▶年金は何歳から貰うと得?気をつけることは?受給総額の損益分岐点は?

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年金は何歳から貰うと得?気をつけることは?受給総額の損益分岐点は?

年金は何歳から受け取ると得になるのか、受給総額の損益分岐点は何か、また受給時に気をつけるべきことについて詳しく解説します。

年金は人生の大きな資金源の一つであり、正しい受給タイミングを選ぶことが未来の生活を大きく左右します。

 

年金受給開始年齢

一般的な受給開始年齢

日本の公的年金制度では、老齢年金は原則として65歳から受給することができます。

65歳は多くの人が定年を迎える年でもあるため、就業生活の終了を見据えた選択として適した年齢とされています。

しかし、実際には受給開始の年齢は幅広く、60歳から75歳の間で個々のライフスタイルに応じて選ぶことが可能です。

繰上げ受給と繰下げ受給

年金受給の大きな特徴として、繰上げ受給と繰下げ受給の制度があります。

繰上げ受給

60歳から65歳の間に年金を早めに受け取ることができる選択肢です。

しかし、受給開始年齢が早まる分、年金の額は減額されます。

具体的には、60歳で繰上げ受給を選択した場合、月額が最大30%減少することになります。

繰下げ受給

66歳から75歳の間で年金受給を遅らせることも可能で、1年遅らせるごとに受給額が増える仕組みです。

受給開始時期を1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ年金額が増額されます。66歳から受給を始めた場合、受給額が8%増加します。

このため、長生きを考える方には、繰下げ受給が得策とされています。

 

受給開始年齢による影響

受給開始年齢によって、どの程度受け取ることができるのかを考えるためには、受給額の計算が必要です。

以下に、受給額のシミュレーションを示します。

受給額のシミュレーション

65歳受給開始

月額15万円で計算します。

60歳繰上げ受給

減額後、月額10.5万円(30%減)。

66歳繰下げ受給

増額後、月額16.2万円(8%増)。

これらを元に、各受給パターンで85歳時点での総受給額を算出してみます。

65歳受給開始

15万円 x 12ヶ月 x 20年 = 3,600万円

60歳繰上げ受給

10.5万円 x 12ヶ月 x 25年 = 3,150万円

66歳繰下げ受給

16.2万円 x 12ヶ月 x 19年 = 3,694万円

ここで注目すべきは、受給開始年齢によって総受給額が大きく異なる点です。

具体的には、繰下げ受給を選択することが最も多くの額を受け取る結果となりますが、これには長生きする前提が必要です。

 

受給総額の損益分岐点

受給開始時期によって得られる年金の総受給額が変わりますが、どの時点でどれだけの損益が出会うのか、つまり損益分岐点を知ることが重要です。

繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点

仮に65歳を基準にする場合、繰下げ受給が63歳または64歳での受給を超える点が損益分岐点と考えられます。

具体的には、万が一65歳での受給と66歳で受給した場合、各年齢によって受給額が異なるため、累計してどれだけの受取額が増加するかが分岐点になります。

例えば、65歳から受給を開始と、66歳から繰下げる場合

66歳で受給を開始する場合の総受給額が65歳から受給を続けた場合を上回るのが78歳頃とされています。

このため、自身の健康状態やライフプランを考慮すると、どの時点で繰上げ受給から繰下げ受給に切り替えるのが適当かが分かります。

 

気をつけるべきこと

年金を受給する際には、以下の点に留意する必要があります。

受給資格の確認

年金を受け取るためには、受給資格期間が必要です。

通常、老齢基礎年金を受給するためには最低10年間の資格が求められますので、自身の受給資格を確認することが重要です。

年金制度の変化

年金制度は今後も変更される可能性が高いため、最新情報を常に確認することが必要です。

政策の変更や社会情勢によって、支給額や受給開始年齢が変わってきます。

税金・社会保険料

年金には税金がかかりますので、受給後の生活設計に影響を与える要素をリサーチしておくべきです。

また、受給額による所得税や住民税、社会保険料の影響も考慮し、全体的な資金計画を立てる必要があります。

健康面でのリスク

繰下げ受給を選択した場合、自身の健康状態を常に見直すことが必要です。

長生きする可能性がない場合や、高齢による健康問題が発生したときに資金が不足する場合があります。

 

まとめ

年金の受給開始年齢を選択することは、老後の生活を大きく左右する重要な決断です。

繰上げ受給や繰下げ受給のメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分のライフプランに合った選択を行いましょう。

また、受給資格を確認し、税金や制度の変化にも注意を払いながら、長期的な視野で資金計画を立てていくことが必要です。

年金は未来の安定した生活を支える重要な要素であるため、しっかりと考えることが求められます。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

[老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額](https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-01.html)

[老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額 – 日本年金機構](https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html)

[いつから老齢年金が受給できるのか](https://www.pfa.or.jp/nenkin/nenkinkyufu/nenkinkyuufu03.html)

[[PDF] 支給開始年齢早見表](https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0426-7f-07.pdf)

[年金の受給開始年齢は何歳から?いつもらうとおトク?繰り上げ …](https://www.bk.mufg.jp/column/events/secondlife/b0025.html)

[厚生年金は何歳から受け取れる?加給年金とは?](https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1132.html)

[年金の受給開始年齢は自分で選択できる 後悔しない選択のポイント …](https://www.asahi.com/relife/article/15677911)

[50~60代の皆さんへ | いっしょに検証! 公的年金 – 厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/generation/50_60.html)

[年金はいつからいくらもらえる?支給額や受給開始時期について解説](https://www.sonylife.co.jp/media/manavi/34/)

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