▶「全般性不安障害(GAD)の特徴と治療法を知りたい」

心療内科
全般性不安障害(GAD)の特徴治療法を知りたい

全般性不安障害(GAD:Generalized Anxiety Disorder)は、理由がわからない不安心配が長期間続く精神的身体的な症状を伴う疾患です。

 

以下に特徴と治療法をまとめます。

1. 症状

精神症状

  •         注意散漫
  •         記憶力の低下
  •         疲れやすさ
  •         イライラ
  •         悲観的な思考
  •         人に会いたくない
  •         眠れない

身体症状

  •         頭痛や圧迫感
  •         落ち着かない感じ
  •         意識の朦朧感
  •         めまい
  •         寒気やのぼせ
  •         全身のドキドキ感
  •         筋肉の緊張感
  •         便秘や頻尿

2. 発症しやすい人

女性のほうが男性より多く発症
30歳前後の若い女性に多い
神経質な性格の人がなりやすい可能性あり

3. 診断

アメリカ精神医学会の『DSM-5』による診断基準を用います。

DSM-5は、「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」の略称です。アメリカ精神医学会が作成し、国際的な診断マニュアルとして使われています。

薬物療法(抗不安薬や抗うつ薬)と精神療法を併用します。

4. 治療法

    薬物療法

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬を使用します。

不安を和らげる効果が期待されます。

    精神療法

認知行動療法などが効果的です。

    TMS治療

新しい治療法として有望です。(下に詳しく説明します*)³

全般性不安障害は、適切な治療で症状を緩和させ、改善を目指すことができます。

 

全般性不安障害(GAD)の原因は?

明確には判明していませんが、複数の要素が関連しているとされています。

1. 遺伝的要因

GADの家族歴がある場合、遺伝的な影響が考えられます。

一卵性双生児研究からも遺伝の影響が示唆されています。

 

2. 脳内物質の異常

脳の機能的な異常が関与している可能性があります。

3. ストレスや心理的なトラウマ

現在のストレスや過労が発症原因に関連していることがあります。

4. 生活環境の変化

幼少期の家庭環境や経験が影響することもあります。

 全般性不安障害は、遺伝環境の両方が重なり合って発症すると考えられています。

 

*TMS治療法とは?

TMS(Transcranial Magnetic Stimulation)治療は、

神経精神疾患の一部であるうつ病や全般性不安障害(GAD)などの治療に用いられる非侵襲的な方法です。

非侵襲的(ひしんしゅうてき)とは、「生体を傷つけないような」という意味です。 

 原理

TMSは、頭皮を通して磁場を発生させ、脳の神経回路を刺激します。

磁場は神経細胞の活動を変化させ、神経伝達物質の放出を促進します。

治療の流れ

1. 患者は椅子に座り、頭皮にコイルを装着します。

2. コイルから発せられる磁場が特定の脳領域を刺激します。

3. 毎日数週間から数か月にわたり、セッションを受けます。

効果

TMSは、うつ病の症状を軽減する効果があります。

GADに対するTMSの効果は研究中ですが、一部の患者に対して有望な結果が報告されています。

TMS治療は、薬物療法精神療法と併用されることがあります。

ただし、個々の症状や状態に合わせて医師と相談することが重要です。

 

TMS治療の効果の持続期間は?

個人により異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。

1. 初期の効果

TMS治療を受けた直後から数週間は、うつ症状や不安症状の改善が見られることがあります。

2. 継続的なセッション

TMSは通常、毎日または週に数回のセッションを数週間から数か月にわたって行います。

この期間中に症状の改善が続くことが期待されます。

3. 持続期間

一部の患者では、TMS治療の効果が終了後も持続することがあります。

しかし、一部の患者では再発することもあります。

症状の持続期間は個人差が大きいため、医師との定期的なフォローアップが重要です。

 

全般性不安障害(GAD)は治るのでしょうか?

全般性不安障害(GAD)は、適切な治療とサポートを受けることで症状を軽減させることができますが、

完全に治癒することは難しい場合があります。以下に詳細を説明します。

治療の効果

薬物療法や精神療法を適切に行うことで、多くの患者さまの症状が改善しています。

一部の患者さまでは、症状が完全に消失することもあります。

再発のリスク

GADは再発する可能性があるため、症状が改善した後も定期的なフォローアップが重要です。

ストレスや生活環境の変化が再発を引き起こすことがあります。

自己管理

患者さま自身がストレス管理リラクゼーション法を取り入れることで、症状のコントロールに役立ちます。

総合的なアプローチで、症状の軽減と生活の質の向上を目指しましょう。

 

全般性不安障害の人との接し方

もし相談を受けたりしたときは、精神的にも身体的にも不調で苦しんでいることを理解して対応しましょう。

  • 気持ちの問題、性格だと決めつけない
  • 否定的なことを言わない、できないことがあっても責めない。
  • 不安を訴えているときは聞き役に回り、アドバイスではなく自分が味方であることを伝える
  • 休める環境を整え、安心感を与える。
  • 本人が意識を変えようと努力しているときには褒め、賛同してあげる。

 

最後に

私は、この全般性不安障害(GAD)について個人的に興味を持っています。

遺伝が関与している可能性があるからです。まだ十分わかっていません。

例え両親がそうでなくても、祖父祖母や兄弟姉妹に同じような症状があると考えています。

また、幼少期の家庭環境からも影響を受けます。

両親共働きが多いこの時代、特に夕方以降保育園、習い事、学習塾などで友達と過ごすことができればいいのですが、

日々子供だけで孤立して留守番をするような家庭環境では、心の成長に負の影響を与える気がします。

愛情を感じるセンサーが鈍くなると思いますね。

私がそうでした。

以上、ご参考になれば幸いです。

 

参考資料

全般性不安障害とは?症状、特徴、治療、接し方について …. https://tokyo-brain.clinic/psychiatric-illness/ad/1601.

全般性不安障害の特徴・症状と治療法について【医師監修】https://fastdoctor.jp/columns/generalized-anxiety-disorder

全般性不安障害(不安神経症)はどのような原因で生じるのか …. https://mentalsupli.com/disease/disease-anxiety/gad/gad-cause/.

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