▶日本で開発された【ルーラン錠】の特徴、用法用量、副作用などを教えて!

心療内科
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日本で開発された【ルーラン錠】の特徴、用法用量、副作用などを教えて!

ルーラン(一般名:ペロスピロン)は、日本で開発された「非定型抗精神病薬」の一つです。

統合失調症の治療において長年使われてきたお薬ですが、その独特なキャラクターから、現在でも現場で重宝されるシーンが多い薬剤です。

今回は、ルーラン錠の特徴や使い方、そして気になる副作用について、

2026年現在の最新の知見を交えながら、詳しく解説していきます。

 

日本生まれの「優しめ」な抗精神病薬、ルーランの真実

メンタルヘルスの分野で処方されるお薬には、海外生まれのものが多いのですが、

このルーランは日本で開発されたという出自を持っています。

そのため、日本人の体格や体質に合わせた使い方が研究されており、医師にとってもコントロールしやすいお薬の一つと言えます。

 

ルーランの最大の特徴:SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)

ルーランは、専門的にはSDA(セロトニン・ドパミン・アンタゴニスト)というグループに属します。

脳内の「ドパミン」が過剰になると幻覚や妄想(陽性症状)が出やすくなりますが、

ルーランはこれをブロックして落ち着かせます。

同時に

「セロトニン」も調整することで、感情が乏しくなったり意欲が低下したりする「陰性症状」の改善も期待できる

のが特徴です。

さらに、ルーランには他の薬にはないユニークな点があります。

それは「セロトニン1A受容体」を刺激する(作動薬)という働きです。

この作用があるおかげで、抗精神病薬でありながら、

不安を和らげたり、気分を少し持ち上げたりする「抗うつ・抗不安作用」を併せ持っているのです。

具体的な「使い方」と「飲み方」のルール

ルーランを使う上で、絶対に知っておかなければならない「お作法」があります。それは、「1日3回、食後に飲む」ということです。

なぜ「食後」で「3回」なの?
最近の抗精神病薬は「1日1回でOK」というタイプが増えていますが、ルーランはあえての1日3回です。

 

食事の影響を強く受ける

空腹時に飲むと、成分が体に吸収されにくくなってしまいます。

しっかり効果を出すためには、食後の胃に食べ物がある状態で飲むのが鉄則です。

 

キレが良い(作用時間が短い)

ルーランは体から抜けるのが比較的早いため、1日1回だと効果が途切れてしまいます。

小まめに分けることで、血中の濃度を一定に保つのです。

用法の目安

  • 開始用量:通常、1日12mg(4mgを1日3回)からスタートします。
  • 維持量:症状を見ながら調整し、1日12mg〜48mgの範囲で継続します。
  • 最大量:1日48mgまでと決められています。

「最近少し調子がいいからお昼分を抜いちゃおう」といった自己判断は、血中濃度の変動を招き、症状が不安定になる原因になります。

決められた回数を守ることが、回復への近道です。

 

知っておきたい副作用とその対策

どんなに良いお薬でも、副作用の可能性はゼロではありません。

ルーランは比較的「副作用がマイルド」と言われていますが、それでも注意すべきポイントがいくつかあります。

1. 体がそわそわする「アカシジア」

ルーランで最も注意したいのが、このアカシジア(静坐不能)です。

じっとしていられない」「足がムズムズする」「歩き回りたくなる」といった感覚が出ることがあります。

これは性格の問題ではなく、お薬がドパミンに作用している証拠なのですが、不快感が強い場合はすぐに医師に相談してください。

お薬を減らしたり、副作用を抑える薬を併用したりすることで改善できます。

2. 眠気とふらつき

飲み始めや増量時に、眠気や立ちくらみ(起立性低血圧)を感じることがあります。

特に高齢者の方は転倒のリスクがあるため、ゆっくりと立ち上がるなどの注意が必要です。

また、車の運転や危険な作業は控えるよう定められています。

3. 体重の変化と血糖値

古いタイプの抗精神病薬に比べると、ルーランは「太りにくい」部類に入ります。

しかし、全く影響がないわけではありません。

食欲が増進したり、血糖値が上がったりすることが稀にあるため、定期的な血液検査が推奨されています。

「急に喉が渇くようになった」「トイレの回数が増えた」という変化があれば、血糖値の影響を疑う必要があります。

4. 生理不順や乳汁分泌(高プロラクチン血症)

女性の場合、ホルモンのバランスが変わることで生理が止まったり、授乳中でもないのに乳汁が出たりすることがあります。

これもドパミン遮断作用によるものですが、気になる場合は我慢せずに主治医に伝えてください。

 

2026年現在の視点:ルーランの「立ち位置」

現在、多くの新しい治療薬が登場していますが、

ルーランが今でも選ばれ続けているのは「キレの良さと、調整のしやすさ」にあります。

「重すぎない」お薬

強い鎮静作用(眠り込ませるような力)が少ないため、日中の活動を維持したい方に適しています。

「せん妄」への活用

最近では、高齢者の入院時などに起こる「せん妄(パニックや混乱状態)」に対しても、

その作用時間の短さを活かして使われるケースが増えています。

 

最後に:主治医とのコミュニケーションが大切

ルーランは、正しく使えば「穏やかな日常」を取り戻すための非常に心強いパートナーになります。

もし「薬を飲んでからなんとなく落ち着かない」「昼間の眠気が強すぎる」といった違和感があれば、それは薬が合っていないのではなく、

「用量の調整が必要なサイン」かもしれません。

ルーランは1日3回という手間はかかりますが、その分、きめ細かな調整が効くお薬です。

自分の体調の変化をメモしておき、診察時に主治医へ伝えることで、より自分に合った治療プランを作っていくことができます。

お薬について不安なことや、もっと詳しく知りたい特定の症状などはありますか?

もしあれば、いつでも教えてくださいね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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