今回は、まず昨年を振り返り、今年の薬局薬剤師が知るべきポイントを整理します。
以下の文章は、薬事日報「2023年その他の主なニュース」、日経DIオンラインなどを参考にしています。
昨年の振り返り
2023年は、GE大手の沢井製薬の不正が医薬品の供給不安に苦しむ業界を震撼させました。
薬価制度改革では久しぶりにイノベーションを重視した施策が盛り込まれました。
ドラッグラグ・ロスの解消や、革新的新薬の薬価を維持するための薬価上の措置が検討されています。
後発品との価格差のうち4分の1を患者さまに求める長期収載品の選定療養導入も決まりましま。
国産コロナワクチンが承認され、アカデミアでは薬系学会連合の発足しました。
「アカデミア」とは一般的に大学や公的研究機関における研究職をさす言葉です。民間の研究職との対比として用いられます。 大学での研究者は例えば、教授や准教授、助教などが挙げられます。
2023年10大ニュース
長期収載品の選定療養決まる
2024年度薬価改革、新薬に手厚く
沢井製薬不正で業界激震
国産コロナワクチンが承認
AMR薬に初のプル型報奨
AMR(薬剤耐性)とは、抗菌薬の不適切な使用や濫用により、特定の菌に抗菌薬が効きにくく、または効かなくなることです。
報奨(インセンティブ)の種類は大きく「プッシュ 型報奨」と「プル型報奨」の 2 つに分けられます。
プッシュ型報奨は、助成金、税金控除、規制緩和など、研究開発支援を目的としたものです。
プル型報奨は、特許や市場参入への報酬など、研究開発の収益性を 高めることを目的としたものです。
日本薬系学会連合が発足
武庫川女子大学薬学部が定員半減
経口中絶薬が日本初承認
迫る物流の「2024年問題」
MR総数が5万人割れ
日医工から創業家退く
今年、薬局薬剤師が知るべきポイント。
2024年には診療報酬・介護報酬の同時改定、2025年は地域包括ケアシステムの構築が予定されています。
さらに医薬品医療機器等法(薬機法)の改正があるとみられています。
その中で、特に注目されるニュースは以下のようなものがあります。
✔ 薬局におけるOTC医薬品販売の際に薬剤師等の常駐を求める規制の見直し。
2024年6月までに規制緩和が行われる予定です。
現行の医薬品医療機器等法施行規則等では、薬局等でOTC薬品を販売する場合、お客様が安心して医薬品を購入できる体制として、開店時間の半分以上は薬剤師や登録販売者を配置するよう求めていますが、これが緩和される見込みです。
✔ 調剤基本料の適正化。
敷地内薬局の一律減算や地域支援加算の見直しなどが中医協で議論されます。
✔ レカネマブの相談支援体制の整備。
アルツハイマー型認知症治療薬として初めて承認されたレカネマブの適正使用を支援するため、薬剤師の役割が重要になります。
これらのニュースは、薬局・薬剤師の業務や経営に大きな影響を与える可能性がありますね。
私個人としては、薬がこれ程入手できない状況は考えられませんでした。
尚、少しお休みを頂き、過去ブログを見直す予定です。
今年は読者の皆様と共に心身健やかな生活を送りたいと思います。