▶スピジア点鼻薬の特徴、用法用量、使い方などを教えて!

心と体のケア
この記事は約4分で読めます。
スピジア点鼻薬の特徴、用法用量、使い方などを教えて!

こんにちは!

今回は、2025年に登場したてんかん治療の待望の新薬「スピジア点鼻液」について、その特徴から具体的な使い方まで、詳しく解説していきます。

この薬は、これまでの「てんかん重積状態」の治療における常識を大きく変える可能性を秘めた、非常に重要なレスキュー薬(緊急時に使う薬)です。

 

1. スピジア点鼻液とは?:その画期的な特徴

スピジア(一般名:ジアゼパム)は、てんかんの激しい発作(てんかん重積状態)が起きた際に、その発作を止めるために使用される点鼻薬です。

これまで、てんかん重積状態の治療といえば、病院での点滴(静脈内投与)や、家庭・屋外であれば坐剤(坐薬)の使用が一般的でした。

しかし、スピジアには以下の大きな特徴があります。

 

鼻にシュッとするだけの「経鼻投与」

最大の特徴は、鼻の粘膜から薬を吸収させる点です。

坐薬のように衣服を脱がせる必要がなく、外出先や公共の場でもプライバシーを守りながら、迅速に投与することが可能です。

 

医師以外でも投与が可能

スピジアは、医師や看護師だけでなく、あらかじめ指導を受けた保護者や家族、介護者などが「医療機関の外」で投与できるレスキュー薬として承認されています。

これにより、救急車が到着するまでの「空白の時間」に、その場で迅速な処置が行えるようになりました。

 

優れた速効性

鼻粘膜は血管が非常に豊富で、脳に近い場所です。そのため、投与後すみやかに成分が吸収され、脳に届くことで素早い効果が期待できます。

 

2. 適応と効果:どのような時に使うのか

スピジアが使われるのは「てんかん重積状態」です。

具体的には、発作が長く続いて止まらない場合や、発作が繰り返されて意識が戻らないといった緊急事態が対象となります。

医師から「こういう症状が出たら使ってください」と具体的に指示された場合にのみ使用する、いわばお守りのような役割を果たします。

 

3. 用法・用量:年齢と体重による違い

スピジアには、5mg、7.5mg、10mgの3種類の規格があります。

通常、2歳以上の小児および成人に使用されます。

 

投与量の目安

患者さんの年齢や体重によって、1回に投与する量が決まります。

  • 5mgを投与する場合:片方の鼻に1回(5mg製剤を1本)
  • 10mgを投与する場合:片方の鼻に1回(10mg製剤を1本)
  • 15mgを投与する場合:両方の鼻に分けて1回ずつ(7.5mg製剤を2本)
  • 20mgを投与する場合:両方の鼻に分けて1回ずつ(10mg製剤を2本)

注意点

1回の投与で発作が止まらない場合、

4時間以上の間隔をあければ2回目の投与を行うことが可能です。

ただし、

6歳未満のお子さんの場合は、1回の合計量が15mgを超えないように厳格に定められています。

4. 使い方のステップ:緊急時に迷わないために

スピジアは「1回使い切り」の使い捨てデバイスです。

空打ち(試し打ち)は絶対にしないでください。

 1. 準備

容器をアルミ袋から取り出します。この時、容器の先端(ノズル)には触れないようにしてください。

 2. 姿勢

患者さんを仰向けにするか、座った状態で頭を少し後ろに傾けます。

 3. 挿入

ノズルの先端を片方の鼻の穴に差し込みます。指をかける部分(プランジャー)にはまだ触れません。

 4. 噴霧

ノズルをしっかり差し込んだら、親指でプランジャーを一気に、カチッと音がするまで押し込みます。

 5. 確認

薬が噴霧されたことを確認し、容器を鼻から抜きます。

2本使う指示がある場合は、もう片方の鼻の穴でも同じ操作を繰り返します。

 

5. 使用後の対応:投与して終わりではありません

スピジアを使用したら、必ずその後の経過を観察し、救急搬送の手配など、事前に医師と決めておいた緊急対応を行ってください。

呼吸の確認

ジアゼパムという成分には、副作用として呼吸が弱くなる(呼吸抑制)可能性があります。

胸の動きや顔色を注意深く見てください。

10分ルール

投与後10分経っても発作が止まらない、あるいは意識が戻らない場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。

空容器の保管

使い終わった容器は捨てずに、駆けつけた救急隊員や医師に見せてください。

「いつ、何mg投与したか」を正確に伝えることが、その後のスムーズな治療につながります。

 

6. 保管上の注意:お守りを守るために

スピジアはデリケートな薬です。

常温保存

1℃〜30℃の室温で保管してください。

冷蔵・冷凍禁止

冷蔵庫に入れると成分が変化したり、噴霧器が故障したりする原因になります。

衝撃を避ける

落としたり強い衝撃を与えたりすると、いざという時に作動しない恐れがあります。

 

まとめ:新しい選択肢がもたらす安心感

スピジア点鼻液の登場は、てんかんと向き合う患者さんやそのご家族にとって、大きな安心材料となります。

場所を選ばず、誰でも迅速に投与できるこの薬は、日常生活の質(QOL)を大きく向上させる一助となるでしょう。

ただし、非常に強力な薬ですので、必ず主治医の指示を仰ぎ、適切なタイミングと方法で使用することが大切です。

この記事が、最新の医療情報を整理する一助となることを願います。

以上、ご参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました