▶高齢者が楽器演奏を続けると、どれくらい認知症を予防することができるの?

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高齢者が楽器演奏を続けると、どれくらい認知症を予防することができるの?

高齢者が楽器演奏を続けることが、どれほど認知症の予防に寄与するかについて、多くの研究が行われています。

ここでは、最新の研究成果をもとに、楽器演奏が高齢者の脳の健康や認知機能に与える影響を詳しく解説します。

 

楽器演奏と脳の健康

近年の研究では、楽器を演奏することが脳の健康に良好な影響を与えるとされています。

楽器演奏は脳の様々な部分を同時に使うため、同時に多くの作業を処理する「ワーキングメモリー」や「実行機能」が活性化されることが明らかになっています。

このような脳機能の活性化は、高齢者にとって特に重要で、認知症の発症を遅らせたり予防したりする効果が期待されています。

特に、ピアノや管楽器の演奏は、手先の器用さやリズム感を養うだけでなく、

音楽の理論や楽譜を読む能力など、全体的な認知機能を向上させることができると報告されています。

 

研究結果の具体例

京都大学の研究

京都大学の研究チームは、健常な高齢者を対象に4ヶ月間の楽器練習を行い、その後の認知機能を評価しました。

この研究では、楽器演奏を実施したグループが、演奏を行わなかったグループに比べて、認知機能が向上したとされ、楽器演奏が脳に与えるプラスの効果が確認されました。

エクセター大学の研究

英エクセター大学による最新の研究では、楽器演奏と高齢者の脳の健康との間に密接な関連があることが示されました。

この研究では、楽器演奏を継続している高齢者の脳がより健康であることが確認され、彼らの精神的な健康状態も良好であることが報告されています。

音楽セッションの効果

音楽がもたらす効果に関する研究では、グループで行う音楽セッションが、認知症の予防に寄与する可能性が指摘されています。

特に音楽活動を通じて、他者とのコミュニケーションや社会的交流が促進され、これが精神的な健康や認知機能の維持に重要な役割を果たしています。

 

認知症予防に向けた具体的なエビデンス

楽器演奏が認知機能や脳の健康に与える影響を検証するエビデンスは数多く存在します。具体的には以下のような効果があります。

1. 脳の活動を活性化

楽器演奏は、視覚、聴覚、運動の3つの異なる感覚を同時に使います。このため、脳が活性化され、認知機能がより効果的に働くようになるとされています。

2. ストレスの軽減

音楽はリラクゼーションを促し、ストレスを軽減させる効果があります。ストレスが少ない状態は、認知症予防において重要です。

3. 社会的つながりの強化

グループで行う音楽活動は、交流を促進し、孤独感を軽減するため、心理的な健康を保つのに寄与します。

これは、認知症のリスクを下げる一因と考えられています。

4. 記憶力の向上

楽器演奏を通じて、楽譜を覚えることや演奏技術の向上が求められ、これが記憶力の訓練となるとされています。

特に、定期的に演奏を続けることが脳の柔軟性を保つのに役立つとされています。

 

実践的なアドバイス

高齢者が楽器演奏を通じて認知症予防を行うためには、一貫性が必要です。

以下に、より効果的に楽器演奏を活用するためのポイントを示します。

毎日の練習

定期的な練習を取り入れることで、脳に良い刺激を与え続けることができます。1日に15分から30分の時間を作ると良いでしょう。

多様な音楽ジャンルを探る

自分の好きな音楽だけでなく、新しいジャンルに挑戦してみることで、耳や脳の活動が刺激されます。

社会的活動を取り入れる

音楽教室に参加したり、友人と一緒に演奏する機会を増やすことで、さらに充実した音楽活動が可能になります。

楽しむことを重視

最も大事なのは「楽しむこと」です。楽器演奏がストレスなく楽しめるものでなければ、効果が減少します。

自分に合ったペースやスタイルで続けることが重要です。

 

まとめ

高齢者が楽器演奏を続けることは、認知症予防に対して非常に効果的なアプローチとなり得ます。

最新の研究からも明らかなように、楽器演奏は脳の機能を向上させ、ストレスを軽減し、社会的なつながりを深める効果をもたらします。

楽器演奏を楽しむことで、高齢者は認知症のリスクを軽減しつつ、心身ともに充実した生活を送ることができるでしょう。

音楽を通じて明るい未来を築きましょう。

 

最後に

チェロを還暦前に再開して、7カ月が経ちました。

今は、もっとうまくなりたいと休日練習に励んでいます。演奏会が続くので目標を持って取り組めます。

これでもし認知症が予防できれば最高ですね。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

[継続は力:高齢期に始めた楽器練習の効果―4年の追跡 … – 京都大学](https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-06-30)

[「楽器の演奏」「人とのおしゃべり」はさほど効果なく登山は逆効果 …](https://president.jp/articles/-/86083?page=1)

[音楽セッションが脳と心の健康に与える効果を検証 グ…](https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/03/press20250312-01-music.html)

[認知症の治療における音楽療法とは – 朝日生命](https://anshinkaigo.asahi-life.co.jp/activity/ninchisho/column13/07/)

[楽器を演奏する高齢者は「脳が健康」 最新の研究で明らかに](https://forbesjapan.com/articles/detail/68828)

[音楽療法が認知症の症状を改善する?エビデンスを基に効果や注意点](https://cog-selfcheck.jp/column/n4/)

[楽器演奏が脳と体にいい理由とその効果【高齢者にもお勧め】](https://edyclassic.com/5006/)

[生涯を通した楽器の演奏は脳の健康に有益 – ケアネット](https://www.carenet.com/news/general/hdn/58032)

[認知症予防&脳トレに!ピアノがシニア世代にもたらすメリット](https://www.phonim.com/post/5-merits-of-piano-lesson-for-senior)

[音楽セッションが脳と心の健康に与える効果を検証 〜グループでの …](https://www.idac.tohoku.ac.jp/site_ja/news/21638)

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