▶ノベルジン錠(酢酸亜鉛)は、どんな人が飲むの?

薬剤師の皆様へ
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ノベルジン錠(酢酸亜鉛)は、どんな人が飲むの?

「ノベルジン錠(成分名:酢酸亜鉛)」について、2026年現在の最新情報を踏まえ、

どのような方が服用するお薬なのかを詳しく解説します。

 

亜鉛を補うエキスパート「ノベルジン錠」ってどんな薬?

私たちの体にとって、亜鉛はほんの微量ながらも欠かせない「必須ミネラル」です。

細胞の新陳代謝を助けたり、味覚を正常に保ったり、免疫力を維持したりと、その役割は多岐にわたります。

「ノベルジン錠」は、この亜鉛を効率よく体に補給するための処方薬です。

市販のサプリメントとは異なり、医師の診断のもとで特定の病気や症状を治療するために使われます。

では、具体的にどのような悩みを持つ方がこの薬を必要としているのでしょうか。

主な3つのケースを見ていきましょう。

 

1. 「低亜鉛血症」と診断された方

現在、ノベルジンが処方される最も一般的な理由が「低亜鉛血症」です。

血液中の亜鉛濃度が不足している状態で、以下のようなサインに心当たりがある方に処方されます。

味覚が変わってきたと感じる人

「何を食べても味が薄い」「砂を噛んでいるような感じがする」といった味覚障害は、亜鉛不足の代表的なサインです。

皮膚のトラブルが治りにくい人

原因不明の湿疹(亜鉛欠乏性皮膚炎)や、傷口の治りが遅い、

あるいは床ずれ(褥瘡)がなかなか改善しない場合に、細胞の再生を促す目的で使われます。

慢性的な病気を抱えている人

特に肝硬変などの肝疾患がある方は、亜鉛が体から失われやすく、不足しがちです。

また、透析治療を受けている方も、食事制限や透析の過程で亜鉛が不足しやすいため、

体調管理のためにノベルジンが重要な役割を果たします。

2026年の視点:高齢化社会と亜鉛

最新の知見では、高齢者の

「フレイル(虚弱)」や食欲低下の背景に、亜鉛不足が隠れているケースが多い

ことが注目されています。

単なる「老化のせい」と思っていた症状が、ノベルジンによる補充で劇的に改善することもあり、処方される機会が増えています。

 

2. 「ウィルソン病」という持病がある方

ノベルジンが開発された本来の目的は、この「ウィルソン病(肝レンズ核変性症)」という指定難病の治療でした。

これは、体内に「銅」が過剰に蓄積してしまう遺伝性の病気です。

銅が肝臓や脳に溜まることで、肝機能障害や手の震え、喋りにくさといった神経症状を引き起こします。

なぜ亜鉛を飲むの?

銅が溜まる病気なのに、なぜ亜鉛?」と不思議に思うかもしれません。実は、

亜鉛を摂取すると、腸管で銅の吸収をブロックするタンパク質が作られます。

これにより、

食事から入ってくる余分な銅が体に吸収されるのを防ぎ、症状の悪化を抑えることができるのです。

この病気の方にとって、ノベルジンは「生涯にわたって体内のバランスを整え続ける大切なパートナー」となります。

 

3. 成長期のお子さん(小児)

亜鉛は「成長のミネラル」とも呼ばれます。

成長障害があるお子さん

血液検査で亜鉛不足が確認され、身長の伸びが停滞している、

あるいは体重が増えないといった「低亜鉛血症に伴う成長障害」があるお子さんにも処方されます。

2026年現在は、従来の錠剤だけでなく、小さなお子さんでも飲みやすい「顆粒タイプ」などの選択肢も広まっており、

年齢や体重に合わせたきめ細やかな治療が行われています。

 

服用する際の「ちょっと大事なルール」

ノベルジンを飲むにあたって、知っておきたいポイントがいくつかあります。

特に「いつ飲むか」で効果や副作用が変わるのがこの薬の特徴です。

 

飲み分けのコツ

実は、病気によって飲み方が異なります。

低亜鉛血症の場合

胃への負担を減らすため、「食後」に飲むのが一般的です。

ウィルソン病の場合

銅の吸収を最大限に抑えるため、「空腹時(食前1時間以上前、または食後2時間以上あと)」に飲む必要があります。

 

気をつけたい副作用「銅欠乏」

亜鉛をたくさん摂りすぎると、今度は体に必要な「」まで不足してしまうことがあります。

が足りなくなると貧血白血球減少が起こるため、ノベルジンを飲んでいる間は、

定期的な血液検査で亜鉛と銅の両方のバランスをチェックすることが欠かせません。

また、飲み始めに「胃のむかつき」や「吐き気」を感じる方がいらっしゃいますが、多くの場合は体が慣れるか、服用タイミングの調整で改善します。

 

まとめ:あなたの健康を支える「微量のチカラ」

ノベルジン錠は、単なる栄養補助ではありません。

味覚を取り戻し、肌や傷を癒やし、難病と向き合い、子供たちの健やかな成長を支えるための「精密な治療薬」です。

もし、長引く味覚の違和感や皮膚のトラブル、あるいは持病の管理でこのお薬を提案されたなら、

それは体の中の微量なバランスを整えるための大切な一歩です。

自身の数値や体調の変化について、ぜひ主治医や薬剤師さんとコミュニケーションを取りながら、上手に付き合っていってくださいね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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