▶分子標的薬【タフィンラー】カプセル®の特徴、用法用量、副作用などを教えて!

抗腫瘍薬、治療法
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分子標的薬【タフィンラー】カプセル®の特徴、用法用量、副作用などを教えて!

こんにちは。

がん治療の最前線では、特定の遺伝子変異を狙い撃ちする「分子標的薬」が目覚ましい進化を遂げています。

今回は、その代表格の一つである「タフィンラー®(一般名:ダブラフェニブ)」について、

2026年時点の最新情報を踏まえながら、その特徴や使い方、注意すべき副作用までを詳しく解説します。

患者さんやご家族にとって、治療への理解を深める一助となれば幸いです。

 

タフィンラー®とは?がんの「増殖スイッチ」を切る薬

タフィンラーは、がん細胞の増殖に関わる「BRAF(ビーラフ)遺伝子

に変異がある場合に効果を発揮する分子標的薬です。

通常、細胞内のBRAFタンパク質は「増殖せよ」という信号を適切なタイミングで送ります。

しかし、この遺伝子に変異(特にV600変異)が起きると、

信号が「常に入れっぱなし」の状態になり、がん細胞が無秩序に増え続けてしまいます。

タフィンラーは、この異常なBRAFタンパク質をピンポイントでブロックし、
暴走する増殖信号を止める役割を担います。

「メキニスト®」との最強タッグ

現在、タフィンラーは単独ではなく、多くの場合「メキニスト®(一般名:トラメチニブ)」という別の薬と併用されます。

メキニストは、BRAFの下流にある「MEK」というタンパク質をブロックする薬です。

上流(BRAF)と下流(MEK)をダブルで抑え込むことで、がんの増殖をより強力に防ぎ、

耐性(薬が効かなくなること)がつくのを遅らせる効果が期待されています。

 

2026年現在の主な適応症

タフィンラーの大きな特徴は、当初の「皮膚がん(悪性黒色腫)」から、

今では多くの臓器へと適応が広がっている点です。

現在、以下の疾患でBRAF V600遺伝子変異が陽性の場合に使用されます。

 悪性黒色腫(メラノーマ)

手術ができない進行した状態や、手術後の再発予防(術後補助療法)として。

 非小細胞肺がん

切除不能な進行・再発の場合。

固形腫瘍(臓器横断的適応)

標準的な治療が困難な、BRAF変異を持つ多くの固形がん(結腸・直腸がんを除く)

低悪性度神経膠腫(グリオーマ)

脳腫瘍の一種で、成人だけでなく小児にも適応があります。

有毛細胞白血病

再発や難治性の場合。

このように、

「どのがんか」ではなく「どんな遺伝子変異があるか」で薬を選ぶ「プレシジョン・メディシン(精密医療)」

の柱となっています。

 

正しい服用方法と注意点(用法・用量)

タフィンラーはカプセル剤で、自宅で服用できるのがメリットですが、「食事の影響」を強く受けるため、飲むタイミングが非常に重要です。

 

基本的な飲み方

成人の場合、通常は「1回150mg(50mgカプセルなら3カプセル)を1日2回、12時間おき」に服用します。

 

食事との間隔を厳守

ここが最も大切なポイントです。

食事の直前や直後に飲むと、薬の吸収率が変わってしまい、効果が弱まったり副作用が強く出たりする可能性があります。

  • 食前: 食事の1時間以上前に服用
  • 食後: 食後2時間以上経ってから服用

例えば、「朝起きてすぐに飲み、1時間後に朝食を摂る」「夕食の2時間後、寝る前に飲む」といったルーチンを作ることが推奨されます。

 

飲み忘れたときは?

次の服用まで6時間以上ある場合は、気づいた時点で1回分を飲みます。

6時間を切っている場合はその回は飛ばし、次はいつも通りの時間に飲みます。

決して「2回分を一度に飲む」ことはしないでください。

 

注意すべき副作用とその対策

タフィンラー(およびメキニストとの併用)は、従来の抗がん剤のような激しい脱毛や吐き気は比較的少ないとされますが、特有の副作用があります。

 

1. 発熱(最も頻度が高い)

最も注意が必要なのが「発熱」です。38℃を超える熱が出ることがあり、悪寒や関節痛を伴うこともあります。

対策

38℃以上の熱が出た場合は、一旦服用を休止し、主治医に連絡するのが基本です。

解熱剤(アセトアミノフェンなど)を併用することもありますが、自己判断で飲み続けず、医師の指示を仰ぎましょう。

 

2. 皮膚の症状

発疹、乾燥、かゆみのほか、手のひらや足の裏が赤く腫れて痛む「手足症候群」が現れることがあります。

対策

保湿剤によるケアが欠かせません。また、日光に当たると過敏に反応することがあるため、外出時の紫外線対策も重要です。

 

3. 目への影響

稀に網膜の腫れや視力低下、かすみ目などの眼症状が現れることがあります。

対策

「見え方がいつもと違う」と感じたら、すぐに主治医や眼科医を受診してください。

 

4. その他の症状

倦怠感、頭痛、関節痛、吐き気、下痢なども報告されています。

また、長期の使用により、心機能の低下や新たな皮膚腫瘍(良性のことが多いですが)ができる可能性があるため、定期的な検査が必須です。

 

治療を成功させるためのポイントそ

タフィンラーによる治療は、副作用をうまくコントロールしながら「長く飲み続けること」が大切です。

体調メモをつける

体温や皮膚の状態、便の回数などを記録しておくと、診察時に医師へ正確な情報が伝わります。

自己中断しない

「熱が出たからもう飲みたくない」と勝手にやめてしまうと、がんが再び増殖するリスクがあります。

休薬や減量は、必ず医師の判断で行います。

多職種との連携

薬剤師さんに飲み合わせを確認したり、看護師さんに皮膚ケアのコツを聞いたりして、チームで治療に臨みましょう。

 

最後に

タフィンラーは、BRAF変異という「がんの急所」を突くことで、これまで治療が難しかった患者さんに新たな光をもたらしました。

2026年現在、小児用剤形の充実や適応拡大により、より多くの世代・疾患で使われるようになっています。

以上、ご参考になれば幸いです。

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