認知症の方が入所できる施設は?
以下の文章は、学研の高齢住宅「ココファン」より介護支援専門員、介護福祉士 坂入郁子 様、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」の記事などを参考にしています。
今日は、認知症の方が施設に入所するタイミングやどのような施設があるのか、
さらに問題点、メリットなどをご紹介します。
認知症の方がやむを得ず施設に入所するタイミングは、以下のような目安があります。
a.介護者が介護を辛いと感じるとき
b.認知症の方が安全に生活できなくなるとき
c.認知症の症状が進行しているとき
これらの場合には、施設入所を検討する必要があると思われます。
施設入所を遅らせると、介護者の負担が増えたり、
認知症の方の状態が悪化したりするリスクがあります。
新たな環境に慣れるためにも、生活能力や適応力が豊かな時こそ良いタイミングといえます。
「まだ症状が軽いから大丈夫」と考えるのではなく、
認知症の症状が軽い段階から施設選びを始めましょう。
認知症の方が入所できる施設は、
①特別養護老人ホーム(特養)
②グループホーム
③介護付き有料老人ホーム
④サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
などがあります。
それぞれの施設の特徴や入所条件などをまとめます。
①特別養護老人ホーム(特養):
要介護認定を受けた方が対象で、生活支援から介護サービスまで幅広く受けられます
基本は「要介護度3以上」であることが入所基準となっています
認知症の方は、「要介護度2以下」でも特例で入所できる場合があります
▼要介護区分については、私の過去ブログを参考にしてください▼
「終身利用」「見取り介護」に対応していることや「医療的ケア」が可能なことがメリットです
入所待ちが多いことが難点です
②グループホーム:
要支援2以上の認知症の方が対象で、5~9人程度の少人数で共同生活を送ります
食事の準備や後片付け、掃除や洗濯などの家事をそれぞれ役割分担して行います
認知症ケアの専門職員が24時間対応してくれます
家庭的な環境で暮らせることや住民票を移せることがメリットです
集団生活が苦手な方は、ストレスになる可能性があります
「医療的ケア」や「重度の身体介護」には対応できない場合があります
③介護付き有料老人ホーム:
要介護認定を受けた65歳以上の方が対象で、介護度が重度の方でも入所できます
「介護専用型」「混合型」「自立型」の3つに分けられています
「介護専用型」と「混合型」では、24時間、掃除や洗濯、入浴や排せつ介助などのサービスを受けることができます
「介護専用型」の入所対象は、「要介護1以上」の方のみです
「混合型」は要介護認定を受けている方、受けていない方どちらでも入所が可能です
「自立型」は入所の段階で要介護認定を受けていない方が対象です
24時間介護サービスやリハビリなどのサービスが受けられます
入所への待機期間が比較的短く、費用は低額から高額までさまざまです
施設によってサービス内容や物件の質が異なることが難点です
④サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)∶
60歳以上の高齢者か、60歳未満で要介護認定を受けている方が対象
バリアフリーが完備された高齢者のための賃貸住宅です
高齢者であることを理由に入所を断られる心配はありません
入居すると、安否確認や生活相談などのサービスを受けることができます
介護や医療が必要になった場合は、外部のサービスを利用することもできます
自立した生活を送りたい高齢者におすすめの住まいです
施設によっては、「自立可能な方」や「感染症にかかっていない方」など、独自の条件を設けている場合があります
「配偶者」「60歳以上あるいは要支援・要介護認定を受けている親族」などは同居可能です
認知症で施設に入所する問題点
施設に入所することで、本人が見捨てられたと感じることがある
住み慣れた家を離れることに抵抗を感じる
ストレスから認知症の症状を悪化させる可能性がある
環境の変化に適応できない場合がある
特に集団生活になると、食事や入浴などの生活リズムや施設のルールに合わせる必要がある
本人の認知機能や自立性に影響を与える可能性がある
家族との関係が希薄になる場合や、本人が孤独や不安を感じる可能性がある
家族も本人の状態や施設のサービスに不満や心配を抱く可能性がある
以上のように、認知症で施設に入所する問題点は多岐にわたります。
施設に入所するメリット
本人の安全や健康を専門的に管理できる
徘徊や火事などの事故や、詐欺や暴力などの被害を防ぐことができる
医療や介護のサービスが受けやすくなる
本人の生活の質を向上させることができる
本人のニーズや好みに応じた食事やレクリエーションなどのサービスを提供してもらえる可能性がある
他の入所者や職員との交流を通じて、社会性や自尊感を高めることができる
家族の負担やストレスを軽減することができる
家族は、本人の介護や生活の世話から解放され、自分の時間や仕事などに充てることができる
施設の職員や相談員などのサポートを受けることができる
認知症で施設に入所するかどうかは、本人や家族の状況や希望によって異なります。
施設に入所するタイミングや方法、諸費用などについては、
専門的なアドバイスを受けることが大切です。
ある程度、知識があると将来安心できると思います。
「団塊の世代」の皆様が、そろそろ70代半ばになります。
他人事とは考えずに、皆様で一緒に考えていきましょう。