といったプロ仕様の高価なブランドが頭に浮かびがちですが、

趣味で演奏を楽しむ方や、初めてライブに挑戦する方にとって、初期投資はなるべく抑えたいものですよね。

「安価なマイクだと音質が心配…」「どれくらいの値段のものが実用的なの?」

という疑問にお答えするため、この記事では2万円以下を目安とした、

チェロ用ピックアップマイクの安価ながら実用的なおすすめモデルを、最新情報とともにお届けします。

 

安価なピックアップを選ぶ際の「心構え」

まず、安価なピックアップを選ぶ上で知っておくべき重要な心構えがあります。

 

1. 音質の「妥協点」を知る

格安ピックアップの多くは、チェロ本来の豊かな「箱鳴り」や「空気感」を完璧に捉えるのは難しいです。

特にピエゾ型は、駒の振動を直接拾うため、アコースティックな響きよりも、「弦の音」が強調され、やや硬質で電子的なサウンドになりがちです。

安価なモデルを選ぶ際は、「ライブ会場で音を確実にPAに乗せる」という実用的な目的を最優先に考えましょう。

 

2. 「プリアンプ」の併用は必須!

安価なピエゾピックアップは、単体で使うと音が細く、使い物にならないと感じることもあります。

しかし、

高品質なアコースティック楽器用プリアンプ(DI)を間に挟むだけで、劇的に音色と実用性が向上します。

プリアンプは、信号を適切なレベルに増幅し、ノイズを減らし、

そして何よりイコライザー(EQ)硬いピエゾの音色を丸く、豊かに補正する役割を果たします。

マイク本体だけでなく、プリアンプへの予算を組み込むことが、

安価なピックアップで良い音を出すための最大の鍵です。

 

予算別!安価で実用的なおすすめピックアップモデル

ここでは、具体的なモデルと、2025年現在の実売価格帯(参考)をご紹介します。

 

🥇 【定番・実用性ならこれ】Fishman C-100 Classic Series Cello Pickup

価格帯の目安:約28,000円〜33,000円(税込)

(※厳密には2万円を超えることが多いですが、この価格帯が「安価な定番モデル」の代表格です)

チェロ用ピックアップの世界で、非常に長く愛用されているのがFishmanのC-100です。

タイプ

ピエゾ・ピックアップ

特徴と魅力

駒の羽(ウィングスロット)に簡単に挟んで取り付けることができる特許取得済みのフローティングマウントシステムを採用しています。

楽器本体に一切加工が必要ないため、大切なチェロを傷つける心配がありません。

ハウリングにも非常に強く、大音量のバンド演奏などでも安心して使用できます。

音質について

ピエゾらしい芯のある音で、中域がしっかり出る傾向があります。

前述の通り、プリアンプ(例えば、同社のPlatinum Pro EQや、LR Baggs Venue D.I.など)で

低音域と音の太さを補正してあげると、グッと実用的なサウンドになります。

おすすめユーザー

とにかく手軽にライブやセッションで音を出したい初心者、

またはエレキサウンドに近い、アタック感の強い音を求める方。

 

🥈 【穴場!音質重視の選択肢】格安クリップ・オン・コンデンサーマイク + 専用クリップ

価格帯の目安:マイク本体 約8,000円〜15,000円 / クリップ 約2,000円〜5,000円

ピエゾ特有の硬い音がどうしても苦手、という方には、

「安価なコンデンサーマイク+チェロ用クリップ」の組み合わせをおすすめします。

マイクの例: JTS CX-516CLASSIC PRO GNM-1(楽器用ラベリアコンデンサーマイク)など。

クリップの例: CLASSIC PRO G-CLIP Cello(チェロ用クリップ)など。

特徴と魅力

ピエゾ型とは異なり、チェロの表面近くの「空気の振動」を拾うため、

ピエゾよりもはるかに自然でマイルドな音色が得られます。

マイクとクリップを別々に購入することで、大幅にコストを抑えられる場合があります。

注意点

コンデンサーマイクは、動作にファンタム電源(+48V)が必要です。

これはミキサーやプリアンプ側から供給する必要があります。

また、ピエゾ型に比べてハウリングには弱いため、ライブ会場ではミキサー担当者と相談しながら、慎重に音作りをする必要があります。

おすすめユーザー

生音に近い音色を重視し、PA操作やモニタリング環境にも多少慣れている方。

 

🥉 【超格安!実験用にも】ノーブランドのサウンドボード・トランスデューサー(ピエゾ)

価格帯の目安:約3,000円〜8,000円(税込)

Amazonや楽器店のウェブショップなどで見かける、「楽器用コンタクトピエゾ」や「サウンドボード・トランスデューサー」と表記されている、

両面テープなどで楽器本体に貼り付けるタイプの安価なセンサーです。

タイプ

ピエゾ・ピックアップ(貼付型)

特徴と魅力

とにかく安く、音を拾うという目的を達成できます。

楽器への加工は不要ですが、一時的な貼り付けとなるため、本番での安定性に不安が残る場合があります。

実用性

このタイプは音の傾向が非常にメーカーや貼り付け位置によって異なります。

プリアンプがなければ実用的な音を出すのは難しいと思ってください。

しかし、安価なので、複数の場所に貼って自分のチェロで最も響きの良い場所を探すなど、「実験」的に使ってみるのも面白いでしょう。

おすすめユーザー

予算を極限まで抑えたい方、電子楽器やエフェクトなどを試す際の「とりあえずの入力」が欲しい方。

 

安価なピックアップを「化けさせる」秘訣

安価なピックアップで演奏クオリティを上げるための、具体的なヒントをまとめます。

 

1. 質の良いプリアンプを選ぶ

しつこいようですが、安価なピックアップの性能を最大限に引き出すのはプリアンプです。

Fishman Platinum Pro EQRadial Tonebone PZ-Preなど、アコースティック楽器専用で定評のあるモデルを選ぶことで、

音の硬さを解消し、低音に温かみを持たせることができます。

 

2. EQ(イコライザー)を駆使する

チェロの音色を豊かにするポイントは、不要な中高域を削り、豊かな中低域をブーストすることです。

ピエゾ特有の「パチパチ」した音や弦をこする不快なノイズ(摩擦音)が目立つ場合は、

2kHz〜5kHz付近をカット(削る)してみましょう。

チェロらしい深みと温かみが足りない場合は、

150Hz〜300Hz付近をわずかにブーストしてみましょう。

3. 貼り付け位置を試す(コンタクト型の場合)

貼付型のピエゾセンサーを使う場合、駒の近く、テールピースの近く、F字孔の下の表板など、様々な場所に貼って、

最も好ましい音色になる場所を見つけましょう。

わずか数センチの違いで、劇的に音が変化することがあります。

安価なピックアップでも、使い方と工夫次第でライブでのパフォーマンスは十分に可能です。

まずはご自身の予算と演奏環境に合わせて、最も適した「実用的な選択肢」を選んでみてくださいね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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