▶イソソルビドシロップ「SEO」処方に変更不可✔、先発ならある時疑義照会は?

薬剤師の皆様へ
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イソソルビドシロップ「SEO」処方に変更不可✔、先発ならある時疑義照会は?

結論から申し上げますと、

イソソルビドシロップ「SEO」(ジェネリック)に「変更不可」のチェックがある場合、先発品(イソバイドシロップ)しか在庫がなくても、必ず処方医への「疑義照会(電話確認)」が必要です。

たとえ「高いジェネリックから安い先発に戻すだけだから、患者さんにも医師にも損はないだろう」と考えたとしても、

ルール上、薬剤師の独断で変えることはできません。

  • イソバイドシロップ70%分包30mL(先発): 74.20円
  • イソソルビド内用液70%分包30mL「CEO」(後発): 99.70円 
  • イソソルビド内用液(CEO)の方が1包あたり25.5円高いです。

この一見「逆転現象」のようなケースについて、2024年以降の最新ルールや現場での注意点、

そしてイソバイド特有の事情を含めて、詳しく解説していきます。

 

意外と迷う「ジェネリックから先発品」への変更

通常、薬局での変更調剤といえば「先発品からジェネリックへ」という流れが一般的ですよね。

しかし、最近は供給不安や味の好み、あるいは医師の強いこだわりによって、

あらかじめ「ジェネリックの銘柄」が指定され、さらに「変更不可」にチェックが入るケースが増えています。

ここで問題になるのが、「指定されたジェネリックの在庫が切れているけれど、先発品ならある」という状況です。

先発品なら文句ないでしょ?」とつい思いがちですが、実はここには法的なルールと、イソバイドならではの深い理由が隠されています。

なぜ勝手に先発品に戻してはいけないのか?

処方箋に「変更不可」のチェックと医師の署名がある場合、それは薬剤師に対する「法的な絶対指示」となります。

この指示を無視して調剤することは、以下の理由から認められません。

1. 「上(先発)」への変更も「処方変更」にあたる

たとえ先発品の方が品質が安定している(とされる)場合でも、

安価なジェネリックから高価な先発品へ変えることは、患者さんの自己負担額を増やす行為です。

安くなるならいいけど、高くなるのは困る」という患者さんも多いため、経済的な観点からも勝手な変更は許されません。

 

2. 医師の「医療上の必要性」を尊重する

2024年(令和6年)の診療報酬改定により、処方箋の様式が変わりました。現在、変更不可欄には「(医療上必要)」という文言が明記されています。

つまり、医師がそこにチェックを入れたということは、

「この患者には、先発品ではなく、あえてこのジェネリック(SEOなど)を使う医学的な理由がある」

と宣言していることになります。

 

3. 在庫不足は「変更不可」を解除する理由にならない

「在庫がない」というのは薬局側の都合であり、医師の指示を無効化する理由にはなりません。

在庫がない場合は、必ず「在庫がないため、別銘柄(または先発品)に変えても良いか」を確認し、

医師の了承(疑義照会)を得るプロセスが必須です。

 

イソバイド「SEO」を指定する医師のこだわり

特にイソバイド(成分名:イソソルビド)において、なぜ医師がわざわざジェネリックを指定し、変更不可にするのでしょうか。

そこにはこの薬特有の「飲みにくさ」が関係しています。

 

味の改良(フレーバーの差)

先発のイソバイドシロップは、衝撃を受けるほど苦くて酸っぱいことで有名です。

一方、ジェネリックの「SEO(ゼリア新薬)」などは、メーカー独自の工夫で飲みやすくフレーバーが調整されています。

「先発品は苦くて飲めなかったけれど、SEOなら飲める」という患者さんは非常に多いため、

医師はコンプライアンス(服用継続)を守るために、あえてSEOを指定することがあります。

 

剤形の工夫

イソソルビド製剤にはシロップだけでなくゼリー剤メニレットなど)もあります。

医師が特定の製品を選んでいる背景には、その患者さんが「一番飲み続けられるもの」を選んだという背景があるのです。

これを勝手に先発品に戻してしまうと、患者さんが「苦くて飲めない!」となり、治療が中断してしまうリスクがあります。

2024年10月からの「選定療養」の影響は?

最近話題の「先発品を選ぶと追加料金がかかる制度(選定療養)」についても触れておきます。

今回のケースのように、

「薬局にジェネリックの在庫がないために、やむを得ず先発品を出す場合」は、患者さんに追加料金(選定療養費)を求める必要はありません。

これは「医療機関や薬局の都合」によるものだからです。

ただし、これを適用するためには

「医師への確認」を行い、調剤報酬明細書の摘要欄などに「在庫不足のため」といった理由を記載する必要があります。

この手続きを正しく踏むためにも、やはり疑義照会は欠かせません。

 

現場でスムーズに対応するための言い回し

医師に電話をする際、「在庫がないので先発品にしますね」とだけ伝えると、

こだわりがある先生には角が立つかもしれません。以下のような伝え方を意識するとスムーズです。

「〇〇先生、いつもお世話になっております。本日処方いただいたイソバイドシロップSEOですが、現在ジェネリックの供給不安定により当局で在庫を切らしております。
患者様とご相談したところ、治療を優先して本日お薬を受け取りたいとのご希望です。医師の指示で変更不可となっておりますが、今回に限り先発品の『イソバイドシロップ』に変更して調剤してもよろしいでしょうか?」

このように、「供給不足という社会情勢」と「患者さんの治療優先」という2点を伝えると、多くの医師は快く許可してくれます。

 

まとめ

イソバイドシロップ「SEO」の変更不可チェックがある場合、先発品への変更であっても疑義紹介は必須です。

  • 「変更不可+署名」は絶対的な指示
  • イソバイドは「味」のこだわりで指定されていることが多い
  • 在庫不足による変更は選定療養の対象外(患者負担は増えない)だが、手続きとして医師の確認が必要

薬不足が続く苦しい状況ですが、ルールを守りつつ、患者さんがしっかりとお薬を服用できるようサポートしていきましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

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