▶傷病手当金が終了しても完治せず、うつ病で仕事続けたいとき、その後することは?

心療内科
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傷病手当金が終了しても完治せず、うつ病で仕事続けたいとき、その後することは?

傷病手当金の支給期間(通算1年6ヶ月)が終わりに近づくなか、うつ病の症状が完全には治っておらず、「それでも仕事は続けたい、働きたい」というお気持ちを抱えていらっしゃるのですね。

お金の不安と仕事への意欲、そして体調の不安が入り混じり、とても焦りやプレッシャーを感じやすい時期だと思います。

しかし、適切な制度や支援を活用しながら準備を進めれば、無理なく働き続けるための選択肢はたくさん存在します。

今回は、傷病手当金が終了した後も「働き続けたい」という方が、これから具体的に何を行うべきか、

手続き・働き方・お金・相談先といった視点からわかりやすく整理して解説します。

 

まず確認!あなたの「いまの立ち位置」はどこ?

傷病手当金が終了した後のアクションは、

「現在の会社に休職中で復職を目指すのか」

それとも

「退職して新しい職場へ転職・再就職を目指すのか」

によって大きく分かれます。

ご自身の状況に合わせて、読み進めてみてください。

 

パターン1:今の会社で復職を目指す場合

「今の会社に籍があり、休職期間がまだ残っている」「できれば元の会社で働き続けたい」という場合のステップです。

1. 主治医・産業医との面談で「短時間・軽作業」の可否を相談する

完全に元通りのフルタイム勤務を目指すと、体調を崩して再休職になってしまうリスクが高まります。

まずは主治医に「フルタイムは難しいが、時短勤務や負荷の少ない業務なら就労可能か」を相談しましょう。

主治医から「条件付きでの復職許可(診断書)」を出してもらえるかが最初の鍵になります。

その後、会社の産業医や人事担当者と面談を行い、以下のような配慮が可能か話し合います。

  • 短時間勤務(時短勤務)や週3〜4日勤務からのスタート
  • 残業免除や休日出勤の制限
  • 業務内容の変更(プレッシャーの少ない部署への一時的な配置転換)
  • 在宅勤務(テレワーク)の活用

 

2. 「医療リワーク」や「地域障害者職業センター」を活用する

「いきなり復職するのは不安」「体調の波があって復職診断が出るか心配」という方は、

医療機関が行う「リワークプログラム」や、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する「地域障害者職業センター」の復職支援プログラムを利用するのが非常に有効です。

一定期間、通勤に近い生活リズムを整え、模擬的なオフィスワークを通じて集中力や体力を戻すトレーニングを行えます。

会社側も、リワークを修了している実績があると復職許可を出しやすくなる傾向があります。

 

パターン2:退職して転職・再就職を目指す場合

「休職期間が満了して退職になった」「復職支援が得られないため、別の環境で再出発したい」という場合のステップです。

1. ハローワークで「雇用保険の受給期間延長」を行っていたか確認する

傷病手当金を受けている間、ハローワークで雇用保険(いわゆる失業手当)の「受給期間延長手続き」をしていたでしょうか?

働けない期間は失業手当を受け取れませんが、延長手続きをしておくことで、将来「主治医から働く許可が出たタイミング」で失業手当の支給を開始できます。

受給解除と受給開始の手続き

  主治医から「軽作業や条件付きなら求職活動・就労が可能」という意見書(診断書)を書いてもらい、ハローワークへ提出します。

これで「就労可能な状態」と認められ、基本手当(失業手当)の受給と求職活動がスタートできます。

 

2. 「就労支援機関」を最大限に活用する

うつ病の治療を続けながら新しい仕事を探す場合、一人で転職活動をするのは精神的負荷が大きすぎます。以下の専門機関を頼りましょう。

ハローワークの専門援助窓口(障害者窓口)

  手帳がなくても、医師の診断書等で配慮が必要と認められれば、専門の担当者がつき、病状に配慮された求人(障害者雇用枠や配慮つき一般求人)の紹介を受けられます。

就労移行支援事業所

  障害福祉サービスの一つで、原則無料(前年所得による)で通いながら、パソコンスキルの向上やストレスコントロールの習得、就職活動のサポート、採用後の定着支援までを一貫して受けられる施設です。

 

体調が万全でない中での「働き方」の選択肢

うつ病が完治していない状態で無理に前と同じ働き方に戻そうとすると、早期の離職や再発につながりかねません。

「今の体調に合わせた働き方」を選択することが大切です。

 

