▶漢方薬の番号に欠番があるのはどうして?

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漢方薬の番号に欠番があるのはどうして?

こんにちは!いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

病院で「ツムラの24番(加味逍遙散)」とか「62番(防風通聖散)」といったように、漢方薬を“番号”で呼ばれたり、処方されたりした経験はありませんか?

漢字ばかりで難解な名前が多い漢方薬において、この「番号」は私たち患者にとっても、医療従事者にとっても、パッと識別できる本当に便利なシステムですよね。

でも、この番号を1番から順にじっくり眺めてみると、ある不思議なことに気づくんです。

「あれ? 4番がない……。13番もないぞ?」

そう、漢方薬の番号には、ポッカリと穴が空いたような「欠番」が存在するのです。

「もしかして、開発に失敗した幻の漢方薬があるの?」

「歴史の裏に隠された、大人の事情でもあるのかな?」

そんな風に妄想が膨らんでしまいますよね。

今回は、この「漢方薬の番号に欠番がある理由」について、歴史的な背景から現代の最新事情まで、フランクに、かつ詳しく掘り下げて解説していきます!

 

そもそも、なぜ漢方薬に「番号」がついているの?

欠番の理由をお話しする前に、ちょっとだけ「なぜ番号がついているのか」という前提のお話をさせてください。

ここを知ると、欠番の謎がより面白くなります。

日本で最も広く使われている「ツムラ(株式会社ツムラ)」の医療用漢方エキス製剤には、1番から138番までの番号が振られています※製品自体は128種類です)。

実は、この番号の並び順には、医学的な分類や、五十音順といった明確なルールは一切ありません。

じゃあどうやって決まったのかというと、なんと「当時の研究者の実験ノートの順番」なんです。

昭和の時代、ツムラで漢方エキスの開発を先導していた小根山隆祥氏という研究者がいました。

彼が自分の実験ノートに「1番:葛根湯」「2番:葛根湯加川芎辛夷」「3番:乙字湯」……と、研究・整理していた順番が、そのまま現在の製品番号のベースになったと言われています。

なんとも人間味のある、素敵なエピソードですよね。

当時、病院のカルテはすべて手書きの時代。

「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」なんていう画数の多い複雑な漢字を、忙しいお医者さんが何枚も手書きするのは大変な苦労でした。

そこで、「番号で書いてもいいことにしよう!」という画期的なアイデアが生まれ、この実験ノートの番号がそのまま世に送り出されることになったのです。

 

欠番の最大の理由は「日本人の縁起担ぎ」

実験ノートの順番で綺麗に並んでいたはずの番号。

それなのに、なぜ途中で番号が飛んでしまっているのでしょうか?

その最大の理由は、非常にシンプルで

日本から切っても切り離せない文化、「忌み数(いみかず)=縁起の悪い数字を避けたから」です。

医療用漢方薬は、当然ながら「病気や体の不調に悩む患者さん」が飲むものです。

これから健康になろうとしている時に、薬の袋に不吉な数字がドーンと印刷されていたら、あまり良い気分はしませんよね。

特にツムラがこれらの番号を導入した昭和中期は、現代よりも数字の縁起を担ぐ傾向が非常に強い時代でした。

そのため、製薬会社としての細やかな配慮、優しさとして、不吉な連想をさせる数字をあらかじめ「欠番」にしたのです。

具体的に、どの番号がどんな理由で消えてしまったのかを見ていきましょう。

 

① 「死」を連想させる「4」のつく数字

日本では昔から「4=し=死」を連想させるため、病院の病室やマンションの部屋番号でも避けられることが多いですよね。

漢方薬の世界でも、この「4」は徹底的に排除されました。

  • 4番:完全に欠番。
  • 42番:不吉な「死に(42)」を連想させるため欠番。
  • 44番:ゾロ目で「死死(44)」となるため、大凶として完全に欠番。
  • 49番:言葉の響きが「死苦(49)」に通じるため欠番。
  • 94番:「苦死(94)」と読めてしまうため欠番。

見事なまでに、4にまつわる不吉な数字が綺麗にスキップされているのが分かります。

 

