お腹の調子が悪いとき、昔から頼りにされてきた「アドソルビン原末」。
最近、処方箋を持って薬局へ行っても「在庫がなくて……」「もう入荷できないんです」と言われ、困惑している方も多いのではないでしょうか。
長年愛用してきた薬が突然手に入らなくなるのは、患者さんにとっても不安なことですよね。
今回は、なぜアドソルビンが薬局から姿を消してしまったのか、その衝撃的な理由と、
代わりになるお薬について、2026年現在の最新情報を詳しくお伝えします。
なぜアドソルビンは入荷できないのか?
結論から申し上げますと、アドソルビンは現在、「販売中止(製造終了)」に向かっています。
2023年頃から深刻な出荷停止が続いていましたが、2026年3月をもって「経過措置」という期間が終了し、
事実上、日本の医療現場から完全に姿を消すことになります。
では、なぜこれほど必要とされている薬が作られなくなってしまったのでしょうか。
その理由は、現代の技術でも解決できない、物理的な限界にありました。
1. 驚愕の理由:地球から「原材料」が消えた
アドソルビンの主成分は「天然ケイ酸アルミニウム」です。
この成分、実は名前の通り「天然の鉱物」から作られています。
特定の地層から採掘される特別な泥のような成分を精製して薬にしていたのですが、
「他の場所で掘ればいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、医薬品として使用できる品質の天然鉱物は非常に貴重です。
新たな採掘場所を見つけ、そこから採れるものがこれまでの薬と同じ品質・安全性であることを国に証明し、承認を得るには膨大な年月とコストがかかります。
メーカーであるアルフレッサファーマも検討を重ねたようですが、最終的には「継続不可能」という苦渋の決断を下すこととなりました。
2. 精製技術や代替合成が困難だった
「天然がダメなら人工的に作ればいい」という発想もありますが、
結果として、2023年に出荷が停止され、卸売業者の在庫も尽き、
現在は多くの薬局で「入荷の目処が立たない(あるいは取り扱い終了)」という状況になっています。
アドソルビンの代わりになる「代替薬」は何?
アドソルビンが使えないとなると、次に気になるのは「代わりになる薬はあるのか?」ということですよね。
アドソルビンは「吸着剤」という、腸内の悪いものを吸い取って便を固めるタイプの下痢止めでした。
全く同じ成分の薬はありませんが、症状や目的に合わせて医師が処方する代表的な代替薬をいくつかご紹介します。
1. タンナルビン(タンニン酸アルブミン)
アドソルビンと並んで、昔からよく使われている「収斂(しゅうれん)剤」です。
アドソルビンと同様に粉薬(散剤)があるため、
になることが多いお薬です。
2. デルマトル(次没食子酸ビスマス)
こちらも古くからある下痢止めで、腸粘膜を保護する力が強いお薬です。
3. 天然ケイ酸アルミニウムを含む「配合剤」
アドソルビン単体(原末)はなくなりますが、他の成分と混ざった状態の薬はまだ存在します。
代表的なのは「カシバール」や、市販薬に含まれる胃腸薬などです。
ただし、他の成分も一緒に入ってしまうため、アドソルビンと同じ感覚で使うには医師の判断が不可欠です。
4. ロペミン(ロペラミド塩酸塩)
こちらは「吸着」ではなく、腸の動きそのものを強力に止めるお薬です。
患者さんがこれからすべきこと
「ずっとアドソルビンを使っていたのに、どうすればいいの?」と不安な方は、以下のステップで対応を考えてみてください。
医師に「アドソルビンが廃止になること」を確認する
大きな病院の先生でも、意外と「自分の出している薬が製造中止になる」という情報をリアルタイムで把握していないことがあります。
次回の診察時に「薬局で在庫がないと言われたのですが、代わりのお薬をお願いできますか?」と相談してみてください。
市販薬で代用する場合は「木クレオソート」や「ビスマス」系を
ドラッグストアで探す場合は、吸着作用や粘膜保護作用のある成分が入った胃腸薬(正露丸や、ビスマス配合の止瀉薬など)が候補になりますが、自己判断せず薬剤師さんに相談しましょう。
まとめ:一時代の終わりと、新しいお薬への切り替え
アドソルビンが入荷できない理由は、
という、なんとも壮大で、かつ避けられない理由でした。
2026年3月の経過措置終了(保険適用から外れること)をもって、アドソルビンはその長い歴史に幕を閉じます。
寂しい気持ちもありますが、医療は日々進化しており、
タンナルビンや他の止瀉薬で十分にコントロールできる場合がほとんどです。
もし、今お手元にアドソルビンの残薬がある方は、
使用期限に注意しつつ、主治医と「次の一手」について早めに話し合っておくことをおすすめします。
以上、ご参考になれば幸いです。