1. 障害者雇用枠での就労を検討する

もし「精神障害者保健福祉手帳」を取得している(または取得を検討している)場合、障害者雇用枠での就職を選択肢に入れることができます。

メリット

通院や体調の波に対する配慮、残業免除、業務量の調整などが最初から契約に含まれるため、長く安定して働きやすい。

ポイント

障害者手帳を取得しても、一般枠で応募することを禁止されるわけではありません。

「お守り」として持っておき、働き方の選択肢を広げるために活用するのが賢明です。

 

2. 短時間労働(週20時間未満〜20時間以上)から始める

いきなり週40時間のフルタイムではなく、週20時間程度(1日4〜5日×4時間など)からスタートする働き方です。

週20時間以上勤務すれば、雇用保険や社会保険(企業の規模による)の対象にもなるため、最小限の保障を確保しつつ体調を整えていくことができます。

 

傷病手当金終了後の「お金の不安」を和らげる制度

傷病手当金が切れた後、いきなり元の収入が得られない場合、経済的な焦りから体調を崩してしまうケースが少なくありません。

利用できる制度はあらかじめ知っておきましょう。

 

1. 自立支援医療(精神通院医療)

うつ病などの精神疾患で通院治療を続ける場合、医療費の自己負担額が通常3割から「1割」に軽減される制度です。

世帯の所得に応じて1ヶ月あたりの自己負担上限額も設定されるため、毎月の通院代や薬代の負担を大幅に減らせます。

市区町村の障害福祉担当窓口で申請できます。

 

2. 障害年金(障害厚生年金・障害基礎年金)

うつ病の症状によって「日常生活や労働に著しい制限がある」と認められた場合、働きながらでも、また傷病手当金が終わった後でも支給される可能性がある年金制度です。

申請の目安

うつ病で初めて医師の診療を受けた日(初診日)から1年6ヶ月を経過していることが条件となります。

ちょうど傷病手当金の支給期間満了と重なるタイミングです。

注意点

書類の準備や医師の診断書作成に数ヶ月かかることが多いため、傷病手当金が終了する数ヶ月前から年金事務所や社会保険労務士(社労士)に相談しておくのがスムーズです。

 

3. 住居確保給付金

もし退職して収入が途絶え、家賃の支払いが困難になった場合に、自治体から家賃相当額(上限あり)が直接大家さんに支給される制度です。

自立相談支援機関(生活困窮者自立支援窓口)で相談できます。

 

傷病手当金終了までに進める「具象的なスケジュール」

傷病手当金が切れる「2〜3ヶ月前」から行動を始めると、収入や支援の途切れを防ぐことができます。

 

【手当終了の 2〜3ヶ月前】

主治医に現状と今後の意図を伝える

  「傷病手当金が〇月に終わる。短時間でもいいので仕事を始めたい/復職したい」旨を話し合い、医学的なアドバイスをもらう。

制度の申請準備を始める

  自立支援医療や精神障害者保健福祉手帳、障害年金の申請について、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や年金事務所に相談する。

 

【手当終了の 1ヶ月前〜直後】

会社またはハローワークとの調整

復職の場合

産業医面談を実施し、復職計画(時短・軽作業)を策定する。

退職・再就職の場合

主治医から「就労可能(条件付き可)」の意見書をもらい、ハローワークで受給期間延長の解除と求職申し込みを行う。

就労支援機関の利用開始

  必要に応じて「就労移行支援事業所」の見学や、「地域障害者職業センター」の初回面談を予約する。

 

焦らず「一歩ずつ」働き続けるために

うつ病を抱えながら仕事を続けたいと考えているあなたは、非常に前向きで強い意志を持っていらっしゃいます。

しかし、「完治させてからじゃないと働けない」「以前のように完璧に働かなければならない」と思い詰める必要はまったくありません。

現代の制度や支援網は、

「病気や症状とつきあいながら、自分に合ったペースで働く(治療と仕事の両立)」

ことを後押しする仕組みへと変化しています。

まずは一人で悩まず、次の相談先のいずれか一つに連絡を入れることから始めてみてください。

  • 通院先クリニックの「医療ソーシャルワーカー(MSW)」
  • お住まいの地域の「ハローワーク(専門援助窓口)」
  • 市区町村の「障害福祉課」または「自立相談支援窓口」

あなたのペースで着実に準備を進め、安心して働き続けられる環境を整えていきましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

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