② 西洋の不吉な数字「13」

日本だけでなく、西洋の文化も影響しています。「13」といえば、キリスト教の「13日の金曜日」や最後の晩餐の席順などから、世界的に不吉な数字とされていますよね。

日本国内だけでなく、将来的なグローバル展開やモダンな視点も意識してか、「13番」もあらかじめ欠番とされました。

 

③ 番号の「お尻」の方にある謎の欠番たち

ツムラの番号は138番までありますが、実は最後の方にもいくつか欠番があります。

具体的には、「129番、130番、131番、132番」の4つが連続で欠番になっています。

これらは縁起の悪さではなく、

開発や登録のプロセスの過程で、一時的に番号を確保していたものの製品化されなかったり、処方の整理が行われたりした結果、空白として残ってしまった「歴史の名残り」だとされています。

消された番号の漢方薬は、どこへ行った?

「ちょっと待って、元々4番や42番だった漢方薬は、捨てられちゃったの?」と心配になりますよね。

安心してください。中身の素晴らしい漢方薬たちは、ちゃんと番号をお引っ越しして、今も現役で活躍しています!

例えば、元々「4番」になる予定だった桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)という、お腹の痛みを和らげる漢方薬があります。

この薬は「4番はマズい!」ということで、ずっと後ろの「134番」へと移動になりました。

また、元々「42番」になるはずだった、肝臓のケアなどに使われる茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)は、「135番」へとお引っ越ししています。

このように、中身はそのままで、番号だけが「安全な数字」へとスライドされたのです。

研究者の実験ノートから生まれた番号の利便性を守りつつ、患者さんへの配慮も忘れない、当時の人たちの工夫が垣間見えますね。

 

最新情報:他メーカーの漢方薬にも「4番」はないの?

ここで一つ、医療の現場でもよく話題になる「最新の漢方お役立ち情報」をお届けします。

実は、漢方薬を作っているのはツムラだけではありません。

クラシエ(Kracie)」や「コタロー(小太郎漢方製薬)」、「三和生薬」など、多くの素晴らしいメーカーが漢方薬を製造しています。

「じゃあ、メーカーが変われば、4番の漢方薬が存在することもあるの?」と思いますよね。

結論から言うと、

現代の日本の医療現場では、メーカーが違っても「基本的に同じ番号」が使われるようになっています。

昔はメーカーごとにバラバラの番号を付けていた時期もあり、医療現場が大混乱したことがありました。

「A社の24番と、B社の24番は全然違う薬!」なんてことになったら、誤処方の原因になって危ないですよね。

そこで、業界最大手であるツムラの番号が「業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)」となり、他メーカーもそれに合わせる形が一般的になりました。

そのため、クラシエやコタローの漢方薬であっても、「4番」や「44番」といった欠番は同じように存在しません。

ただし、メーカーによっては、独自の工夫をしているケースもあります。

例えば、元々ツムラで「42番」だった茵蔯蒿湯(ツムラでは135番)を、クラシエでは「4」と「2」の間に「0」を挟み込んで「402番」という独自の番号で製造・販売していたりします。

不吉な響きをマイルドにしつつ、元の実験ノートのニュアンスを残す、面白い工夫ですよね。

 

まとめ:漢方薬の番号は「優しさの裏返し」だった

普段、何気なく目にしている漢方薬の番号。

その中に隠された「欠番」の謎を紐解いてみると、そこにはオカルトな理由ではなく、「患者さんに少しでも不快な思いをさせまい」という、製薬会社や医療従事者の温かい配慮と優しさが詰まっていました。

不自然に数字が飛んでいるのは、日本の医療が患者さんの心理的な安心感をいかに大切にしてきたか、という歴史の証拠でもあります。

もし今後、周りの方で「どうして漢方薬の4番ってないんだろう?」と不思議に思っている人がいたら、

ぜひこの「実験ノートと縁起担ぎの優しい秘密」を教えてあげてくださいね。

皆さんが処方されているお気に入りの漢方薬の番号にも、もしかしたら面白いお引っ越しの歴史が隠されているかもしれません。

それでは、今回の記事はここまで!

皆さんの毎日が、健康的で心地よいものになりますように。また次回のブログでお会いしましょう!

以上、ご参考になれば幸いです。

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