こんにちは!
今日は、メンタルヘルスの治療現場で今、非常に注目を集めているレキサルティ錠(一般名:ブレクスピプラゾール)について詳しくお話しします。
レキサルティは、日本が生んだ世界的ヒット薬「エビリファイ」を進化させたような存在として登場しました。
2025年現在、その適応範囲は統合失調症だけでなく、
うつ病や認知症に伴う症状へと広がり、治療の選択肢を大きく広げています。
「副作用が少なそうだけど、実際はどうなの?」「どうやって飲むのが正解?」といった疑問に、最新の情報を交えてお答えします。
1. レキサルティの正体:エビリファイの「進化系」と言われる理由
レキサルティは、SDAM(セロトニン・ドパミン・アクティビティ・モデュレーター)と呼ばれる新しいタイプの薬です。
ドパミンを「ちょうどよく」調整する
私たちの脳内で、ドパミンが過剰になると「幻覚や妄想」が起き、
不足すると「意欲低下や気分の落ち込み」が起きます。
レキサルティは、ドパミンが多すぎるときは抑え、足りないときは補うという、
まさに「調律師」のような働きをします。
エビリファイとの最大の違い
先輩格のエビリファイと比べて、レキサルティは
さらに、セロトニン受容体への働きかけが強化されており、
うつ症状や認知機能の改善にもより期待が持てる設計になっています。
2. 幅広くなった適応症と最新の用法・用量
2025年現在、レキサルティは以下の3つの柱で活用されています。
それぞれ飲み方が異なるため、自分のケースを確認してみましょう。
統合失調症の場合
開始用量
1日1回1mgからスタート。
維持量
4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2mgを服用するのが標準的です。
特徴
幻覚や妄想などの激しい症状(陽性症状)だけでなく、
やる気が出ない、感情がわかないといった症状(陰性症状)の改善も目指します。
うつ病・うつ状態(既存治療で効果不十分な場合)
用量
通常、1日1回1mgを服用します。
役割
抗うつ薬を飲んでも十分に改善しないときに、
その効果を「ブースト(増強)」させるために併用されます。
ポイント
忍容性(副作用の耐えやすさ)を見ながら、最大2mgまで増量されることもあります。
アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感など
最新ニュース
2024年9月に日本でも適応追加の承認を取得しました。
用量
1日1回0.5mgから開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgへ増量。効果不十分な場合は2mgまで。
目的
認知症に伴う「イライラ、大声、攻撃的言動」などを穏やかにするために使われます。
3. 知っておきたい副作用:メリットと注意点のバランス
レキサルティは、従来の抗精神病薬に比べて副作用がマイルドであると言われています。
特に、手の震えや体のこわばりといった「錐体外路症状」が少ないのがメリットです。
しかし、ゼロではありません。
特によく見られる副作用
アカシジア(静坐不能)
「足がむずむずする」「じっとしていられない」「歩き回りたくなる」といった不快感です。
エビリファイより少ないとはいえ、数%の方に現れます。
体重増加
他の薬に比べればマイルドですが、食欲が増すことがあります。
傾眠(眠気)と不眠
飲むタイミングや体質によって、眠くなる人と目が冴えてしまう人がいます。
重大な副作用(稀ですが重要です)
高血糖・糖尿病
急激な口の渇きや多尿、頻尿が出た場合は注意が必要です。
悪性症候群
高熱や体の硬直。
遅発性ジスキネジア
舌を出し入れしたり、口をもぐもぐさせたりする勝手な動き。
最新の注意
レキサルティ服用中は、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事しないよう、添付文書で注意喚起されています。
眠気だけでなく、注意力の低下が起こる可能性があるためです。
4. エビデンスに基づいた最新の評価
近年の臨床試験やリアルワールドデータ(実際の処方データ)では、
レキサルティの「続けやすさ」が高く評価されています。
多くの精神科薬が「副作用がつらくて中断してしまう」という課題を抱える中で、
レキサルティは副作用による中止率が比較的低いというデータがあります。
また、欧州では2025年に「13歳から17歳の青年期における統合失調症」への適応も拡大されるなど、
若い世代から高齢者まで幅広く使える安全性と有効性のエビデンスが蓄積されています。
5. まとめ:自分に合った「調整」が成功のカギ
レキサルティは、脳内の環境をスマートに整えてくれる、非常に洗練されたお薬です。
「しっかり効かせたいけれど、副作用は最小限にしたい」という現代のメンタルヘルス治療のニーズに合致しています。
もし服用中に「そわそわして落ち着かない」と感じたり、
逆に「日中の眠気が強すぎる」と感じたりした場合は、
決して自己判断で中止せず、まずは主治医に相談してください。
飲む時間を変えたり、量をわずかに調整したりするだけで、
驚くほど快適に続けられるようになることが多いのも、この薬の特徴です。
以上、ご参考になれば幸いです。

