国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんが、
2026年1月29日に63歳でこの世を去られたというニュースは、多くの日本人に深い衝撃を与えました。
一つの時代が終わったような、形容しがたい喪失感を抱いている方も多いのではないでしょうか。
今回は、彼が残した比類なき「頭脳」と、
枠に収まりきらなかった「多才な功績」について、最新の情報を交えながら振り返ってみたいと思います。
知性の怪物:東大とハーバードを射止めた伝説の頭脳
モーリーさんを語る上で欠かせないのが、1981年に成し遂げた「東京大学(文科二類)とハーバード大学への同時現役合格」という伝説です。
これは単なる受験秀才であることを意味しません。
日本とアメリカ、全く異なる二つの高度なアカデミズムを、弱冠10代にして手中に収めたその能力は、文字通り「規格外」でした。
東大を中退してハーバードへ進むという決断も、当時の日本では異端の極み。
彼は常に、自分を「安住」させる場所から一歩踏み出し、知的好奇心の赴くままに境界線を越え続けてきました。
ハーバードでは電子音楽を専攻し、音と映像が人間に与える「幻覚体験」の可能性を追求。
彼にとって知性とは、単に知識を貯め込むことではなく、
「既存のシステムを解体し、新しい感覚を提示する武器」だったのでしょう。
境界を破壊する才能:ジャーナリスト、音楽家、そして表現者として
モーリーさんの魅力は、その強烈な「横断性」にありました。
ジャーナリズムの革命児
『ユアタイム』や『堀潤 Live Junction』などで見せた、既存のメディアの予定調和を切り裂くような視点。
彼は「日米双方の視点」を持ちながら、そのどちらにも偏りすぎない、
冷徹なまでの客観性とユーモアを併せ持っていました。
音楽とメディアアート
ラジオDJとしてJ-WAVEなどで活躍した際の洗練されたトーク、そしてパンクや電子音楽への深い傾倒。
2021年の大河ドラマ『青天を衝け』ではペリー提督役を演じ、
その圧倒的な存在感で茶の間を驚かせました。
「自分」を客観視する力
自叙伝『よくひとりぼっちだった』に象徴されるように、彼は常に「マイノリティ*であること」「孤高であること」を恐れませんでした。
それが、ファンとの交流における独特な距離感や、熱量の高い議論のベースになっていたのです。
2026年、最後のメッセージ:食道がんとの闘い
最新の情報によれば、モーリーさんは2025年8月に食道がんの診断を受け、闘病を続けておられました。
肝臓への転移も判明する中、彼は自らの死生観を見失わず、最後まで自分らしくあろうとしたといいます。
2026年1月29日未明、東京・渋谷の病院で静かに息を引き取った彼を、
20年来のパートナーである池田有希子さんは「幸せでした。心からありがとう」と追悼しました。
彼が亡くなった今、私たちが受け継ぐべきは、彼が常に体現していた「多角的、多層的に世界を見る視力」ではないでしょうか。
その生き様こそが、モーリーさんが残した最大の作品だったのかもしれません。
日本という島国の硬直した空気を、その知性とユーモアで常に浄化してくれたモーリー・ロバートソンさん。
63年という早すぎる幕引きでしたが、彼が蒔いた「知の種」は、これからも多くの人々の心の中で発芽し続けるはずです。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
以上、ご参考になれば幸いです。
