▶【心筋梗塞、脳梗塞】にならない!最新エビデンスに基づく注意ポイント

心と体のケア
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【心筋梗塞、脳梗塞にならない!最新エビデンスに基づく注意ポイント

こんにちは!

健康的な生活を目指す皆さんに、今回は特に気になる「脳梗塞・心筋梗塞」という二大疾患の予防について、最新の情報を基に、じっくりと解説していきます。

この二つの病気は、どちらも血管が詰まることで起きる、命に関わる深刻な病気です。

原因の多くは動脈硬化。

ドロドロになった血液や、弾力を失いボロボロになった血管に、ある日突然、血栓(血の塊)がフタをしてしまう

メージです。

しかし、ご安心ください。動脈硬化は、日々の生活習慣によって進行を食い止めることができるのです。

カギは、「生活習慣病の徹底管理」と「血管に優しいライフスタイル」。

さあ、一緒に予防の具体的なステップを見ていきましょう!

 

最重要テーマ:3つの生活習慣病の「厳格な管理」

脳梗塞・心筋梗塞のリスクの約9割は、高血圧、糖尿病、脂質異常症という3つの生活習慣病に起因すると言われています。

この3つを適切に管理することが、予防の柱となります。

 

1. 血圧コントロールの徹底(最新の目標値を知る!)

高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま血管にダメージを与え続けます。

最新の目標値

近年、降圧目標はより厳しくなる傾向にあります。

特別な合併症がない場合、家庭血圧で125/75mmHg未満、
診察室血圧で130/80mmHg未満を目指す

ことが推奨されています(日本高血圧学会など)。

家庭血圧測定の習慣化

病院で測る血圧だけでなく、

自宅でリラックスした状態で測る「家庭血圧」が、より正確なリスクを反映する

とされています。

毎朝晩、決まった時間に測る習慣をつけましょう。

 

2. 糖尿病・血糖値の適正化

血糖値が高い状態が続くと、血管の内皮細胞が傷つき、動脈硬化が一気に加速します。

HbA1cの目標

合併症や年齢に応じて異なりますが、多くの場合、

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の目標値は7.0%未満(合併症予防のためには6.5%未満)とされています。

食事・運動によるコントロール

まずは食後高血糖を防ぐための食事療法(後述)と、インスリンの効きを良くする運動療法が基本です。

 

3. 脂質の「質」と「量」の改善

動脈硬化の主犯格は、LDLコレステロール(悪玉)

このLDLが酸化して血管壁に溜まることで、プラーク(コブ)が形成されます。

LDLコレステロールの目標

リスクの高さ(既往歴や合併症の有無)によって目標値が厳しく設定されます。例えば、

心筋梗塞や脳梗塞の既往がある方(二次予防)は、70mg/dL未満

という非常に厳しい目標が推奨されています。

糖尿病などの合併症がある方も、これに近い厳格な管理が必要です。

注目すべき指標

LDLだけでなく、Non-HDLコレステロールや中性脂肪(TG)の管理も重要です。

特に中性脂肪は、青魚などに含まれるEPA/DHAの摂取や運動によって改善が期待できます。

予防の土台:血管が喜ぶ「食事革命」

薬物療法に頼る前に、あるいは薬物療法と並行して、日々の食事を見直すことが最も効果的な予防策です。

 

3つの「控えめ」

徹底的な減塩

塩分を摂りすぎると血圧が上がります。1日6g未満を目標にしましょう。

麺類の汁を残す、減塩調味料を使う、出汁や香辛料、レモン、酢などで風味を補う工夫が大切です。

飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の制限

肉の脂身、乳製品(バター、生クリームなど)、加工食品に含まれるこれらの脂質は、LDLコレステロールを増やします。

精製された糖質の制限

白米、白いパン、砂糖を多く含む飲料やお菓子は、血糖値を急激に上げ、

中性脂肪の増加にもつながります。全粒穀物(玄米、雑穀、全粒粉パンなど)に置き換えましょう。

 

