ボシュリフ錠(成分名:ボスチニブ)は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するための新しい抗がん剤です。
この薬は、BCR-ABLチロシンキナーゼという異常な酵素の働きを特異的に阻害することにより、白血病細胞の異常増殖を抑える作用を持っています。
以下では、ボシュリフ錠の特徴、用法用量、副作用について詳しく解説します。
ボシュリフ錠の特徴
1. 分子標的治療薬
ボシュリフは、分子標的薬の一つであり、特にCMLに特異的に作用することが特徴です。
この薬はBCR-ABLチロシンキナーゼの下流にも作用しており、白血病の進行を効果的に抑えます。
2. 作用機序
ボシュリフは、BCR-ABLチロシンキナーゼに競合的に結合し、その活性を阻害します。
これにより、正常な細胞への影響を最小限に抑えつつ、白血病細胞の増殖を抑えることが可能になります。
3. 治療対象
主に初発の慢性期CMLの患者に使用されますが、従来の治療に抵抗性を示す患者にも効果が期待されています。
持続的な治療により、長期的な寛解が得られることがあります。
用法用量
ボシュリフ錠の標準的な用法用量は以下の通りです。
成人の場合
通常、1日1回500mgを食後に経口投与します。
ただし、初発の慢性期CMLの場合は、初期投与量として400mgが推奨されます。
服用方法
錠剤は水で飲み込むことが推奨されています。
食事の影響を受けることがあるため、空腹時や大量の脂肪分を含む食事とは避けることが望ましいです。
中止や調整の基準
副作用の発現
特に血液に関連する副作用(例えば、白血球減少や血小板減少等)が見られた場合には、用量の調整や一時的な中止が考慮されます。
肝機能障害
肝機能障害がある患者の場合、ボシュリフの投与量を減少させることがあります。
副作用
ボシュリフ錠は、効果が期待される一方で、いくつかの副作用もあります。
以下に、主な副作用を示します。
1. 血液障害
白血球減少:感染症のリスクが増加する可能性があります。
貧血:疲労感や息切れを引き起こすことがあります。
血小板減少:出血傾向が見られることがあります。
2. 消化器症状
下痢:食事により悪化することがあるため、対策が必要です。
吐き気・嘔吐:吐き気がひどい場合は医師に相談することが勧められます。
3. 肝機能障害
肝機能に影響を及ぼす場合があります。定期的な肝機能検査が必須です。
4. 皮膚症状
発疹やかゆみなどが見られることがあります。
5. その他
疲労感:治療中は体のだるさが増すことがあります。
各副作用は個々の患者によって異なるため、治療中は主治医とよく相談することが重要です。
また、重大な副作用が認められた場合には、すぐに投与を中止し、適切な対処を行うことが必要です。
まとめ
ボシュリフ錠は、CMLの治療において非常に重要な役割を果たしている薬剤です。
その分子標的治療の特性により、患者にとって副作用を抑えつつ有効な治療手段となります。
しかし、使用に際しては副作用や用法・用量に十分気を配る必要があります。
意図的なフォローアップや医師への相談を怠らず、慎重な治療を進めることが大切です。
ボシュリフが適応される条件や具体的な治療経過については、信頼できる医療機関でじっくりと相談することをお勧めします。
患者さんの治療に関する情報は日々更新されており、最新の研究成果に基づいたアドバイスを受けることで、より良い治療結果が期待できます。
以上、ご参考になれば幸いです。
参考資料
[【血液専門医が解説】ボシュリフ(ボスチニブ)の効果と副作用](https://ueno-okachimachi-cocoromi-cl.jp/knowledge/bosutinib/)
[ボシュリフ錠100mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)](https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/42/4291036F1028.html)
[ボシュリフ – ボスチニブ](http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se42/se4291036.html)
[ボシュリフ(ボスチニブ)の作用機序・副作用【CML】 – パスメド](https://passmed.co.jp/di/archives/598)
[ボシュリフ錠100mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ … – QLife](https://www.qlife.jp/meds/rx40180.html)
[[PDF] ボシュリフ錠100mg – Pfizer](https://labeling.pfizer.com/ShowLabeling.aspx?id=21399)
[ボスチニブ水和物(ボシュリフ ®錠100 mg)の 薬理学的特徴および …](https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/147/5/147_311/_pdf)
[ボシュリフ(ボスチニブ) | がん情報サイト「オンコロ」](https://oncolo.jp/drugs/bosulif)
[ボシュリフ:従来薬抵抗性の慢性骨髄性白血病患者に有効](https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201410/539080.html)