▶リウマチでプレドニンを服用中、どうして予防抗菌薬はバクタなの?

薬剤師の皆様へ
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リウマチでプレドニン®を服用中、どうして予防抗菌薬はバクタ®(ST合剤)なの?

リウマチの治療において、プレドニン®(プレドニゾロン)は抗炎症作用が強力なことから多くの患者に処方されます。

しかし、プレドニン®の使用には副作用が伴うことが多く、特に免疫系に対する影響が大きいため、感染症のリスクが高まります。

このような状況下で、抗菌薬であるバクタ®ダイフェン®(ST合剤)が予防的に使用される理由について掘り下げてみましょう。

 

プレドニン®の作用と副作用

プレドニン®は、ステロイド系薬剤で、主に炎症を抑える目的で使用されます。

リウマチの患者さまにおいては、関節の腫れや痛みを軽減するために多く使用されますが、

その一方で、体の免疫機能を抑制する効果もあります。

これにより、細菌感染症やニューモシスチス肺炎(PCP)という真菌感染症にかかりやすくなることが懸念されます。

具体的には、プレドニン®は以下のような副作用を引き起こします。

免疫抑制

外部からの感染に対する抵抗力が低下します。

内分泌異常

長期的な使用ではホルモンバランスが崩れることがあります。

消化器系の問題

胃腸に対する影響で、胃潰瘍や感染症のリスクが上昇します。

このように、プレドニン®の使用は必要不可欠であるものの、感染症のリスクも高まるため、適切な予防策が求められます。

 

バクタ(ST合剤)の役割

バクタ®、ダイフェン®は、スルファメトキサゾールとトリメトプリム(ST合剤)からなる抗菌薬で、

特にニューモシスチス肺炎(PCP)の予防に用いられます。何故バクタ®やダイフェン®が選ばれるのでしょうか?

1. 感染防止の効果

特に免疫が抑制されている患者において、PCPは重大な感染症であり、これを予防するために非常に有効です。

リウマチ患者では、感染症が発生する確率が通常よりも高く、特にプレドニン®の使用が6mg/日以上の場合は、そのリスクが顕著に上昇します。

2. 安全性

バクタ®、ダイフェン®は比較的安全な薬剤で、治療に利用される一方で、予防的にも使用できることが知られています。

確立されたデータに基づいて、リウマチの患者さまにおいても安全に使用できるとされます。

3. 幅広い効果

バクタ®、ダイフェン®は、軽度から中程度の呼吸器感染泌尿器感染など、様々な感染症に対して効果があります。

このため、リウマチの患者さまにおいては、複数の感染症に対して予防的に機能する点も魅力です。

 

リウマチと感染症リスク

リウマチの患者さまは、疾病そのものの進行や治療によって、特定の感染症に対するリスクが顕著に増加します。

ニューモシスチス肺炎

これは特に再発リスクが高い感染症であり、HIV患者に見られるような重篤な肺炎を引き起こします。

リウマチの患者さまにおいても、プレドニン®の使用が急性の感染症リスクを高める要因とされています。

 

最新の研究とガイドライン

最新の医療ガイドラインでは、リウマチの患者さまに対するステロイド治療中のバクタ®、ダイフェン®の使用が推奨されています。

これは、数件の研究において、リウマチ性疾患に伴う合併症としての肺炎や細菌感染の予防に対する効果が示されています。

特に、日本のリウマチ治療に関する研究では、プレドニン®を使用する患者に対する感染予防のためのバクタ®、ダイフェン®の投与が重要視されています。

これにより、治療の安全性と効果を高めることが期待されています。

 

まとめ

リウマチの患者さまがプレドニン®を服用する際、バクタ®、ダイフェン®を予防的に使用することには明確な理由があります。

主に、リウマチの治療においてプレドニン®の免疫抑制効果によって、感染症リスクが増加するため、

バクタ®ダイフェン®はそのリスクに対抗するための強力な武器となります。

今後も、こうした治療法の改善とともに、リウマチの患者さまに対する感染症予防策の整備が進むことが期待されています。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

[治療・薬について|リウマチQ&A](https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/faq-list/therapy/)

[ステロイド治療とPCP(Pneumocystis pneumonia)の予防 …](https://www.yumino-medical.com/yumino/2021/03/001398.html)

[リウマチ科 薬物療法について](https://www.takedahp.or.jp/jujo/consultation/introduction/rheumatism_c4_3.html)

[膠原病・リウマチ内科|全身性エリテマトーデス](https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/disease/disease02.html)

[「こわくない!!ステロイド治療」 – みどり病院 | 神戸市](https://midori-hp.or.jp/pharmacy-blog/web19_4_3)

[リウマチ治療法:日経DI](https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/digital/201512/544900.html)

[PCP予防のための低用量ST合剤の有効性および安全 …](http://showa-u-rheum.com/2021/06/4058/)

[1.ステロイドをいかに使うか 膠原病・リウマチ性疾患診療のより …](https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/10/98_2486/_pdf)

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