3つの「積極的に」

 青魚を摂る

サバ、イワシ、アジなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにし、中性脂肪を減らす効果があるとされています。

週に2~3回は積極的に食卓に取り入れましょう。

食物繊維を増やす

野菜、海藻、きのこ、豆類に豊富な食物繊維は、糖や脂質の吸収を穏やかにし、コレステロールの排出を促します。

毎食、野菜から食べる「ベジタブルファースト」を意識しましょう。

多価不飽和脂肪酸を選ぶ

肉よりも、バターよりもオリーブオイルキャノーラ油ナッツ類に含まれる良質な脂質を選びましょう。

 

血管を鍛える「運動習慣」

運動は、血圧を下げ、血糖値を改善し、善玉(HDL)コレステロールを増やす「万能薬」です。

 

有酸素運動が主役

心肺機能を高め、血管の内側(内皮)の働きを改善する有酸素運動が推奨されます。

 目標

中強度(ややきついと感じる程度)の有酸素運動を、

週に合計150分以上(例えば、1回30分を週に5回)行うことが標準的な目標です。

具体的な例

速歩き(ウォーキング)、軽いジョギング、水泳、サイクリングなど。特にウォーキングは手軽でおすすめです。

背筋を伸ばし、大股で、少し息が弾む程度のペースを意識しましょう。

 

筋力トレーニングの併用

有酸素運動に加えて、週に2~3回の筋力トレーニング(筋トレ)を併用すると、さらに効果的です。

筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、血糖値コントロールや体脂肪減少に役立ちます。

自宅でできるスクワットプランクなどで十分です。

 

見過ごせない「その他のリスク管理」

生活習慣病や運動・食事だけでなく、見逃しがちなリスクにも目を向けましょう。

 

禁煙は絶対条件

喫煙は動脈硬化を加速させる最大の危険因子です。

タバコの煙に含まれる有害物質が血管の内壁を傷つけ、血栓をできやすくします。

禁煙は、今日からでも遅すぎることはありません。

完全な禁煙こそが、脳梗塞・心筋梗塞予防における「究極の予防薬」です。

適正体重の維持(内臓脂肪を減らす)

肥満、特に内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因となり、動脈硬化を促進します。

BMI 25未満(できれば22前後)を目指し、腹囲も男性85cm未満、女性90cm未満を目標

にしましょう。

食事と運動で内臓脂肪を減らすことが、全ての予防につながります。

 

質の高い睡眠の確保

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、夜間の低酸素状態や血圧上昇を引き起こし、脳梗塞・心筋梗塞のリスクを高めます。

いびきがひどい、昼間に強い眠気があるといった自覚がある場合は、専門医に相談しましょう。

また、適切な睡眠時間の確保(7〜8時間程度)も重要です。

 

こまめな水分補給

特に高齢者の方や夏場は、水分不足になると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。

食事以外に、意識してこまめに水分を補給しましょう。

ただし、腎臓病などで水分制限がある場合は医師の指示に従ってください。

 

 まとめ:小さな一歩を継続する力

脳梗塞や心筋梗塞の予防は、劇的な変化を一気に起こすことよりも、「小さな良い習慣」を毎日継続することに尽きます。

最新の情報が示すのは、血圧、血糖、脂質の目標値を厳格に管理し、それを支える食生活運動習慣を確立することの重要性です。

まずは、今日から「一駅歩いてみる」「お菓子の代わりにナッツを食べる」「寝る前に血圧を測る」など、

あなたにとって負担の少ない一歩から始めてみませんか?

あなたの血管と未来は、間違いなくその努力に報いてくれるはずです。

もしご自身の現在の数値(血圧、HbA1c、LDLなど)が気になるようでしたら、

最新の治療目標について、かかりつけの医師に相談してみることを強くお勧めします。

さあ、健康な未来への一歩を踏み出しましょう!

以上、ご参考になれば幸いです。

 

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