▶【ベストロン点眼液0.5%】は粉と液を混合後、どうして1週間しかもたないの?

眼科・点眼液
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【ベストロン点眼液0.5%は粉と液を混合後、どうして1週間しかもたないの?

眼科で処方される「ベストロン点眼液0.5%」。

使う直前に粉と液を混ぜる、ちょっと特殊な点眼薬ですよね。

薬剤師さんから

「混ぜたら遮光袋に入れて冷蔵庫保管で、1週間で捨ててくださいね」

と言われて、

えっ、まだたっぷり残っているのにもったいない……」「どうしてそんなに短いの?」と疑問に思ったことはありませんか?

今回は、ベストロン点眼液がなぜ「1週間」という短い期限なのか、

その裏側にある化学的な理由や最新の知見を、わかりやすく解説します!

 

混ぜたらカウントダウン開始!ベストロンの不思議

こんにちは!

健康とくすりの知識をお届けするブログです。

風邪の後の結膜炎や、ものもらい手術前の感染予防などでよく出されるベストロン点眼液。

この薬の最大の特徴は、

「使う直前に自分で(または薬局で)混ぜる」

という点です。

これを専門用語で「時事調製(じじちょうせい)」と呼びます。

なぜ最初から混ざった状態で売っていないのか、そしてなぜ混ぜるとたった1週間しか持たないのか。

その理由は、

主成分である「セフメノキシム塩酸塩」のデリケートな性格にありました。

理由1:水に浸かると「自滅」が始まる(安定性の問題)

ベストロンの主成分であるセフメノキシム塩酸塩は、セフェム系と呼ばれる抗生物質の一種です。

この成分、

実は「水に溶けた状態」がめちゃくちゃ苦手なんです。

化学的な「加水分解」

粉末の状態であれば、この成分は非常に安定していて、長期間(製造から約3年など)効果を保つことができます。

しかし、

溶解液(水)と混ざった瞬間から、水分子と反応して分解される「加水分解」という現象が始まります。

イメージとしては、おせんべい(粉末)は長持ちするけれど、お茶に浸したおせんべい(溶解後)はすぐにふやけて腐ってしまうのに似ています。 

 

1週間の根拠

製薬会社の試験データによると、混ぜた後の液を冷所(冷蔵庫)で保管した場合、

有効成分が十分に保たれる限界が「7日間」とされています。

これ以上過ぎると、菌をやっつけるためのパワー(力価)が落ちてしまい、

せっかく点眼しても病気が治りにくくなってしまうのです。

 

理由2:見た目が「毒々しく」変化する(着色の問題)

実は、1週間を過ぎても成分がゼロになるわけではありません。

しかし、

もう一つの大きな問題が発生します。それが「色の変化」です。

 混ぜた直後

無色〜ごく薄い黄色

数日後

黄色が濃くなる

さらに放置

オレンジ色〜褐色(茶色)

これは成分が分解される過程で、着色物質が生まれるためです。

最新の知見やメーカーの資料を深掘りすると、実は「茶色くなっても、すぐに毒になるわけではない」という報告もあります。

しかし、点眼薬は「目」という非常にデリケートな粘膜に使うもの。

「見た目が変わる=化学変化が起きている」ということなので、

安全性を最優先して「変色する前に使い切る、あるいは捨てる」という基準が設けられています。

 

理由3:防腐剤の効果にも限界がある

点眼薬には通常、細菌が繁殖しないように防腐剤が入っています。

しかし、ベストロンのように「抗生物質」そのものを溶かして使うタイプは、

成分の分解物などが防腐剤の働きを邪魔したり、あるいは分解物自体が目に刺激を与えたりするリスク

がゼロではありません。

「1週間」という期限は、「薬としての効果」と「目への安全性」をダブルで保証できるタイムリミットなのです。

正しく使うための3つの鉄則

せっかくの薬も、使い方が悪いと効果が半減してしまいます。

ベストロンを使う際は、以下の3点を必ず守りましょう。

必ず「冷蔵庫(冷所)」で保管!

温度が高いと、加水分解のスピードが劇的に上がります。

夏場の室内などに放置すると、1週間経たずともダメになってしまうことがあります。

 

 光を避ける!

ベストロンは光にも弱いです。

付属の遮光袋(オレンジや茶色の袋)に入れて保管しましょう。

 

1週間経ったら、迷わずサヨナラ!

まだ残っているから」「もったいないから」と、2週間前の薬を使うのはNGです。

効果がないどころか、変質した成分で目を痛める可能性があります。

 

まとめ:なぜ1週間なの?

結論を言えば、

「主成分が水に弱く、1週間を過ぎると菌を殺すパワーが落ち、
成分が変質して目に悪影響を与える可能性があるから」です。

混ぜてから1週間」というルールは、皆さんの大切な目を守るための安全装置なんですね。

もし、1週間経っても症状が治らない場合は、

薬を使い続けるのではなく、もう一度眼科を受診して「まだ治っていない」と医師に相談してください。それが一番の近道です。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料・URL

ベストロン点眼液0.5% 添付文書(PMDA)

セフメノキシム塩酸塩 インタビューフォーム(千寿製薬)

くすりの適正使用協議会:くすりのしおり(ベストロン点眼液)

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